花粉症なのか新型コロナウイルス感染症なのかわからない…見分け方は?

  • 作成:2022/04/06

くしゃみ・鼻水などの鼻症状や熱っぽさ、喉の違和感といった症状は、花粉症でも新型コロナウイルス感染症でも現れることがあります。そのため、くしゃみや鼻水、熱っぽさ、喉の違和感などが現れた場合、花粉症のものなのか、あるいは新型コロナウイルス感染症のものなのかを見分けるのが難しいケースがあります。厳密な判別をするには検査を行う必要がありますが、ある程度の目星をつけられるようなポイントをいくつか紹介します。

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花粉症なのか新型コロナウイルス感染症なのかわからない…見分け方は?

(画像素材:ピクスタ)

見分けのポイント①:症状が刻々と変化するかどうか

最もわかりやすい見分け方のポイントは、症状が刻々と変化するかどうか、という点です。花粉症は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・眼の痒みといった症状が主で、これらの症状が軽いか重いかの違いはありますが、時間が経つとこれが腹痛になったり、寒気になったり、発熱になったり…と大きく変わることはありません。一方、新型コロナウイルス感染症の場合、くしゃみ・鼻水の他にも発熱やせき、喉の痛み、場合によっては寒気、倦怠感、頭痛、腹痛など様々な症状が現れるため、症状は刻々と変化し続けます。

つまり、「ずっとくしゃみ・鼻水の症状が続いている」のであれば、花粉症の可能性が高いと言えます。逆に、「くしゃみ・鼻水の症状と思っていたら、だんだん寒気がしてきて喉も痛くなってきて、今度は咳も出てきた」といったように症状が刻々と変化するのであれば、それは新型コロナウイルス感染症(などの感染症)の可能性が高いと言えます。

見分けのポイント②:特定の場所や環境で、症状が悪化するかどうか

もう1つわかりやすい見分け方のポイントとしては、特定の場所や環境でくしゃみ・鼻水の症状が悪化するかどうか、という点です。花粉症は、スギやヒノキなどの花粉に曝されることで起こります。そのため、花粉がたくさん飛んでいる場所…たとえば風の強い日の屋外に居るとその症状が悪化しますが、花粉があまり飛んでいない雨の日や屋内では、症状は落ち着く傾向にあります。

つまり、「天気の良い日に屋外を歩いている時はくしゃみ・鼻水や眼の痒みといった症状が悪化するが、家に帰ると少し落ち着いてくる」のであれば、花粉症の可能性が高いと言えます。逆に、「場所や環境が変わっても、くしゃみ・鼻水・眼の軽みといった症状に大きな変化がない」のであれば、それは花粉症ではない可能性、場合によっては新型コロナウイルス感染症の疑いが高くなります。

見分けのポイント③:いつもと同じ症状かどうか

花粉症の人はおよそ毎年、同じ時期に同じような症状に悩まされているケースが多いため、「例年と同じ時期に、いつもと同じような症状」が現れてきたのであれば、花粉症である可能性が高いと言えます。一方、去年まではあまり感じたことのない喉の違和感や熱っぽさ、倦怠感なども伴っているような場合には、花粉症ではない可能性も疑う必要があるでしょう。

花粉症は「対策できるアレルギー」しっかりと症状を抑えておく

上記のような違いはあるものの、くしゃみや鼻水の症状がある場合に、花粉症なのか、新型コロナウイルス感染症の軽い症状なのかを症状だけで見分けるのは非常に難しいのが実情です(※そのため、検査や行動歴の確認が必要となります)。

新型コロナ感染症が流行している中、余計な心配を減らすためにも、花粉症対策を確実に行って症状を抑えておくことが大切です。吸い込んでしまう花粉の量を減らすためにマスクを着用したり、帰宅時には衣服を軽く払ってから家に入ったり、あるいは症状が少しでも現れた時点で薬を使って花粉症をしっかりとコントロールするなどの早期治療を行うなど、といったことを心がけるようにしてください。

1) Ann Allergy Asthma Immunol . 2012 Dec;109(6):458-64.
2) 鼻アレルギー診療ガイドライン2020

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