川崎病の原因、治療、症状、予防可能性 感染する?大人でもなる?特徴的な5つの症状とは?

  • 作成:2016/10/18

川崎病とは、主に4歳以下の小児に多い病気ですが、詳しい原因は明らかになっていません。ただ、適切な治療を受ければ、過度に心配する必要もありません。原因、症状、治療などに加えて、感染可能性を含めた疑問などを、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

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川崎病は感染する?

目次

川崎病とはどんな病気?概要 なぜ「川崎」?

川崎病は主に4歳以下の小児に多い病気であり、全身の血管に炎症を起こすことでさまざまな症状を引き起こします。

主な症状は以下の通りです。

・38度から40度の発熱が5日間以上続く
・首のリンパ節が腫れる
・目の充血
・舌が赤くブツブツが出てくるいちご舌
・全身にできる発疹
・手足の指の皮膚が硬く腫れ上がり、治ってくるときに皮膚が剥がれる

これらの症状のうち5つ以上当てはまれば「川崎病」と診断されます。

そもそも、川崎病は、1967年に医師の川崎富作博士(元・日本赤十字社医療センター小児科部長)が手足の指先から皮膚がむける小児の「急性熱性皮膚粘膜リンパ腺症候群」として発表した病気です。現在では博士の名前をとって川崎病という病名で呼ばれています。海外でも「Kawasaki Disease」と呼ばれることが多いです。

治療は入院して行われますが、一般的には2週間から3週間の経過で、症状は改善していきます。ただし、川崎病ではいくつかの合併症を起こす場合があり、特に重要なのが心臓の合併症です。心臓を取り巻き栄養を送っている「冠動脈」という血管に炎症が起きると冠動脈瘤(血管のこぶ)ができることがあり、その結果心筋梗塞や心破裂など突然死の原因ともなるため注意が必要です。通常であれば10日前後で退院となり、退院時に心臓の後遺症がなければ今まで通りの生活に戻ることが可能です。

川崎病は比較的新しい病気であり、詳しい原因も明らかとなっていません。お子さんが川崎病と診断され、将来を不安に思う親御さんも多いでしょうが、診断や治療は日々進歩しており、適切な治療を受ければ、過度に心配する必要はない病気と言えます。

川崎病の原因 どこまでわかっている?遺伝や溶連菌と関係?

川崎病の原因は、2016年現在、はっきりと分かっていませんが、ウイルスや細菌感染がきっかけとなって何らかの不適切な免疫反応が生じて、全身の血管に炎症が起こっている可能性が考えられています。川崎病の特徴として「季節性があること」「乳児早期ではまれで、生後9カ月から11カ月がピークであること」などが挙げられます。このような特徴から感染症(感染する病気)の可能性は考えやすく、80%が4歳以下ということからもありふれた病原体による感染が疑われます。しかし、現時点で明らかな原因については不明確であり、ここではいくつかの原因の仮説について紹介していきます。

まず、川崎病の原因仮説は感染性と非感染性に分けられます。感染性については、「A群β溶連菌」「黄色ブドウ球菌」「エルシニア」などの細菌によって産生される毒素によるもの、「ヘルペスウイルス」「パルボウイルス」「コロナウイルス」などウイルス感染によるものとさまざまな病原体が原因として報告されていますが、すべての川崎病で共通して感染しているものは見つかっていません。

一方、非感染性の原因としては、「家庭用の合成洗剤が原因ではないか」という可能性が研究開始当初から懸念されていましたが、関係性については認められていません。

また、川崎病の遺伝的要因については、「川崎病がアジア圏(特に日本)で多いこと」「兄弟姉妹で発症リスクが高いこと」から、遺伝的な要因についても研究が行われています。日本の理化学研究所の研究でも川崎病と関連が疑われる遺伝子発見の報告があります。さらに最近の研究では、米国・カリフォルニア大学の研究者を含んだ国際研究チームが、中国北東部からの気流に乗って飛来してきた真菌の一種である「カンジダ菌」という菌が原因である可能性を発表しています。

このように川崎病の原因については未だにさまざまな仮説(可能性)が提唱されていますが、はっきりと分かっていないのが現状です。今後の研究結果に期待が持たれます。

川崎病は感染する可能性がある?ない?

川崎病は発熱やリンパ節腫脹などウイルス感染症のような症状を呈するため、人にうつる病気なのかが気になるところです。また、川崎病の患者数は2年1度のペースで全国調査が行われていますが、現在では年間患者数が1万5000人を超え増加傾向にあるため、自分の子どもが保育園などでうつらないか心配になる方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言ってしまえば、川崎病の感染性については、あまり心配しなくてよいと言えます。

原因が特定されていない以上、非常に曖昧な表現になってしまいますが、現在のところ川崎病の詳しい原因は特定されていないため、完全に人にうつらないと断言できないのが現状です。しかし、一般的に川崎病で病院に入院されても特別な隔離はされませんし、同室の子どもが川崎病を発症したという話も聞かれません。

ただし、注意が必要なのは同胞(兄弟姉妹)の場合です。兄弟姉妹では川崎病にかかる頻度が1%から2%と、一般の頻度と比べてかなり高くなっており、兄弟姉妹の発症から数日以内で発症しているケースもあるようです。原因はわかりませんが、発症確率が高い以上、なんらかの関係がある可能性がありますので、兄弟姉妹で、どちらかが発症した場合、対策をとることも検討すべきでしょう。

川崎病は予防できない?

