外で転んで傷ができたとき、どんな薬を使えばいい?受診の目安は?

  • 作成:2022/07/31

梅雨も明けてお出かけしやすい天気になり、外出の機会が増えてくる方が多いのではないでしょうか。 外出の機会につきものなのが怪我です。特にアクティビティが増える夏場などで多いのが転んで擦りむいたり、出血したりする外傷が増えます。。 お出かけの際に、もしも外で転んで怪我をした場合に使える薬を所持していると、安心するのではないでしょうか。 今回は、外で転んで傷ができたときに、どんな薬を使えば良いのか、市販薬の成分を紹介するとともに、病院を受診する目安も紹介していきます。

この記事の目安時間は6分です

外で転んで傷ができたとき、どんな薬を使えばいい?受診の目安は?

1. 転んで傷ができたときの傷の程度

まずは転んで傷ができたときの程度や傷の種類について知っておきましょう。
それぞれ解説していきます。

1-1.外傷の分類

外傷には、大きく分けて下記の5つの分類にわけられます。

・切創
切り傷のことで、包丁などの尖ったもので切った場合の傷を指します。
外では、夏場に砂浜でガラス片を踏んでしまった、などのケースも切創に含まれます。傷の深さによっては病院への受診が必要となる場合もあるでしょう。(注1)

・裂挫創
切創よりも、傷口周囲の損傷が激しい場合を裂挫創といいます。日本形成外科学会の規定では鈍的外傷により生じた皮膚の損傷と定めております。鈍的外傷とは交通事故や転落などの皮膚や体を貫通しない打撲のことです。(注1)(注2)

・刺創
刃物などの先端が鋭利なもので刺された傷を刺創といいます。傷口自体は小さくても、傷が深い場合があるのが特徴です。もし体内に刺さっているままのものがあれば、病院で異物を取り除く必要があります。(注1)

・咬傷
咬まれた傷のことで、主に動物に咬まれる場合が多いです。家でペットに咬まれるだけではなく、外出先で蛇などの動物に咬まれる場合もあります。この場合は何にいつ咬まれたのかなどの情報も重要になってくるでしょう。毒や病原菌を持つ危険がある動物に咬まれた場合には、すぐに救急車を呼ぶ必要があるからです。(注1)

・擦過創
擦過創は、転倒により道路のアスファルトや砂利などの地面に、皮膚を擦りむいた状態のことを指します。
さまざまな傷の分類がありますが、転んだ時の傷は擦過傷がほとんどです。
擦過創は皮膚が捲れたのみの場合もあり、もし出血があってもすぐ止まる場合が多いです。しかし砂利やアスファルト、ゴミなどの異物が混ざってしまい、治癒したあとも皮膚の中に残ってしまう場合もあります。その場合は病院での処置が必要です。(注1)

2. 外で転んでできた傷の受診の目安は?

傷の種類や程度はさまざまで、どのような場合に受診をすべきかわからないという方もいるでしょう。外で転んで傷の受診の目安を大きく分けて3つ紹介します。

2-1. 傷が深く10分抑えても出血がとまらない場合

もし転んでできた傷が出血しており、10分抑えても出血がとまらない場合には大きな血管を損傷している場合があります。その場合は病院で速やかに治療を受ける必要があるでしょう。止血できない他にも、傷口から皮下脂肪が見えている場合には傷が深いことが明らかなため、早急に受診しましょう。(注3)

2-2. 傷が膿んでしまった場合

転んでできた傷口がなかなか治らず、傷口が化膿してしまった場合には、病院へ受診した方が良いでしょう。状態によっては抗生剤の処方や軟膏が処方されることもあります。
病院で処方した薬を用いることで早い回復が望めます。

2-3. アスファルトや石などの異物が入ったりした場合

外傷の分類でも解説したように、転倒による擦過創では、アスファルトや石などの異物が皮膚に混入し、そのまま残ってしまうことがあります。
皮膚の中の異物は、雑菌が繫殖する要因になるだけでなく、見た目としても目立つ場合があるので、早急に病院へ受診し取り除くべきでしょう。転倒時に混入した異物は、初期対応として流水で流す必要がありますが、取り切れない場合もあります。
また病院を受診する際には、異物が何か検討しやすくするためにも、道路や公園など、どういったところの上で転んだのか説明するようにしましょう。(注4)

3. 外で転んで傷ができたときに使える市販薬の成分は?

