妊娠初期の流産の原因 腰痛や出血はサイン?手術が必要になる?

  • 作成:2016/09/13

妊娠初期の流産については、進行状況によって分類されています。腰痛や出血との関係や手術の必要性を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤恒正 監修
落合病院 副院長
近藤恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

妊娠初期の流産は腰痛や出血がサイン?

妊娠初期の流産とは

妊娠22週未満で起こる流産のなかでも、「妊娠12週未満」で流産することを「早期流産(あるいは初期流産):といい、妊娠12週から22週未満を「後期流産」といいます。流産全体に占める早期流産の割合は約70%で、特に妊娠8週から10週で起こる傾向が高くなっています。早期流産では、胎児になる前の状態の「胎芽」が認められない、もしくは認められたとしても生存しない状態のため、正常な妊娠になるように治療する方法は存在していません。したがって、「早期流産」と診断された場合は妊娠を継続することは不可能です。胎芽の状態(育っているのかいないのか)は超音波検査で判明するため、出血や痛みといった症状がなくても、「流産」と診断されることがあります。

流産の進行状況による分類

流産の種類は進行状況により、以下のように分類されています。

稽留流産:死亡した胎児が子宮内に留まっている状態です。自覚症状がほとんどなく超音波検査で発見されることが多くなっています。

進行流産:胎児や胎盤のもととなる組織などが子宮から流れ出している状態です。この状態を止めることはできません。

完全流産:胎児と組織が、自然に子宮から剥がれ、全て子宮外へ排出されてしまった状態です。

不全流産:胎児と組織の一部が子宮内に残されている状態です。

妊娠初期の流産の原因

早期流産の原因の約60%から70%は、「受精卵の染色体異常」とされています。後期流産の原因には母体の「絨毛膜下血腫(絨毛膜に血液がたまり血腫ができる状態)」や「子宮頸管無力症(子宮頸管の力が弱い症状)」があげられています。 受精卵の染色体異常とは、トリソミー(染色体が1個多い状態)、モノソミー(対になっている染色体において、1つを失った状態)、三倍体あるいは四倍体(1個の卵子に、2つの精子が受精したら三倍体、3つの精子が受精すると四倍体となりほとんどのケースで流産します)、そして染色体構造異常を指します。流産全体に占める割合としては、トリソミーが約52%、モノソミーが約18%、三倍体が約17%、四倍体が約6%を占めています。

受精卵の染色体異常が起こる原因はまだ不明です。米国のある大学の研究結果では、以下の4つが関連している可能性が指摘されています。

・減数(細胞)分裂の際に起こるなんらかの問題(トリソミーやモノソミーなど)
・母体の高齢(染色体異常は母体35歳以上で増加しています)の関連性
・男性の年齢(精子提供男性の45歳以上において常染色体優性遺伝のリスクが高まっています)の関連性
・妊娠中の葉酸摂取の関連性、の4つが指摘されています。

腰痛や出血と流産の関係

妊娠中には、腰痛はつきものです。腰痛だけが流産の兆候ということはありませんが、深刻な腰痛、出血、そして下腹部(子宮、足の付け根、骨盤周辺)の痛みを伴っていたら注意が必要です。特に注意が必要な腰痛は、まず下腹部がひきつるように痛み、その痛みが腰へ移動する場合です。この場合はすぐにかかりつけの産婦人科を受診してください。

また出血も流産の兆候の一つとしてあげられており、妊娠12週未満の早期流産では顕著になっています。出血量が少量か多量かにより流産の兆候かどうかの目安になりますので、参考にしてください。少量の出血(色も鮮血ではなく茶色やピンク色など)ではなく、出血量が「多量」「鮮血」「血塊を含んでいる」「ひきつるような下腹部の痛みが伴っている」この症状があった場合は、流産の可能性が非常に高くなっている可能性が高いということになります。こちらも、早急な受診が必要です。

ただし、切迫流産といって、出血や下腹部の痛みなどがあっても、胎児に心拍があり発育している場合がありますので、出血と下腹部の痛みが流産に直結するということではありません。

手術が必要か?どのような手術か?

流産の治療は、種類により手術が必要な場合とそうでない場合があります。

稽留流産では、放置しておくと進行流産になる危険が高いため、手術(子宮内容除去術:子宮内の胎児と組織を取り出す手術)が行われることが多いのですが、自然に流れるのを待ついわゆる待機的管理が選択されることもあります。

進行流産で、子宮内容が排出されている途中で出血が多くなっているため早く流産を終了させる必要がある場合には、手術を行うことがあります。完全流産では、胎児と組織が自然に子宮からはがれ、それらが全て子宮外へ排出されてしまった後のため、通常、治療(手術)は必要とされません。

不全流産では、胎児と組織の一部が子宮の中に残されるため、それらを取り除く手術(子宮内容除去術)が必要になります。

子宮内容除去術は、稽留流産の場合、流産と診断されたら早急に受けるのではなく、後日行われるのが一般的です。日帰り手術あるいは1泊入院(様態などを考慮して決定されます)です。

不全流産(痛みの強弱が大きく出血量があるためです)は診断されたらそのまま入院するケースがほとんどです。施術の流れとしては、まず子宮口を開くためにラミナリア桿(細い器具)、ダイラパン、ラミセルなどを用いて子宮頸管を開いた後、麻酔をかけた上で手術が実施されます。手術そのものは10分から15分程度です。自宅に戻った後の数日間は安静にすることが望まれます。術後1週間程度で再び診察し、問題がなければ通常生活に戻ります。

妊娠初期と流産の関係についてご紹介しました。流産の可能性に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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