川崎病は現在、年間患者数が1万5000人を超え増加傾向にありますが、原因がわかっていないこともあり、根治的な治療・予防法が確立していないのが現状です。原因として季節性や乳幼児に多いことからウイルスなどによる感染の可能性も否定できません。感染症であれば手洗いやうがい、消毒などの予防が可能ですが、原因が分かっていないため予防も難しい状況です。今後、川崎病の原因究明、予防や治療法の確立が待たれます。

川崎病の患者数となる確率

川崎病の年間患者数(1年間に発症が確認された人数)は1万5000人を超えています。川崎病の疫学調査については、1970年に実施されたのを最初に、おおむね2年に1回のペースで全国調査が行われています。

2015年に発表された第23回川崎病全国調査成績では、2013年の患者数は1万5696人で、2014年の患者数は1万5979人という結果でした。1980年代後半には5000人を下回っていました。ただ、最近では、2005年から1万人を超え、現在では、最高であった1982年の1万5519人を上回っているのが現状です。

1982年から近年は出生率が低下していることがかかわらず、小児の人口が減少しているにもかかわらず、年間患者数は増加傾向を示し、新たに川崎病と診断されて人の割合「罹患率(りかんりつ、病気にかかる確率)」も上昇傾向です。2013年の罹患率は、0歳から4歳の人口10万人あたり302.5人(男 340.1人、女 262.9人)、2014年では0歳から4歳の人口10万人あたり308.0人(男 342.2人、女 272.0人)と罹患率も、過去最高となっています。罹患率は、0歳から4歳の子供で、0.3%程度といえます。

また、月別の推移を見てみると、月別の患者数は毎年、同じような季節変動を示しており、秋に少なく、春から夏にかけて増加する傾向にあります。

合併症として突然死のリスクもあるため重要な「冠動脈瘤(心臓をとりまく動脈のコブ)」については、初診時に心臓に異常があると診断された割合は4.2%、死亡例は2年間で8人という結果でした。

川崎病の好発年齢は何歳くらい?

川崎病は、一般的に4歳以下の小児に多く、男児にやや多い病気とされています。第23回川崎病全国調査成績における2014年のデータでは、年間患者数が1万5979人であるのに対し、年齢別の患者数を見てみると、9カ月から11カ月の乳児で1275人と最も多い人数でした。2013年やそれ以前のデータも男女ともに9カ月から11カ月の乳児で患者数はピークとなり、年齢とともに患者数は減少していく傾向にありました(一峰性の山)。つまり、現在のところ9カ月から11カ月の間が一番発症しやすい年齢となります。また、4歳以下で全体の85%程度を占めていますが、年長児や成人になってから川崎病を発症したという報告もあります。

また、川崎病の合併症である心臓の障害については、6カ月未満と5歳を超えた年長児に増加が見られ、ゆるやかなU字のカーブを描いています。

患者が、川崎病を発症して、初めて医療機関を受診するまでの期間は、4日目が最も多く25.0%で、64.3%が発症から4日以内に医療機関を受診しているという結果でしたが、ただ、2歳以上の年長児では受診が遅くなる傾向にありました。これは、年長児のほうが川崎病に特徴的な症状があまり目立たず、診断された時点で時間が経過してしまっていることが原因として挙げられます。このことは心臓の障害が年長児で多く見られる原因、つまり受診しない間に心臓への影響が出たとも考えられます。

一方、死亡例については、2年間で8人(男6人、女2人)で、致命率は0.03%という結果でした。年齢別では6カ月から11 カ月が2人、1歳が3人、4歳が1人でした。

川崎病は大人でもなる?

川崎病は4歳以下の乳幼児の好発する病気であり、成人になってからの発症は国内外を合わせても90例ほどと極めてまれです。ただ、可能性がゼロではありません。成人発症の川崎病では、そもそも川崎病を疑いにくく、川崎病に特徴的な症状が目立たなかったりするなど診断が難しい場合もあります。一方で、感染症や膠原病、悪性腫瘍などとの鑑別も重要となります。治療については、小児と同様に免疫グロブリンによる治療が有効とされています。

川崎病は難病指定されている?なぜ?

