病院で処方されたお薬、友人にあげても良い?【医師監修】

  • 作成:2021/07/31

腰痛の貼り薬くらいであれば、似た症状に困っている家族や友人に譲ってあげたい・・・と思うことがあるかもしれません。しかし、それは自分のためにも、相手のためにも絶対にしてはいけません。

アスクドクターズ監修ライター アスクドクターズ監修ライター

この記事の目安時間は3分です

病院で処方されたお薬、友人にあげても良い?【医師監修】

Q.病院でもらった薬、湿布くらいなら友人にあげても良い?

A.いけません。

病院で処方された薬は、たとえ家族・友人間であっても受け渡しをしてはいけません。薬が合っているかどうかもわかりませんし、それで大きな副作用が出てしまった際にも補償を受けることができないからです。

自分の薬が他人にも有効かつ安全・・・とは限らない

病院で薬を処方される際は、病気の状況だけでなく年齢や体質、持病、他に使っている薬やサプリメント類、生活状況、職業、個人的な嗜好や価値観・・・といった点までを踏まえて、その人にとって最も有効かつ安全に使える薬が選ばれます。たかが腰痛に使う痛み止めの湿布薬くらいであれば構わない、と考えている人は多い1)ようですが、たかが貼り薬であってもこれは同じです。
たとえば、痛み止めの湿布薬の中には、薬を貼った部位を直射日光に当てると強いアレルギー反応を起こすリスクの高いものがあります(例:ケトプロフェン、ジクロフェナク)。こうした貼り薬が、紫外線の強い夏場に、屋外での活動時間の長い人の、首や腕といった露出しやすい部位の痛みに対して処方されることは、あまりありません。一方、これらの貼り薬は効き目がやや高めとされている2)ため、屋外で直射日光を浴びる機会がほとんどない人や、直射日光に当たる恐れの少ない腰や背中の痛みであれば、よく選択される薬でもあります。
病院で処方される薬は、こうした時期的な条件、個人的な事情も踏まえて選ばれた、今の自分に適した薬だということです。そのため、似たような症状を訴えている家族や友人であっても、自分が処方された薬が同じように適しているとは限りません。場合によっては、その人にとっては全く適さない、思わぬ副作用を起こすような薬である可能性もあります。

もし大きな副作用が起きても、補償されない

薬というものにはリスク(副作用)が付き物です。そのため、どれだけ注意して使っていても避けられない副作用に見舞われることがあります。こうした人を救済するために、日本には「医薬品副作用被害救済制度」というものがあります。
この「医薬品副作用被害救済制度」は、国や医薬品製造販売業者が資金を拠出しているものですが、薬を正しく使用していたにもかかわらず大きな副作用で健康被害を受けてしまった人に対して、その資金から医療費の実費、生活補償・年金を給付する制度です。

※独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」

ただし、この制度はどんな副作用でも対象になるわけではなく、健康被害が軽いもの、救命のために緊急でやむを得ず大量の薬を使った場合のもの、抗がん剤や免疫抑制薬といった対象外の薬によって起きたもの、予防接種によるもの(※別に予防接種健康被害救済制度があります)、薬を適正に使用せずに起きたものは、対象外になります。他人の薬をもらって使った、家族の薬を自己判断で使った、個人輸入で買った薬を使った、自分に処方された薬だが医師・薬剤師の指示通りに使わなかった・・・といった場合には、この制度での補償を受けることができない可能性がある、ということです。

つまり、自分があげた薬で家族や友人に、万が一、大きな副作用が起きてしまったら、一切の補償を受けることができない、という事態になる可能性があります。自分のためにも、家族や友人のためにも、処方された薬の譲り渡しはやめるようにしてください。

(参考文献)
1) 医薬品情報学.22(1):30-4,(2020)
2) Br J Sports Med. 2018 May;52(10):642-650. PMID: 29436380

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