気管支喘息の症状とチェック項目 「重積発作」「中発作」の意味は?痰や熱との関係、合併症も解説

  • 作成:2016/10/05

気管支喘息は、ご存じの方にいるかもしれませんが、「発作」という状態が起き、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という「喘鳴」が特徴となります。痰、熱、呼吸音の特徴やが合併症の有無、発作が起きた際の家庭での対応を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は6分です

気管支喘息を疑うチェック項目とは?

気管支喘息の発作症状とその種類 「重積発作」「中発作」とは?

気管支喘息では急に症状が起き、その程度によっては迅速に対応しなければいけない場合があります。気管支喘息によって起こる急な症状を「発作」と言い、発作の強さによって対応の仕方が決められています。

発作の強さと症状について説明します。発作の強さは「喘鳴(ぜんめい)/息苦しい」「軽度(小発作)」「中等度(中発作)」「高度(大発作)」「重篤」の5段階に分けられています。

「喘鳴/息苦しい」→日常生活ではゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸が聞こえるが、小走りや運動で息苦しさを感じる状態

「軽度(小発作)」→呼吸が苦しくいながらも、横になって寝ることができるが、洗濯物をたたむといった日常動作が困難になる状態

「喘鳴/息苦しい」「軽度(小発作)」は自宅で治療可能とされています。

「中等度(中発作)」→呼吸が苦しくて横に寝ることができず、さらに日常動作は困難で、かろうじて歩くことができるといった状態

「高度(大発作)」→呼吸が苦しくて動くことができず、歩くことだけでなく会話をすることも難しい状態

「中等度(中発作)」「高度(大発作)」の状態になると、救急外来での治療が必要で、場合によっては入院になることもあります。

「重篤」→呼吸が弱くなる、あるいは停止し、会話だけでなく、意識を消失するといった状態です。重篤の場合は入院し、迅速かつ適切な処置が必要になります。

気管支喘息の発作で呼吸音に特徴あり?

気管支喘息の発作では、気管支喘息に特徴的な呼吸音が聞こえます。具体的には、息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸が聞こえます。これを「喘鳴」と呼び、気管支喘息に特徴的な呼吸音とされています。

また、気管支喘息の患者さんに対して、聴診器を用いて診察をすると、「ヒューヒュー」という高い音が息を吐くときに聞こえます。これを「笛音」、あるいは「wheezes(ウィーズ)」と呼ばれます。喘鳴や笛音が聞かれれば、気管支喘息を疑い、詳しい検査や対応をしていくこととなります。

気管支喘息を疑うチェック項目 家庭でわかる?

気管支喘息に似ている病気は多く、その鑑別(他の病気と区別する行為)は非常に重要となります。一般の方が気管支喘息と他の病気を鑑別することは難しいですが、気管支喘息を疑うことは一般の方でもできます。自分あるいは自分に近い人が気管支喘息になっているのか、あるいはまた別の病気なのかを見分けるためのチェック項目を3つ紹介します。

(1)「急に息が苦しくなる、あるいはゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸をしているか」→気管支喘息の特徴である、発作性で、急激に発症する呼吸困難や「喘鳴」を見る項目です。
(2)「夜半から朝方にかけてゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸や咳をするか」→喘息が夜間、早朝に起きやすいことを見る項目
(3)「花粉症やアレルギー性鼻炎などになったことがある、あるいは現在もそれらの症状が続いているか」(アトピー型喘息の場合)

いずれも喘息を疑う際に重要となる項目です。3つ以外にも気管支喘息を疑う症状はありますが、気になる方は、まず代表的なこの3つの項目に症状が当てはまるかどうかをチェックしてみると良いでしょう。

気管支喘息の発作が出たときに家庭でできる対応

気管支喘息の発作が起きた際、慌てず適切に対応することが重要です。

気管支喘息の診断を受けている方であれば、気管支喘息の発作が起きた際に飲むべき薬(「β2刺激薬」や「ステロイド」など)を処方されていると思いますので、薬を用法・用量を守って服用しましょう。

しかし、気管支喘息の診断を受けていない方が、発症した場合、薬は手元にはないことになります。気管支喘息の原因が何であるかにもよりますが、ハウスダストやダニなどのアレルゲンが原因であれば、アレルゲンを取り除くために部屋を変えたり、窓を開けるといった工夫ができます。運動による気管支喘息であれば、過度な運動を避けることが重要です。

また、呼吸が苦しくなると横になって寝てしまう方がいます。しかし、発作が起きた後に症状を軽くするためには、座った状態で呼吸をすると、症状が軽くなることが知られています。寝るのではなく、座った姿勢を維持するのがよいでしょう。

対応はあくまで簡易的なものです。家庭で処置をしても、呼吸などの症状が治まらない場合は、救急車を呼ンだうえで、迅速かつ適切な処置を受ける必要があります。

気管支喘息で痰は出る?出ない?