結論から言いますと、川崎病は現在のところ指定難病には登録されていません。

一般的に難病は、簡単には治らない不治の病を指すことが多いですが、医学的な観点から言えば、難病は原因不明で治療法が確立しておらず、後遺症を残す恐れがあるものを言います。また、経過が長く介護など周囲の負担が大きく、患者数が少ない疾患が対象となります。このような難病のうち、患者数が一定数に満たないこと、診断基準が確立していることなどを要件として「指定難病」に登録されます。指定難病は2015年7月の法律の改正により対象疾患が大幅に拡大し、現在では306疾患が対象となっていますが、川崎病は含まれていません。

一方で、川崎病に合併した冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)については、「小児慢性特定疾患」の対象となっています。「小児慢性特定疾患」とは、経過が長期にわること、生命を脅かす疾患であること、長期にわたって高額な医療費がかかることなどを要件に、患者やその家族をサポートする制度です。18歳未満の児童が対象であり、医療費助成が受けられる制度です。ただし、対象となるのは「川崎病性冠動脈瘤」であって、将来的に心筋梗塞を発症するリスクがあるため、長期にわたって経過を観察し、内科的あるいは外科的な治療が必要となるためです。したがって、川崎病のすべてが、「小児慢性特定疾患」に該当するわけではありませんので、注意してください。

しかし、乳幼児の場合、どのような病気でも、医療機関にかかる費用は、乳幼児医療費助成制度によって費用の一部、または全額が、自治体から助成されますので、気になる方は、最寄りの自治体などに問い合わせてみるとよいでしょう。

川崎病の種類 不全型とは?他にもある?

川崎病の診断には、特徴的な症状6つのうち、5つ以上を満たせば診断されます。

・5日以上続く38℃以上の発熱
・首のリンパ節が腫れる
・目の充血
・口唇の変化
・発疹
・手足の皮膚の変化

5つ以上満たすものを「確実A」とも言います。また、4つしか満たさない場合でも、冠動脈(かんどうみゃく)の病変を伴っていれば、診断できます。こちらは「確実B」とも言います。「確実A」「確実B」といった、診断基準を満たした確実な川崎病を「定型例」としています。

一方で、「4つの症状しか認めないが冠動脈病変もない」「3つの症状しか当てはまらないが冠動脈病変を認める」といったような、確実な診断基準を満たさないものの、他の病苦の可能性がなく、川崎病が疑われる場合を「川崎病 不全型」と言います。第21回の全国調査では、不全型の割合は18.6%と無視できない割合で、特徴として2歳未満や6歳以上の年長児に多い傾向にあります。不全型例では決して冠動脈病変が少ないというわけではなく、むしろ定型例よりも合併のリスクが高いという報告もあります。

しかし、不全型の場合、発熱などあまり川崎病を疑う特徴的な症状が目立たない場合も多く、単なる風邪として診断が遅れるケースもあります。治療開始の遅れは、冠動脈病変が進み、後遺症を残す危険性もあるため、不全型であっても定型例と同様に治療を行う必要があります。特に症状が揃わなかったとしても、BCG接種部位が赤くなったり、年長児で首のリンパ節が腫れていることは特徴的な症状となります。

川崎病は治る?完治する?「完治」の基準はある?

川崎病は、原因不明の病気であり、全身の血管に炎症を起こし、特に心臓の合併症は将来的に心筋梗塞のリスクがあるなど長期的な管理が必要となります。生活や運動に制限がある場合はほとんどありませんが、急性期(症状が急激に出る時期)の治療が終了しても川崎病の管理基準では5年を目安に定期的な心エコーなどの経過観察が必要とされています。それ以降については医師と相談して、行っていくこととしています。

特に、冠動脈瘤など後遺症がある場合には、定期検査は非常に大切になります。また、頻度としては多くありませんが、4%前後の確率で再発もありえるため注意が必要です。

川崎病の経過観察の時期や期間については、明確な方針は出ていないのが現状であり、どこからが完治と見なすかは難しい問題と言えます。川崎病の詳しい病態が解明されていないため、「全員が生涯にわたって定期検査が必要だ」とする意見から、米国のように「軽症例では1年の経過観察でよい」とする意見まで、さまざまで、医療者の医療者の間でも見解がわれています。少なくとも冠動脈瘤を合併した例では成人期以降も経過観察が必要だと考えられています。

川崎病は再発・再燃する?再発可能性が高い?

2013年から2014年までの2年間で行われた第23回川崎病全国調査では、2年間の川崎病患者数が3万1675人であるのに対して、再発例は1329人で再発率は4.2%という結果でした。また、性別で見ても男:796人(4.4%)、女:533人(3.9%)と大きな差はありませんが、男児は2歳まで、女児は3歳までは再発患者の割合が増加する傾向にありました。再発までの期間は、「1年以内」が半数を占めていますが、中には成人になってから再発するケースもあります。

子どもが再発した場合、一般的な急性期の川崎病と同様に、発疹や発熱などの症状が見られます。一方で成人の場合には、突然の胸痛を訴えるなど症状は強く、突然に心臓発作を起こすケースも多いとされています。

東邦大学の研究では、川崎病の再発例について、以下のような特徴が指摘されています。

・初発時の年齢が低い
・心臓の後遺症を合併している
・免疫グロブリンを多く投与された患児で再発しやすい傾向にある
・初回発症時の重症例では再発のリスクになり得る

川崎病の予後と死亡可能性

川崎病に特徴的な症状は治療せずに放置しても2週間から3週間程度で治ります。

しかし、川崎病で問題とされているのは、全身の血管に炎症を起こし、特に心臓を取り巻き栄養を与えている「冠動脈(かんどうみゃく)」に合併症が生じてしまうことです。冠動脈の炎症で、冠動脈が太くなってしまったり、コブのように拡張して「冠動脈瘤」になってしまうと、血液が固まりやすくなり将来的に心筋梗塞を引き起こすリスクがあります。

