熱を出した子どもの口元に白いあと…熱性けいれんになっていた可能性は？

作成：2022/01/05

AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、熱性けいれんを心配するお母さんからのご相談です。

この記事の目安時間は3分です

【今回のお悩み】
3歳の子供のことで質問させて下さい。
RSウイルスで日曜日から熱が出ていて、夜中に38.7は出ていました。
今朝起きたら口元に白いあとがあります。けいれんを起こすと泡を吹くと聞きますが、これは泡が乾いたものなのでしょうか？
私(母)が隣で寝ていましたが、熱性けいれんを起こしても気付かなかった場合どうなるのでしょうか。今のところなんともないようですが、私が子供の頃熱性けいれんを何回か起こしたことがあるので心配です。
熱性けいれんを起こせば隣で寝ていても気付くほど激しいものなのでしょうか？

【医師の回答】

お疲れ様です。心配ですね。
熱性けいれんは、全身ががくがくしたり、硬くなったりしますし、とても激しいものなので、お母様が寝ていたとしても隣にいたのであれば、ほぼ気付くでしょう。
お母様が知らない間に、子どもがけいれんして自然に治まってまた寝る、と言う事はまずないはずです。
口元の白い痕は、よだれの痕ではないかと思います。

熱性けいれんは、主に生後6か月から60か月（5歳0か月）の乳幼児期に起こる、通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患で、髄膜炎などの中枢神経感染症、代謝異常、その他の明らかな発作の原因が見られないものです。

単純型熱性けいれんと複雑型熱性けいれんに分類され、①左右非対称など焦点性発作の要素、②15分以上持続する発作、③一発熱機会内の通常は24時間以内に複数回反復する発作、のどれかを満たす物を複雑型熱性けいれんと言い、どれも満たさない物を単純型熱性けいれんと言います。

一般に小児の4-5%が熱性けいれんを経験しますが、親や兄弟に熱性けいれんがあれば頻度は10-20%に増加します。
熱源がウイルス感染の時は、インフルエンザウイルスや突発性発疹症のウイルスが多いです。

子どもさんが3歳で、お母様に以前熱性けいれんがあったのであれば、確かに子どもさんに熱性けいれんが起こりやすいですが、一般的にけいれんは激しい動きの事が多いので、隣で寝ていて気付かない事はないと思います。

参考文献
日本小児神経学会監修　熱性けいれん診療ガイドライン2015　診断と治療社
林寛之　Step Beyond Resident第58回　レジデントノートVol.9No.1（4月号）2007l