魚の目(鶏眼)のセルフケアと治療 市販薬をどう使う?削ればよい?出血時にどう対応?手術や液体窒素を使うことも?
- 作成:2016/03/04
魚の目(医学的には「鶏眼」と言います)は、芯をとることで、セルフケアが可能です。ただ、正しい知識を持って対応しないと、出血したり、細菌感染を起こしてしまったりすることがあります。どのような薬を使うのかや、病院での治療を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
魚の目はセルフケアはしてよい?
魚の目では歩いた時に固くなった芯が皮膚に押し付けられて痛くなります。このため固くなった芯の部分を削り取ると楽になります。上手にセルフケアができると、すぐに楽になりますから、自分にあったセルフケアの方法を見つけて実施するのは良いと言えます。
芯をとるのが目的 削って良い?
芯を何らかの手段で取ると楽になります。ちょうど靴の中に小さな石が入っていて、歩くと痛いのと同じです。魚の目の芯は、皮膚の血流のない(血が通っていない)部分に存在していますから、芯だけを上手に取ると出血せず、細菌感染も起こりません。
とても硬くなった中央部の芯を削りとると痛みがなくなります。芯の周辺の角質は特に削る必要はありませんが、芯を削るときにある程度削ってしまっても問題ありません。
魚の目カッターを使うときの注意点 道具の共有はダメ
セルフケアでは、カッターやカミソリ、爪切りなどで芯の部分を切り取ることになりますが、余りに深く切ってしまうと、毛細血管のある皮膚の奥の方まで切ってしまい、出血します。出血するまで切ってしまうと、細菌が侵入して化膿することがありますから、出血するまで切らないようにしましょう。また、芯の取り残しがあると、しばらくすると再発してくることが多いのですが、「また切れば良い」と考えて、無理しないのが秘訣です。「爪切り」と同じように考え、徹底的にやりすぎないようにしてください。
また、道具をほかの人と共有しないようにしましょう。肝炎ウイルスや、イボウイルスはアルコールで拭いても残っていることがありますから、道具を共有すると病気が感染してしまう可能性があります。
セルフケアで出血したらどうしたらよい?
魚の目を削るときに出血してしまった時には、感染が起こらないように注意することが必要です。まず、出血した傷を。水道水で洗い流してきれいにしましょう。消毒液などをぬり、絆創膏などを貼っているうちに傷が治れば問題はありません。もし深く切ってしまって出血が続いているようなら医師の診察を受けてください。
魚の目の市販薬の種類と選び方
魚の目には市販薬もあります。大部分の市販薬は有効成分として「サリチル酸」と言われる成分を含んでいます。サリチル酸は角質を柔らかくしてはぎ取る作用があります。十分に柔らかくなると芯の部分が取れやすくなります。
市販薬は貼るタイプと塗るタイプがあります。貼るタイプは、手早く治療できますが、貼っている間、貼った部分を確認することができません。必要以上に広く貼ってしまうと気づいた時には広い範囲の皮膚がふやけてしまっているということがあります。そのようなときには細菌感染などのトラブルが起こりやすいので注意しましょう。
塗るタイプ、は毎日繰り返して塗る必要があることが不便な点ですが、毎日、魚の目ができた部分を観察して、魚の目だけに塗ることができます。また、薬を塗る時にふやけすぎにも気がつくのでトラブルが少ないのが良い所と言えます。
「絆創膏タイプ(スピール膏)」の使い方と注意点
よく聞く「スピール膏」と呼ばれるタイプの市販薬は、絆創膏にサリチル酸が配合されているもので、「貼るタイプ」のものです。魚の目の部分に貼っておくとその部分がふやけて軟化して白っぽくなってきます。数日後に絆創膏を取った時に白くふやけた角質がとれて、一緒に魚の目の芯も取れることを狙った治療です。白くふやけた角質が残ってしまったら、爪切りやカッターで取るのも良いでしょう。出血しない程度に取るようにしてください。スピール膏は魚の目の大きさに合わせて貼ってください。はみ出して貼ってしまうと、広い範囲の角質がふやけて白くなって、細菌感染が起こる可能性が出てきます。
セルフケアでなく、病院にいくべきタイミング
セルフケアをしているうちに患部が赤く腫れ、痛みが増してきた時には、細菌感染が起こっていることがありますから、病院を受診した方が良いでしょう。
また、セルフケアをしても1週間から2週間程度で再発して元と同じ状態に戻るという場合は、ウイルス性のイボである可能性があります。ウイルス性のイボがどんどん大きくなると治療に長期間かかることもありますから、早めに皮膚科を受診しましょう。
また足の指の変形が目立つ場合は、指の変形を治すことが根本的治療となりますから、機会を見て整形外科を受診しましょう。
魚の目は何科にいくべき?
セルフケアがうまくいかず、魚の目で病院へ行こうと考える場合、皮膚科が最適です。魚の目と思っていても実際はウイルス性のイボであることがよくあります。ウイルス性のイボでは液体窒素による凍結治療を受けることになります。皮膚科では凍結治療は一般的な治療であり、また魚の目を削る治療も皮膚科ではよく行われています。
なお魚の目で、大きな病院を受診するのは余りおすすめではありません。大きな病院では入院を要するような病気をしっかり治療したいと考える医師が多く、その場合はどうしても魚の目の診療に力が入らないこともあります。患者が多い魚の目ですので、近くのクリニックなどで、十分な対応をしてもらえると考えられます。
魚の目の手術とはどんなもの?メリットとデメリット
魚の目の芯のある部分を削ってもすぐに再発してしまう場合は、局所麻酔をして芯のある部分を含んだ皮膚を深層まですべて切り取る手術をすることもあります。しかしこの手術はあまり一般的ではありません。理由として、足の裏は手術の傷が治るまでに数週間もかかることがあるうえに、手術をしても圧迫される要因がなくなったわけではないので、魚の目が再発することがあるからです。
「外反母趾(がいはんぼし)」などの足の変形が、魚の目のできる原因となっている場合では、手術で足の変形そのものを治すことが根本的治療となります。足の変形を治療する場合は、骨の手術になりますから、整形外科を受診してください。
魚の目治療で液体窒素は使う?
魚の目が治りにくい時に芯の部分の軟化を狙って液体窒素治療を行うこともあります。
ウイルス性のイボでは液体窒素治療はよく行われますが、魚の目の治療ではあまり一般的ではありません。
魚の目のレーザ―治療とは?
魚の目の芯の部分を炭酸ガスレーザーで削り取る治療も行われています。短時間で治療できますが、健康保険は使えません。他の削る治療と同様に、歩き方や靴など、魚の目ができる原因に対処しなければ、再発することがあります。
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魚の目のセルフケアと治療についてご紹介しました。魚の目が痛くて、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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