市販薬には転んでできた傷である擦過創に使用できるものが販売されています。含まれる成分とその効果を紹介していきます。

3-1.擦過傷に使える市販薬の成分

多くの市販薬に含まれているものが下記になります。

・コリスチン硫酸塩
グラム陰性菌、緑膿菌に有効な成分で、化膿性の皮膚疾患の薬に配合されています。殺菌作用があり傷の治療や二次感染予防に効果があるため、市販薬では外傷治療薬にも含まれている成分です。
転んでできた傷にコリスチン硫酸塩配合の市販薬を塗ることで、傷口の殺菌効果と化膿するのを防ぐ効果が期待できます。

・バシトラシン
バシトラシンはペニシリンと近い抗菌スペクトルで、グラム陽性と陰性菌の一部に有効な成分です。細胞壁の合成を阻止することで、抗菌作用をもたらしています。
化膿性の皮膚疾患や火傷などの創部、擦過傷などの傷口の二次感染予防や治療に効果があります。

・クロルヘキシジングルコン酸塩液
消毒で使用されるクロルヘキシジンを、グルコン酸にすることで水溶性の形状にしたビグアナイド系化合物のことです。傷口に対する消毒効果があり、無色透明の液体で臭いも抑えられているため、使いやすいのも特徴です。
塗布したときの消毒効果だけではなく、塗布した皮膚の上に残留して抗菌作用を発揮し続けてくれます。

・ジブカイン塩酸塩
局所麻酔作用と解熱鎮痛の作用があり、疼痛の緩和効果をもたらしてくれます。作用時間も長く、擦過傷などの創部の痛みを抑制する効果が期待できます。腰痛や筋肉痛などの他の疼痛に対する市販薬にも含まれている成分です。(注5)(注6)

3-2.擦過傷が化膿してしまった場合に使える市販薬の成分

もし擦過傷が化膿してしまった場合に使える市販薬に含まれている成分です。ただし化膿した場合の薬は、5~6日使用しても変化がみられなかったり、悪化したりする場合は病院を受診しましょう。

・イソプロピルメチルフェノール
殺菌作用と傷の増殖を抑える作用を持つ成分で、化膿した傷へ塗布する市販薬に入っている成分です。他にもニキビ菌の殺菌のためにニキビ治療薬に入っていたり、薬用石鹸や歯磨き粉などにも含まれていたりします。

・フラジオマイシン硫酸塩
傷が細菌感染し化膿した場合に患部での細菌の繁殖を防いでくれる成分です。基本的に軟膏で販売されている市販薬に含まれていることが多く、軟膏は皮膚に優しく保湿効果もあります。そのため膿んでいたり、乾燥していたりする場合にも使用しやすいでしょう。

・クロラムフェニコール
クロラムフェニコールは抗生物質成分の一つであり、殺菌作用と抗炎症作用があるため、化膿した傷へ有効な成分です。第一選択の市販薬ではなく、二次感染で化膿してしまった場合に使用される市販薬に含まれている成分です。(注7)

市販薬は患部を清潔にしてから使用すること

転んでできる傷に使える市販薬はいくつか存在しており、外出時に持っておくと安心です。また、家の中でも転んで怪我をすることはあります。そういった場合を考えて、家に薬を常備しておくのも良いでしょう。
ただし市販薬の使用は、必ず傷口を清潔にしてからにしてください。清潔にせずに市販薬を塗ってしまうと、その中で雑菌が繁殖し、化膿してしまう場合があります。
そして、なかなか治らなかったり、化膿してしまったりした場合には病院を受診してください。受診する病院の医師には、どのような市販薬を使用していたか伝えましょう。

【参考文献】
(注1)一般社団法人 日本形成外科学会.“外傷とは、その種類”.2022年6月28日時点
(注2)MSDマニュアル家庭版.“心臓の鈍的損傷”.2022年6月28日時点
(注3)多摩市医師会.“「傷の治し方 病院に行く?」”.2022年6月28日時点
(注4)日本医師会HP.“白クマ先生の子ども診療所 すりむいたケガへの対応方法”.2022年6月28日時点
(注5)ゼリア新薬工業.“ドルマイシン軟膏”.2022年6月28日時点
(注6)QLIFE.“サイレンQ 10ml”.2022年6月28日時点
(注7)薬と健康の情報局 第一三共ヘルスケア.“傷・化膿した傷の対策”.2022年7月7日時点

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