マイコプラズマ肺炎の検査・診断 レントゲンではわからない?血液検査の意味合いは?

  • 作成:2016/01/28

マイコプラズマ肺炎の診断は、一般的に血液検査を通じてなされます。レントゲンについては、写り方のパターンが多様なことから、レントゲンのみでの診断は難しいのが現状です。マイコプラズマ肺炎の診断について、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

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マイコプラズマの検査 血液検査の意味とは?

マイコプラズマ肺炎と確定的に診断する(間違いないという診断)には、患者の咽頭をぬぐった液や痰(たん)からマイコプラズマの病原菌を分離して見つけることが必要となりますが、病原菌を培養するには1週間程度の時間を必要とするため、現実的ではありません。

実際の医療の現場では、血液検査で診断をしています。血液検査では抗マイコプラズマ抗体(原因菌と戦うための武器のようなもの)の上昇をもって確定診断されています。ただし、発症1週間以内の早期の時期では、抗体の増え方が十分でなく、「ペア血清」と呼ばれる、発症した初めの時期と回復する時期に血液検査をして判断する場合が多いです。

マイコプラズマ肺炎の血液検査では、他の病気でも起こる可能性があるものの、一般的な細菌性肺炎に比べて、白血球(WBC)の値の上昇が小さいことや、炎症反応である「CRP」という値が上昇することが特徴です。また、マイコプラズマでは「寒冷凝集反応」と呼ばれる反応で陽性となることも特徴です。

また検査だけでなく、マイコプラズマ肺炎は学校などの閉鎖された環境で流行しますので、患者の生活していた環境で流行が見られていることも診断のきっかけにつながります。

レントゲンのみの判断は難しい

肺炎を疑った場合、まずレントゲン撮影は行われます。しかし、マイコプラズマ肺炎の場合、レントゲンの像は多様であり、レントゲンのみで診断することは難しいです。一般的な細菌による肺炎と異なり、スリガラス像(淡く白い像)をしていることが多く、マイコプラズマの影響が肺炎に至らず、気管支炎に留まっている場合にはレントゲンで異常を示さないことも少なくありません。



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