したがって、川崎病の治療も血管の炎症を鎮め、こうした合併症を起こさないようにすることが目的となります。最近の報告では、9.3%(男11.0%、女7.1%)に心血管系の合併症を発症すると言われており、多くは経過とともに自然に治っていきますが、3.0%(男3.6%, 女2.1%)に後遺症として残存すると言われています。

したがって、川崎病の予後や管理も冠動脈病変の有無によって異なってきます。まず、退院時に心臓の合併症がなければ、生活の制限はなく、発症後定期的な経過観察を行っていきます。一方で、冠動脈病変のある場合には、定期的な心電図、胸部レントゲン、心エコー検査、心臓カテーテル検査などを行っていく必要があります。また、アスピリンなど血液を固まりにくくする薬を内服していく必要があります。日常生活の制限はありませんが、多少の運動制限を行う場合もあります。

しかし、現在では血管の炎症を抑え、冠動脈瘤の発生を予防する治療が行われています。川崎病による死亡数も2013年から2014年の2年間で8人と、死亡率は0.03%にとどまっているのが現状です。

川崎病の診断基準の概要

川崎病は主に4歳以下の小児に見られる原因不明の病気であり、診断基準は主要な6つの症状と参考条項に分けられています。主要な症状5つ以上を満たせば、川崎病と診断されます。また、4つしか認められなくても他の疾患が除外されて冠動脈瘤が認められれば川崎病と診断されます。

主要な症状には、以下の6つがあります。

・5日以上続く38℃以上の発熱
・目の充血
・舌が赤くブツブツになるいちご舌
・全身の発疹
・手足の皮膚が硬く腫れあがり、皮膚が最終的に剥がれる
・リンパ節が腫れる

また、診断基準には含まれませんが参考となる項目には、以下のようなものがあります。

・冠動脈瘤など心臓の異常
・下痢や嘔吐などの消化器系の異常
・BCG接種部位が赤くなる
・関節の痛み
・けいれんや意識障害
・咳や鼻水

「主要症状5つ」、あるいは「主要症状4つ+冠動脈病変」が認められれば川崎病と診断されますが、これを満たさない場合でも他の病気が除外され、川崎病が疑われる場合には「川崎病 不全型」として、定型例、つまり確定的な川崎病と同様に治療を行っていきます。理由としては、不全型であったとしても冠動脈瘤などの致命的な合併症をきたすおそれがあり、治療を遅らせてはならないからです。

川崎病に初期症状はある?「BCGのあとが変化する」は本当?

川崎病に典型的ないちご舌や発疹、充血など症状が出そろえば川崎病を疑うことも可能ですが、難しい場合があります。

発症から2日目から3日目の初期では、喉(のど)が赤くなったり、高熱といった風邪の症状が目立ちます。そのため、初期は風邪と間違われることもよくあります。

しかし、川崎病の特徴として、早期から首のリンパ節が腫れてきます。首の両側が腫れてくることもありますが、片側だけ腫れることも多くあります。大きさはクルミ大くらいまでになることもあり、川崎病を疑う1つのポイントとなります。

また、川崎病の診断基準には含まれていませんが、川崎病を診断する上でBCG接種部位の発赤も参考となります。そもそもBCGは結核を予防するためのワクチンで、腕に残っている小さなボツボツのことです。BCG接種部位の発赤は川崎病で特徴的で、他の病気ではあまり見ることがない症状です。BCG接種部位の発赤があれば川崎病の疑いが強くなる判断材料となります。

川崎病の診断基準となる6つの症状とは?発熱、発疹、他には?

川崎病の診断基準は厚生労働省川崎病研究班によって作成された「川崎病診断の手引き(2002年2月改訂5版)」に記載されています。川崎病の主な症状6つのうち5つ以上の症状を伴えば川崎病と診断されます。ただし、4つの症状しか認められない場合でも心臓を取り巻く冠動脈(かんどうみゃく)にコブができる「冠動脈瘤」が確認されれば、他の病気を除外して川崎病と診断できます。

【発熱】
発熱はほぼ100%の患児に見られ、38度から40度の高熱が見られます。診断基準では5日以上続く発熱と記載されています。

【目が赤くなる「充血」】
一般的には発熱後数日してから出現することが多く、90%近い頻度で両方の目に見られます。

 

【口唇(くちびる)や舌が赤くなること】
口唇はひび割れして出血することもあり、舌は赤くブツブツした様子から「いちご舌」とよく言われています。口唇の赤みは比較的長く残ることもあり、3週間から4週間は見られます。口周りの変化も90%程度と高率に出現してきます。

【皮膚の「発疹」】
身体の赤い発疹が見られますが、水ぶくれやかさぶたは伴いません。また乳幼児では、BCGの場所に一致して赤くなることもあります。頻度は90%程度です。

【手足の「硬性浮腫(こうせいふしゅ)」や「紅斑(こうはん)」】
最初は手足が赤くなったり(紅斑)、手足の先が硬く腫れてきますが(硬性浮腫)、良くなってくると指の先から皮膚がむけてくる「膜様落屑(まくようらくせつ)」が起こります。手足の硬性浮腫や紅斑は70%から90%に見られ、膜様落屑は95%程度に見られます。

 

【首のリンパ節が腫れること】
一般的には親指くらいの大きさからクルミ大くらいの大きさのリンパ節を触れますが、両側や片側だけのこともあります。

川崎病で鼻血や咳がでることがある?

