今すぐ受診?それとも様子見?子どもの緊急受診は「生後6か月」をラインに対応法が変わる。

  • 作成:2022/07/23

AskDoctorsでは、子どもの病気やケアで親が悩みがちなポイントについて、小児科医の森戸やすみ先生に解説していただきます。連載第10回のテーマは「緊急受診の目安」。子どもの体調不良は、夜や休日など、かかりつけの小児科クリニックの診療時間外に起こることも少なくありません。救急外来や夜間・休日外来に急いで連れていくべきか、様子を見ても大丈夫なのか…? その目安を教えていただきました。

この記事の目安時間は3分です

今すぐ受診?それとも様子見?子どもの緊急受診は「生後6か月」をラインに対応法が変わる。

夜間・休日外来で1日分の薬しかもらえないわけ

小児科の診療時間外に子どもが体調不良を起こした時、病院の救急外来や、夜間・休日外来を利用した経験のある保護者もいることでしょう。自治体によっては、当番医(休日に順番で診療している医療機関)が診てくれる場合もあります。

ただ、救急外来や夜間・休日外来を、「コンビニのように24時間開いている便利な医療機関」「昼間都合が悪いときは夜に行けばいい」などと考えていないでしょうか。時間外診療というのは、あくまでも急場をしのぐためのところ。医師をはじめスタッフの人数や、できる検査は限られていて、通常の外来と同じ医療を受けられるわけではありません。

処方される薬も1日分だったり、1回分の頓服だけだったりします。「詳しい検査が必要なので、日中に再度受診してください」「明日、かかりつけ医を受診して薬を出してもらってください」などと言われることが多いのはそのためです。緊急性がないなら、一晩様子をみて、翌日の診療時間内に受診したほうが子どもにとっても負担は軽くなります。

生後6か月未満の発熱はすぐに受診を

ただ、体調不良のときの対応は、生後6か月未満とそれ以降では異なります。
生後6か月まで、とりわけ生後3か月未満の乳児は、妊娠中にお母さんから免疫をもらっているので、感染症にかかりにくく、熱を出すことはほとんどありません。平熱よりも1度以上高いとき、あるいは37度5分以上の熱が続いている場合は、重大な病気である可能性があります。

小さければ小さいほど発熱以外の症状がわかりにくいので、夜間や休日でも診療しているところを探して受診してください。また、母乳やミルクを飲む量がいつもの半分以下が続く場合も、早めに受診をしたほうがいいでしょう。
この2つの症状が見られないなら、多少咳や鼻水が出ていても、うんちがゆるめでも、夜中に受診する必要はありません。

「夜、眠れないほどつらいかどうか」が受診の目安

生後6カ月を過ぎている場合は、熱があっても機嫌良くしているようなら様子を見ても大丈夫。迷ったときは、「夜眠れないくらいつらいかどうか」を目安に判断をしてみてください。たとえば38度以上の熱が出ていても眠れているようなら、必要に応じて解熱剤(アセトアミノフェン)を使いながら様子を見てもかまいません。一方で、咳込みや気持ちの悪さなどで寝付くことができないときは、時間外でも受診した方がいいでしょう。

子どもの発熱の原因はほとんどが風邪です。体に備わっている免疫が、体内に侵入してきたウイルスや細菌などをやっつけやすいように、体温を上げているのです。熱が上がり続けると、「41度まで上がったらどうしよう」「高熱で頭がおかしくなるんじゃないか…」などと慌ててしまいがちですが、必要があって体が熱を出しているので、危険な状態になるまでは上がりません。
体内のウイルスなどをやっつけ終えれば、熱は下がります。風邪に特効薬はなく、水分や栄養を摂って安静にして治すのが基本。早く小児科に行ったからといって、早く治るわけではありません。

嘔吐や下痢、腹痛もよくある症状ですが、緊急受診の目安は発熱したときと同じで、「眠れないくらいつらいかどうか」。一回吐いたけどそのまま寝てしまったなら様子を見ればいいし、眠れないほど気持ち悪いとか、おなかを痛がっているようなら、夜中でも受診したほうがいいでしょう。
吐いたり下痢をしたりすると、脱水にならないか、心配する保護者が多いですが、一晩吐いたくらいで脱水になることはありません。吐き気のあるときに水を飲ませてもまた吐いてしまいますから、口の中を湿らせる程度に少しずつ水分を補給すれば大丈夫

水やお茶よりも「OS-1」などの経口補水液のほうが、水分は効率的に吸収されます。突然の嘔吐や下痢に備えて、経口補水液を600mℓ程度買い置きしておけば安心です。
腹痛は、使い捨てカイロや濡れタオルをレンジで温めておなかに当てると楽になることがあります。

なお、「意識がない」「けいれんが5分以上続いている」「うわごとを言ったりろれつがまわらなかったりして様子がおかしい」「呼吸が弱いか、止まっている」「心臓が動いていない」といった症状が見られるときは緊急事態です。すぐに救急車を呼んでください。

時間外診療を担当する当番医は、自治体のウェブサイトなどに掲載されています。近所の救急外来や夜間・休日外来のある病院、救急指定病院もふだんから調べておくと、安心です。医療機関に電話で診療可能かどうかを確認してから受診するようにしてください。

森戸やすみ

1971年、東京生まれ。小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都内のどうかん山こどもクリニックに勤務。『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』(内外出版社)、『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)など著書多数。二児の母。

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