「対人キャパUP」にはコツがある!対人関係を4パターンに分けて、無駄な労力を手放そう。

  • 作成:2022/07/11

新型コロナの感染拡大によってリモートワークが普及するなど、変化のスピードがますます速くなる今日。ちょっとしたことで動じないメンタルや、たとえ凹んだとしてもしなやかに立ち直る「レジリエンス」は、以前より増して重要になっています。そこで、産業医・精神科医の堤多可弘先生を講師に招き、「『動じないメンタル』の保ち方セミナー」を開催しました。当日の様子を5回シリーズでお届けします。第3回は、対人キャパUPのための基本的な考え方をご紹介します。

堤 多可弘 監修
VISION PARTNERメンタルクリニック四谷  副院長/精神科医・産業医
堤 多可弘 先生

この記事の目安時間は3分です

「大事×できる」に注目する

これまで産業医として多くの会社員の方から相談を受けてきましたが、対人関係の悩みを抱えている人は本当に多いと感じています。「あの人はルール破るし、困りものだ」「マウントを取ってくるので苦手だな」「なんでみんな自分のことを分かってくれないの?仕事も子育てもして大変なのに…」といった具合ですが、これらを少し楽にする方法をお伝えします。
最初にお伝えするのは、対人関係に対して自分で対処できることは、多少の濃淡はありますが以下の4パターンしかないということです。

(1)大事なことで、自分でできること
(2)大事だけど、自分でできないこと
(3)どうでもいいけど、自分でできること
(4)どうでもいいうえに、自分ではできないこと

つまり対人関係に向けて自分でできることは(1)と(3)しかないので、まずは「大事なことで、自分でできること」に集中していただければと思います。

「対人キャパUP」にはコツがある!対人関係を4パターンに分けて、無駄な労力を手放そう。

例えば、職場に全然そりが合わない人がいる場合、この人と何でも話し合える親友のように仲良くなろうとしても難しいと思います。そうした時に大事なのは、毎日挨拶はきちんと交わし、仕事上困らない程度のコミュニケーションがとれる間柄になることです。間違っても相手を変えようと無理をしないでください。もともとそりが合わない人なので大抵失敗すると思います。

次に見ていきたいのは、「(2)大事なのにできないこと」です。それにどう対処するか? なかなか難しい面はあるのですが、できないことを分解して、その中からできることを見つけるようにしてください。
例えば、パワハラ上司に向かって自分に何ができるか? 直接抗議するのは難しいでしょうが、もっと上の立場の方に相談したり、社内のパワハラ窓口に相談に行ったりなど、そのくらいのことはできると思います。このようにできることに分解していって、できることには取り組んでいく。できないことは諦めていく。この割り切りがすごく大事です。

ここで注意したいのは「(4)どうでもいいけど、できること」に夢中にならないようにすることです。例えば、社内で不倫しているカップルがいたら、「けしからん、あいつらのことをTwitterで炎上させてやる」といったことを、得てして人はやりがちです。でも、そんなことを行っても一文の得にもならないし、自分のエネルギーの無駄遣いになるばかりか、下手したら「あいつTwitterで変なことつぶやいているぞ」と悪評が立つ可能性もあるからです。

そこで知っておきたいのは、大事かどうかを分ける基準だと思いますが、簡単に言うと、自分の「仕事、財産、家族」に影響しないかです。これを基準にしてください。

少し対人関係とは話がそれますが、ここ最近、ウクライナ紛争のニュースを見て気分が落ち込むと悩んでいる方が多いようです。もちろん人道上、倫理上、関心を持つべき出来事です。ただ、一度立ち止まって、あの戦争でどこまで自分の「仕事、財産、家族」に影響するかも冷静に考えてほしいと思います。今日本に住んでいる多くの方にはそれほど影響はしていないのではないでしょうか? それでも人道上のことで何かをしたいと思ったら、寄付や署名をしたり、SNSで反戦の意思を示している人たちと思いをシェアしたりしてください。ニュース映像を見てただ落ち込むだけではなく、今できることを何なのかに意識を向けてほしいと思います。

また、コロナ禍になって、電車内でマスクをしないでせき込んだり、大声で喋ったりする人にイライラすることがあるのではないでしょうか。こうしたときに大事なことって何かと考えると、自分の身を守ることです。いきなりこの人を注意するというハードルは高いですし、応じてくれない可能性もあります。そこで、できることは何かというと、自ら車両を移動したりマスクを二重にしたりすることです。とにかく今できることに集中し、相手ではなく自分が変わる。そこが対人関係では大事です。

自分の「べき」を他者に伝えよう

前回の記事で「べきの呪い」の話をさせていただきましたが、その関連で以下のこともお伝えしたいと思います。それは、自分の「べき」つまり譲れない一線のことです。それは、もうこれ以上緩められないという「べき」についてはできるだけ他の人と共有する努力をしてほしいということです。

「対人キャパUP」にはコツがある!対人関係を4パターンに分けて、無駄な労力を手放そう。

誰もが他人の「べき」(譲れない一線)がどこにあるかを知らないと思います。同僚、友人、親友、家族など、身近になればなるほど、分かっていると思い込みがちですが、想像以上にお互いの「べき」については知らないものです。そこで、自分がどうしても譲れない線があれば、ぜひ周りの人に伝えるようにしてください。
例えば、「話すときは必ずマスクをしてほしい」「会議前、基本的に5分前に来てほしい」など、そういうことがあったらぜひ声に出して言って共有してほしいと思います。

弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。 現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長とスタートアップへのアドバイザー業務を務めるとともに、企業や行政機関の産業医を10か所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。 共著に「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医 」(祥伝社新書)がある。

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