気管支喘息の症状は、夜間や朝方に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった特徴的な呼吸が見られますが、同時に痰が出ることがあります。

気管支喘息の患者さんは通常の方よりも気管支が狭く、痰の元となる粘液を分泌する腺の働きも活発になります。そのため、気管支喘息では通常よりもネバネバした、粘度の高い痰が出ます。また、増えた痰が、狭くなった気管支をさらに狭くし、気管支喘息の症状を悪化させてしまいます。この悪循環が、気管支喘息の症状を悪くしていきます。

気管支喘息で熱は出る?出ない?

気管支喘息と診断される方の中には、発熱を伴っている方もいます。しかし、気管支喘息の主な症状は夜間や朝方に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸になることや、粘々した痰であり、発熱は必ずみられる症状ではありません。むしろ気管支喘息の患者さんで、熱が出ている場合は、風邪や気管支炎を伴っていることなどが考えられます。

風邪や気管支炎は、気管支喘息の原因にもなるため、風邪や気管支炎に対する治療を行うことで、熱だけでなく、気管支喘息の症状を抑えることも可能となります。

気管支喘息の症状は大人と子供で違う?

気管支喘息の症状は、大人も子どもも似ていますが、その重症度や進行の違いがあるため、気管支喘息の症状が異なるように見えることがあります。

大人の場合は、非アトピー型喘息が多くを占めていますが、これは風邪や気管支炎、喫煙、ストレスなどが原因となります。風邪や気管支炎はそれ自身の症状があるため、気管支喘息の症状に加えて発熱や全身倦怠感といった症状が出ます。

また、喫煙は、「肺気腫」という病気の原因となり、気管支喘息の症状をさらに悪化させる恐れがあります。大人に多い非アトピー型喘息は、気管支喘息の症状に加えて、更なる症状が付加されるといった可能性があります。さらに、非アトピー型喘息の症状は、急速に進行することがあるといった特徴もあります。

一方、子どもが発症する気管支喘息は、「アトピー型喘息」と言われる喘息が多く、子どもの喘息患者の90%以上を占めています。アトピー型喘息はダニやカビ、スギなどの花粉、イヌやネコのフケ、ハウスダスト、タバコなどに含まれるタンパク質などに対するアレルギー反応が原因となります。

子どもの場合は、ご両親が気をつかって体調を管理することになりますので、発作が起きても十分に安静に保つことが可能です。結果として、小児ぜんそくの約6割から7割は、12歳から13歳ごろに、肺が成長するとともに、症状も極めて少なくなり、そのまま無症状になることもあります。

気管支喘息で見られる症状は大人と子どもであまり変わりませんが、その重症度や進行の違いがあるため、気管支喘息の症状が大人と子どもで異なるように見えることがあります。

気管支喘息に合併症がある?どんなもの?

気管支喘息の患者さんは、同じ気道に関連した病気や原因となっているアレルギーの他の症状が出やすくなります。特徴は以下の通りです。

・アレルギー性鼻炎は、喘息と同じアレルギーが関連する病気で、気管支喘息の人の約半数が合併しています。
・副鼻腔炎は一般的に「蓄膿(ちくのう)」とも呼ばれ、気管支喘息の人の約半数に合併します。
・アトピー性皮膚炎は、アトピー型喘息によくみられる合併症です。乳幼児期にかゆみを伴う発疹が出たり、治ったりを繰り返します。

そのほかに気管支喘息の人がそうでない人と比較して発症しやすいと報告されている病気は大きく分けて、以下の4つがあります。

心臓や血管(心血管系)の病気→高血圧や狭心症、不整脈など ・肺気腫→肺の一部が壊れてしまい、日常動作で呼吸が苦しくなるなどの症状が見られる病気
代謝に関わる病気→糖尿病や脂質異常症、痛風など
「がん」と呼ばれる悪性腫瘍→肺癌や乳がんなど

気管支喘息を持つ患者さんは、上記の合併症を1つだけ合併することもあれば、複数の病気を合併することもあります。



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気管支喘息の症状や合併症などについてご紹介しました。「気管支喘息かもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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