膀胱がんの原因、種類、ステージ、生存率、自覚症状 血尿以外は?

  • 作成:2015/12/09

膀胱癌(がん)は大きく3種類にわかれ、ステージも5種類にわかれます。治療開始から5年後の生存率は、ステージごとに大きく異なり、93%から25%となっています。自覚症状の1つとして、痛みのない血尿です。膀胱炎との見分け方や治療概要も含めて、専門の医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

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膀胱がんの原因 喫煙もリスク?

膀胱は、尿を貯め、それを排泄する役割を担っています。腎臓で生成された尿は、腎盂と尿管を通って、膀胱へたまる仕組みになっています。

なぜ膀胱にがんが発生するのでしょうか。

はっきりとした発症原因は医学的にまだ特定されていませんが、現在、膀胱がん発症の高リスク要因として喫煙があげられています。膀胱がんを発症した患者の男性50%そして女性30%が喫煙者という調査結果が出ているため、喫煙と膀胱がんの因果関係が懸念されています。たばこの煙の中に含まれる物質に加え、不完全燃焼によって生じる化合物が、発がん性物質である可能性が指摘されており、発がん性物質の多くが、体内酵素で活性化され、遺伝子変異を引き起こすため、細胞ががん化すると考えれらています。喫煙歴が長ければ長いほど、喫煙本数が多ければ多いほど、がん発生リスクは高まることが想定されています。

また、あるいは特定の化学物質に長期間接触したり、職業で取り扱う環境にいる方でも、膀胱がんの発症可能性が高くなっています。

膀胱がんの3種類

膀胱がんは、3つの種類にわけらています。

1.表在がん(乳頭がん): 肉眼で見ると、表面がブツブツしています。膀胱の内側に向かうように突出しています。がんの病巣は粘膜にとどまっていることが多く、転移や浸潤(周囲へ広がる)がないタイプです。

2.浸潤がん(非乳頭がん): 表面が比較的平らですが、中にはこぶのように盛り上がったものもあります。粘膜を貫き、壁外の組織へ広がりやすいため、転移しやすいタイプです。

3.上皮内がん: 肉眼では病変を見ることができないため病変を見つけにくいタイプですが、膀胱粘膜壁に沿って悪性度の高いがん細胞が存在しています。初期ですが、放っておくと浸潤がんに移行します。

ステージの考え方と生存率

膀胱がんのステージは、O期からIV期にわかれています。

O期: がんが粘膜や上皮内に留まっている状態。
I期: がんが粘膜を貫き浸潤しているが、筋肉のある部分まで及んでいない状態。5年相対生存率(治療開始から5年後)93%。
II期: がんが筋肉のある部分で留まっている状態。5年相対生存率79%。
III期: がんが筋肉のある部分を超えている状態。5年相対生存率54%。
IV期: 膀胱で発生したがんが、周辺の臓器へ転移している、あるいは膀胱から離れた臓器へ遠隔転移している状態。5年相対生存率25%。

痛みのない血尿は自覚症状の1つ

膀胱がんの特徴的な自覚症状は、主に3つです。膀胱炎と勘違いする方も多いので、しっかりと違いを覚えておきましょう。

1.血尿: 初期症状として挙げられています。膀胱炎と違うのは、痛みがないことが多いという点です。

2.排尿痛: 初期症状として挙げられています。下腹部の痛みもあるため、膀胱炎と勘違いすることもあります。膀胱炎と決定的に異なる点は、抗生物質でも痛みが治まらない点です。

3.背部痛: 膀胱がんが広がって、尿管の入り口が閉じた状態になるため、腎臓で生成された尿が膀胱まで流れることができない状態になっていることが原因です。尿管や腎盂が拡張してくることもあるため、背中の鈍痛があるのが特徴的です。

膀胱がんについて、原因、ステージ、生存率などをご紹介しました。もしかして膀胱癌かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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