川崎病の特徴的な症状は「高熱」、「両目の充血」、「唇が赤くなり、舌がイチゴ状に赤くなる」、「身体の発疹」、「首のリンパが腫れる」、「手足が硬く腫れて皮がむける」です。典型的な症状が出そろえば「川崎病」と診断されますが、初期にはこれらの症状があまり見られない場合もあります。特に、最初は発熱や喉が赤く、咳が出る場合もあるため風邪と間違われることがあります。川崎病は早期の治療が大切となりますので、特徴的な症状が少しでも見られたり、いつもの風邪と違うような際には早めに医療機関を受診することが大切です。

また、川崎病の治療では血を固まりにくくする「アスピリン」という薬を使用します。そのため、アスピリンの副作用として、歯茎の出血や鼻血、皮下出血などを起こす場合もあります。ただ、重症化することはまれです。

川崎病の合併症 冠動脈拡張や冠動脈瘤が心臓に影響?致命的な場合も?

川崎病にはいくつかの合併症が知られていますが、特に重要な合併症が心臓の障害です。川崎病は、発熱や発疹などさまざまな症状をきたしますが、その根幹には全身の血管に炎症を起こす「血管炎」という病態があります。

血管の炎症が心臓を取り巻いている冠動脈に起こると、血管の壁が薄くなったりもろくなって、その部分が拡張したり瘤(こぶ)を作ることがあります。この病態が川崎病による冠動脈障害です。

冠動脈の合併症において注意すべきなのが、心筋梗塞を起こす可能性があるということです。「心筋梗塞」と聞くと、高血圧や糖尿病のある方で中年以降に発症するというイメージがありますが、川崎病による冠動脈瘤では子どもでも発症する危険性があります。瘤(こぶ)の部分では、血液がよどみやすく、結果として血の固まり(血栓)が作られやすくなり、この血栓が飛んで冠動脈に詰まると心筋梗塞に発展してしまいます。

ただし、川崎病になったら必ず心臓の障害を合併するというわけではありません。頻度としては、10%弱、最終的に後遺症を残す頻度は3%程度とされています。また、冠動脈瘤から心筋梗塞を発症するのは、川崎病の発症から1年半以内に起こることが多いとされています。

川崎病の場合、一般的には発症から1、2週間くらいで冠動脈の拡大が始まります。冠動脈瘤の多くは、一過性(一時的)の拡大にとどまり、自然に数カ月で、瘤(こぶ)が見られなくなってしまう場合もあります。しかし、一部では、冠動脈瘤が残存し、治療や定期的な検査を行っていく必要が出てきます。

まず急性期には炎症を抑えるアスピリンや免疫グロブリンによる予防的な治療を行っていきます。冠動脈に異常があるかどうかの検査は、心臓のエコー検査や心臓カテーテル検査を行います。実際に冠動脈に狭窄(狭くなること)が見られる場合には、「血行再建術」と呼ばれるカテーテル治療やバイパス手術が行われます。

また、冠動脈の障害がある場合の日常生活での注意点としては、心筋梗塞の発症予防が非常に大切であり、定期的な検査、抗血小板薬であるアスピリンの内服を継続して行っていく必要があります。

川崎病には後遺症がある?どんなもの?

川崎病の合併症(後遺症)として最も重要なものは冠動脈の病変ですが、他にはどのような合併症があるのでしょうか。まず、心臓の血管関係についていえば、冠動脈瘤以外にも、心筋炎や心膜炎、また冠動脈以外の動脈に瘤ができることもあります。

心血管系以外では、以下のようなものが起きた報告があります。

・神経系(もやもや病、けいれん、無菌性髄膜炎、顔面神経麻痺、四肢麻痺)
・眼科系(虹彩炎、角膜炎)
・耳鼻科系(中耳炎、耳下腺腫大)
・呼吸器系(皮下気腫)
・消化器系(胆嚢炎、肝障害、蛋白漏出性腸炎、イレウス、腸重積、Reye症候群)
・泌尿器系(尿道炎、ネフローゼ症候群、急性腎不全)
・骨系(股関節炎、若年性関節リウマチ)
・血液系(DIC、血小板減少性紫斑病)

川崎病の検査 血液検査?CRPはどう関係?

