日本紅斑熱の原因、症状、治療、予防 毎年国内で死者も 犬猫に注意?

  • 作成:2016/07/01

日本紅斑熱とは、マダニがもつ細菌が原因となる感染症です。マダニにかまれてから数日後に、頭痛や発熱などの症状が出て、進行すると死亡することもあります。具体的な症状や治療、予防方法を含めて、専門医師の監修記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

日本紅斑熱とはどんな病気?

日本紅斑熱ってどんな病気?原因は?

日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)は、マダニが持つ「日本紅斑熱リケッチア」という微生物が原因の感染症です。日本特有の病気である日本紅斑熱は、九州から本州で日本紅斑熱リケッチアを持つマダニに刺されると発症することがあります。発症頻度は低く、年間50人から200人程度の発症です。マダニは、山や草むらなど屋外に生存する3mmから1cm程度のダニです。マダニは、動物の血液を栄養源としているため人を刺すこともあります。このとき、体内に日本紅斑熱リケッチアが侵入すると日本紅斑熱を発症するわけです。春から秋の間は、マダニが活発に活動する時期であるため、比較的発症しやすいとされています。

日本紅斑熱の症状は?死亡の可能性も

日本紅斑熱リケッチアに感染してから2日から8日経つと、頭痛、38度以上の高熱、倦怠感などの症状が現れます。ダニが刺した部分には、かさぶたのついた赤い皮疹があり、全身にはかさぶたのない赤い発疹が多くできます。かゆみはありません。

血液検査を受けると肝臓の数字と「CRP」という炎症を示す数字があがっていますが、白血球と血小板は減少しています。

日本紅斑熱は、早期に治療を行えば比較的回復が早いですが、進行すると重症化しやすく、毎年のように死亡例も報告されています。山や草むらなどを歩いて2日後以降に高熱や発疹が現れた場合は、皮膚科を受診し「野山でダニに刺されたかも」と伝えましょう。

犬や猫にも注意が必要?

日本紅斑熱は、マダニのみが感染源となる病気ですが、マダニのうち、日本紅斑熱リケッチアに感染しているのはごく一部です。したがってマダニに刺されると必ず発症するということではありません。ただし、マダニは日本紅斑熱リケッチアに感染していなくても、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス」や「ライム病」(ライム病については、https://askdtopics.jp/articles/200358をご参照ください)などの原因となることがあるため注意が必要です。

マダニが犬や猫など動物に付着している場合、直接マダニに触れても感染することはありませんが、マダニに刺されると日本紅斑熱リケッチアなどに感染する可能性があります。また、マダニには、他の感染症の病原体を持っていることがあるため、犬や猫などの健康を守るためにもマダニの駆除対策を行うことが望ましいとされています。動物用のダニ駆除剤がありますので、詳しくは獣医師に相談してみましょう。

なお、日本紅斑熱感染した動物由来の乳や肉を食べたことが原因で、日本紅斑熱に感染したという報告は今のところありません。

日本紅斑熱の治療法は?

マダニを時に見つけた時に、マダニを押しつぶすと、マダニの中の病原微生物が皮膚の中に押し出され、感染症の危険性が高まります。またマダニを無理に引きちぎると、マダニの口の部分が皮膚の中に残ってしまいます。かといって消極的にマダニが自然に落ちるのを待つと、皮膚の中へより多くの病原微生物が入ることになります。咬まれてしまったときは早めにマダニをそっと慎重に引き抜くのが良いのです。咬まれてからあまり時間がたってない時には、マダニのできるだけ口に近い部分をピンセットでつまんで、そっと引き抜くとうまく取れることが多いようです。引き抜いたマダニをルーペで観察して、マダニの体が切れている時には、口の部分がちぎれて皮膚の中に残っている可能性が高いと判断できます。そのような場合は、皮膚科では麻酔薬を注射して、マダニが吸着していた皮膚を切除します。また刺されてから時間がたってマダニが硬く固着処置している時には、マダニが付いている皮膚をマダニと一緒に切除します。

マダニに刺された後に高熱や発疹が現れたときは、血液検査を行い、日本紅斑熱に感染しているか確認する必要があります。日本紅斑熱とわかった場合は、「テトラサイクリン系抗菌薬」と呼ばれる薬を投与し、重症の場合は、「ニューキノロン系抗菌薬」と呼ばれるタイプの薬も一緒に使うことがあります。

なお、「ツツガムシ病」という病気も日本紅斑熱と症状が似ていますが、ツツガムシ病は「オリエンティア・ツツガムシ」というリケッチアが原因で起こる別の感染症です。

日本紅斑熱を予防するには?

今のところ、日本紅斑熱を予防するワクチンはないため、マダニに刺されないことが最大の予防法です。藪や草むらの中を歩くときは、なるべく肌の露出を少なくし、真夏でも長袖長ズボンを着用しましょう。明るい色の服を身につけるとマダニを発見しやすくなります。サンダルは避けて帽子や手袋を着用することも大切です。草むらにシートを敷かずに寝るのはとても危険な行為です。また、「DEET」という成分を含む虫除けスプレーも有効とされています。ただし、DEETは体質によって肌荒れやアレルギー症状を起こすことがあるため、肌が弱い人は事前に確認した方がよいでしょう。

また、屋外のマダニを室内に持ち込まないことも大切です。屋内に戻ったら入浴して、体を清潔にするとともに、マダニの付着や刺し口の有無を確認しましょう。とくに刺されやすい脇下、足の付け根、手首、膝(ひざ)の裏、胸、頭皮などは念入りにチェックしましょう。ペットを散歩させた後は、ブラッシングをし、マダニが付着していないことを確認することも大切です。

日本紅斑熱についてご紹介しました。ダニにかまれて不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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