川崎病の診断には「発熱」、「目の充血」、「口唇・口腔の所見」、「発疹」、「手足の変化」、「リンパ節の腫れ」の6つの項目で評価し、「5項目以上」あるいは「4項目+心臓の合併症」があれば川崎病と診断されます。つまり、川崎病は症状から診断される病気であり、「血液検査である項目が高値だから」というように、診断できるものではありません。充血や手足の変化など医師の判断に頼っている側面もあり、川崎病に特徴的な検査は現段階ではありません。したがって、川崎病が疑われた場合に、一般的に行われる血液検査や尿検査では、患者さんの状態や川崎病以外の症状の似た病気を否定するために用いられることがあります。

また、川崎病に特徴的というわけではありませんが、診断する上で参考となる検査項目もあります。血液検査では、「白血球や血小板の増加」「CRP高値(炎症を示す数値)」「アルブミン低値」などが見られます。

「CRP」は一般的に炎症反応とも言われ、何らかの炎症や感染症で上昇する項目です。CRPは、川崎病でも上昇することが知られており、CRPの上昇は免疫グロブリン治療の抵抗性(薬の効きにくさ)を予測するためにも用いられます。

アルブミンは肝臓で産生される蛋白質ですが、川崎病では、血管に炎症が起こることで、アルブミンが血管内から外に漏れ出てしまい低値となります。低アルブミン血症も免疫グロブリン治療に抵抗性を示すことが多いと言われています。

しかし、これらの血液検査項目は川崎病に限ったものではなく、感染症や肝障害などさまざまな病気で異常が見られるため、診断には向きません。

また、その他の検査としては、川崎病では心臓の合併症が多く見られるため、心電図や心エコーなど循環器系の検査も同時に行われます。

川崎病に根治療法はない?

川崎病の発熱や発疹などの症状は、何もしなくても2週間から3週間の経過で、改善していきます。繰り返しになりますが、川崎病で注意が必要なのは、心臓の合併症が生じた場合に命に関わる心筋梗塞を起こし得るということです。そのため、川崎病治療の目的は血管の炎症を抑えて、冠動脈瘤の発生頻度を最小限にとどめることになります。

現在のところ川崎病の原因は明らかとなっていません。したがって、川崎病の根治的な治療法も確立していないのが現状となります。

しかし、現在行われている免疫グロブリンとアスピリンによる治療が普及したことで、1970年代には急性期の冠動脈拡大が約40%、1年後の冠動脈障害が約10%程度発生していたのに対し、現在では10%弱、最終的に後遺症を残す頻度は3%程度と減少してきました。一部の症例では、免疫グロブリンに抵抗性を示す、つまり薬が効きにくいこともあり、ステロイドや血漿交換、生物学的製剤である「レミケード」などと呼ばれる薬を用いた、新しい治療法も確立されつつあります。

川崎病の治療薬 アスピリンの効果と作用機序、副作用

繰り返しますが、川崎病治療の目的は、急性期の強い炎症反応を抑えて合併症である冠動脈瘤の発生を予防することです。そのため、川崎病の基本的な治療では、炎症を抑え(抗炎症作用)、血を固まりにくくする作用(抗血栓作用)を持った「アスピリン」と、全身の炎症を抑えて冠動脈病変の発症を予防する目的で「免疫グロブリン」が広く使用されています。

アスピリンは「プロスタグランジン」と呼ばれる物質の産生を抑制することで、炎症を抑えたり、血小板が凝集するのを抑制して血が固まりにくくする作用があります。プロスタグランジン(PG)は、「アラキドン酸」から「シクロオキシゲナーゼ(COX)」というものによって合成されています。さらに産生されたPGは、血小板を凝集させる「トロンボキサンA2」や、痛み、発熱を引き起こすさまざまなPGを作っています。アスピリンはCOXを阻害することで、炎症などの反応を抑制していることになります。

一方で、アスピリンの副作用には、最も頻繁に見られるものとして、腹痛、吐き気、便秘、下痢などの消化器症状があります。また、アスピリンに敏感な方では「アスピリン喘息」と言われるように喘息の症状が見られることがあります。血を固まりにくくする作用の裏返しとして、出血しやいなどの副作用もあります。その他には、耳鳴り、めまい、長期服用で腎障害などが見られます。

川崎病の治療薬 ガンマグロブリン(血液製剤)の効果と作用機序、副作用

免疫グロブリン(ガンマグロブリン)は静脈内に点滴で投与する薬です。ガンマグロブリンは、現在最も効果的な治療法として、アスピリン単独よりも大幅に冠動脈瘤ができる頻度を減らすことが分かっています。作用機序については、不明な点も多いですが、炎症を抑える、毒素を中和する、リンパ球や血小板を抑制するなどの作用機序が考えられています。「免疫グロブリン」とは、献血された人の血液から、免疫グロブリン(抗体)という血液中の有効な成分を抽出した血液製剤になります。

副作用には稀ですが、呼吸が苦しくなる、脈が速くなるといったアナフィラキシーショックがあります。その他には、頭痛や嘔吐、発熱をきたす「無菌性髄膜炎」、肝機能や腎機能障害、血小板減少などがあります。

川崎病の治療薬 ステロイドの効果と作用機序、副作用

川崎病の治療では、免疫グロブリンを点滴投与することが一般的ですが、およそ20%の症例では免疫グロブリンに抵抗性(効きにくいこと)があり、特に冠動脈瘤という心臓の血管の病を合併する患者で多いとされています。対して、近年ステロイドの併用が有効であるという発表がなされました。

重症川崎病患者に対する免疫グロブリンの超大量投与にステロイド(プレドニゾロン)を併用した場合の効果を試した、日本国内の臨床試験「RAISE Study」という研究では、免疫グロブリンを単独で使った群に比べて、ステロイドを併用した群で、冠動脈異常の発生率が有意に低く、重篤な副作用については両群で差はないという結果でした。また、「川崎病急性期治療のガイドライン」でも、免疫グロブリンとステロイドの併用療法は、免疫グロブリン単独では効果が出ないと予測される重症患者に有用であるとしています。

ステロイドは炎症を引き起こす炎症性サイトカインを強力に抑制し、川崎病の特徴である血管の炎症をより早期に鎮静化することができると考えられています。

一方、ステロイドの副作用としては、一時的な食欲増進と肥満、高コレステロール血症、白血球の増加、感染症などが起こることがあります。ただ、これまでの報告ではいずれも改善し、後遺症を残すほどのものではないという結果でした。

川崎病の治療 血漿交換療法の効果とメカニズム、リスク

川崎病の治療は、一般的に、点滴による免疫グロブリンの投与とアスピリンの内服が基本となり、最近ではステロイド併用が重症例でも有効であると注目を浴びています。

一方で、川崎病に対する他の治療法の1つとして「血漿(けっしょう)交換療法」が知られています。「血漿交換療法」は、一般的に薬物療法のみでは十分な治療効果が得られず、血漿交換療法を行うことで病状の改善が期待できる場合に適応となり、川崎病でも免疫グロブリン療法を行っても反応の良くない場合などが考えられます。

血漿交換では、「血漿分離器」という装置で、患者の血液を赤血球などの「血球成分」と、液体の「血漿成分」に分離します。その後、川崎病の炎症を引き起こす元となっている「サイトカイン」や「ケモカイン」という物質を除去して、新たな血漿と置き換える治療になります。体内から炎症を引き起こす物質を除去することで、より早く高サイトカイン血症の状態を改善することが目的となります。

血漿交換療法の副作用や合併症については、ショック、吐き気・嘔吐、発熱、頭痛、しびれ、発疹・かゆみなどのアレルギー症状、感染症などがあります。これらの多くは、体外循環や血漿の交換に伴って生じるとされており、必要に応じて治療を行う場合もあります。また、血漿成分の補充には、献血によって得られた血漿を用いるため、輸血と同様に確率としては非常に低いですが肝炎ウイルスやエイズウイルスなどの感染症のリスクもあります。

川崎病の新治療薬 レミケードの効果、作用機序、副作用 保険適用になる?ならない?

川崎病の治療は日々進歩しており、これまではアスピリンの内服に加えて免疫グロブリンの点滴投与が基本でした。以前は禁忌とされていたステロイドも現在では重症例に対する初期治療として有効性が示されています。

さらに、最近使用が承認された田辺三菱製薬の「商品名:レミケード」と呼ばれる薬も、従来の治療で効果不十分な症例において、治療の選択肢となりました。これまでの研究では、冠動脈瘤の合併リスクに比例して、炎症を引き起こすサイトカインの1種である「TNF-α」という物質が上昇することが分かっていました。そこでTNF-αを阻害する薬「インフリキシマブ(商品名:レミケード)」が急性期(発症から7日から10日くらい)の治療として有効であることが示され、2015年12月に承認されました。レミケードは「抗TNF-α抗体」とも呼ばれ、体内でTNF-αと結合することで働きを抑えたり、TNF-αを産生する細胞を壊す作用があります。レミケードも、免疫グロブリンと同様に点滴で投与し、基本的に1回のみ2時間かけてゆっくり投与します。

主な副作用には、免疫が低下するため感染症にかかりやすくなったり、発熱・発疹などのアレルギー症状、脱髄疾患、間質性肺炎、肝機能障害、横紋筋融解症などがあります。

また、レミケードの費用については「生物学的製剤」という高価な薬に分類され、川崎病全体での治療費も高額となる場合が多いです。一般的には、「乳幼児医療費助成制度」や「高額療養費制度」の適応となります。お住まいの地域や所得によって、負担額は変わってきますので、レミケードを使用している場合、もしくは検討している場合、詳しくは市町村窓口や保健所に問い合わせることをお勧めします。

川崎病の入院期間の目安

川崎病の場合、入院期間は個人差が大きく、症状や合併症の有無によっても異なってきます。

入院後は、免疫グロブリンの点滴による治療を行っていくことが一般的となりますが、最低でも5日程度の入院が必要となり、1週間から10日を目安に考えておくとよいかもしれません。ただし、冠動脈瘤など合併症がある場合には入院期間が長くなる可能性があり、1か月以上の入院が必要となるケースも中にはあります。 症状が改善傾向、血液検査で炎症所見が正常化、心エコーで冠動脈瘤など合併症がないことが退院の目安となります。

川崎病の場合、より早期に免疫グロブリンによる治療を開始することが、合併症の発症リスクを減らす上でも非常に重要であり、川崎病の疑いがあればできるだけ早く医療機関を受診するよう心がけましょう。

川崎病の治療費の目安

川崎病の治療は基本的に入院で行い、特別な合併症等がなければ1週間程度での退院が目安となります。また、川崎病の標準的な治療では「免疫グロブリン」と呼ばれる1瓶で2万円程度の高価な薬を使っていきますので、入院治療費は100万円近くなることもあります。乳幼児で、2割負担となっても決して安い金額ではありません。また、小さい子どもですので、両親が病院に付き添ったりと仕事を休まざるを得ない状況にもなります。

川崎病に限ったことでありませんが、乳幼児の場合、「乳幼児医療費助成制度」や「高額療養費制度」の対象となります。乳幼児医療費助成制度では、医療保険の自己負担分が全額または一部助成される制度です。一方、川崎病で心臓の合併症を発症し長期間の療養が必要となる場合には、「小児慢性特定疾患」の助成を受けることも可能となります。これらの制度の助成される金額は所得などによっても異なりますが、差額ベッド代などを除けば、それほど負担は大きくはならないと考えられます。

制度について、自治体や医療機関に確認したうえで、お子さんが原因の分からない病気になり、治療費や病気のことなど心配も多いかと思いますが、お子さんの治療に集中していただければと思います。

川崎病治療後のインフルエンザなどの予防接種の考え方 いつから受けられる?

川崎病の好発年齢である4歳以下の小児は、予防接種の時期とも重なります。現在ではスケジュールに沿ってたくさんのワクチンを打たなければなりませんが、川崎病の治療を行った場合には、予防接種には注意が必要です。

川崎病では「免疫グロブリン」と呼ばれる全身の炎症を抑えて、冠動脈瘤の発生を予防する薬を用いています。現在では川崎病患者の9割ほどの方が使用していますが、γグロブリン(免疫グロブリン)には、「抗体」という体に入った異物を戦ったり、排除するものが含まれており、免疫の成立を妨げる可能性が示唆されています。そのため、免疫グロブリン療法を行った後に、予防接種を行っても、γグロブリンに含まれる抗体によって中和されて、ワクチンの効果がなくなる恐れがあるのです。

したがって、予防接種ガイドラインにも明記されていますが、免疫グロブリン療法を受けた方は生ワクチン(麻疹、風疹、おたふく、水痘)の接種を3か月以上空ける必要があります。また、γグロブリンの大量療法を受けた方は6か月以上、予防接種を延期する必要があります。

不活化ワクチンである4種混合(DPT-IPV(ポリオ))、日本脳炎、インフルエンザなどのワクチンに関しては、影響を受けることはありませんので、安心して接種していただいてかまいません。

川崎病で退院後の生活への影響 納豆がダメな場合がある?

川崎病の治療は免疫グロブリンとアスピリンが基本となります。アスピリンには炎症を抑え、血を固まりにくくする作用があり、冠動脈に障害がなかった場合でも2カ月から3カ月間は、内服することが望ましいとガイドラインに明記されています。

「血をサラサラにする薬と納豆の組み合わせダメ!」という話をよく聞くかもしれませんが、アスピリンの場合はどうなのでしょうか。結論としては、アスピリンと納豆との食べ合わせは問題ありません。納豆との飲み合わせが悪い薬は「ワーファリン」になります。

アスピリンもワーファリンも血液を固まりにくくする薬ではありますが、アスピリンが「抗血小板薬」であるのに対し、ワーファリンは「抗凝固薬」と呼ばれ、種類の違う薬です。ワーファリンは血液凝固に関わる因子のうち、ビタミンKを必要とする凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹというタイプ)に作用します。ワーファリンは、ビタミンKを阻害する作用があり、これによって凝固因子の合成が抑制されて血液が固まりにくくなります。

したがって、ビタミンKを多く含む食品を一緒に摂取してしまうと、ワーファリンの効きが弱まってしまいます。そのためにビタミンKを多く含む納豆はワーファリンを飲んでいる人は食べられないと言われているのです。

もちろん、川崎病患者の中で、なんらかの理由で、アスピリンだけでなく、ワーファリンも飲んでいる人であれば納豆は食べられません。

川崎病で退院後の生活への影響 定期的に心エコーなどの検査が必要?なぜ?

川崎病は一般的に2週間から3週間で症状は治まりますが、冠動脈病変の有無によっては定期的な検査など管理が必要になる場合もあります。冠動脈病変がない場合には過度に心配する必要はありませんが、冠動脈病変がある場合には、普段元気に生活していていても、突然に心筋梗塞を発症する恐れもあります。そのため、無症状であったとしても定期的な検査や予防的な抗血小板薬や抗凝固薬による治療が大切になります。

日本川崎病研究会による「川崎病の管理基準」では、まず冠動脈病変のないものについては、発症1か月、1年、発症後5年をめどに経過観察を行います。その際、心エコーで冠動脈病変の検査を行いますが、運動制限等はありません。

一方で、退院時に冠動脈病変のある子供については、定期的に心電図、胸部レントゲン、心エコー検査、心臓カテーテル検査等を行っていく必要があります。この場合も運動を含めて生活に制限はありません。ただし、アスピリンやワーファリンなどの内服によって血の塊(血栓)ができないように治療を行っていきます。

川崎病はまだまだわかっていない病気であるため、長期的な予後(生活など見通し)もはっきりしていません。加齢とともに、動脈硬化などがどのように影響するかなど注意が必要であり、そうしたリスクを下げる意味でも、検査だけでなく、バランスのとれた食生活や運動が大切になります。

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