クラミジアの不妊リスク、再発可能性、予防方法 早産や流産の危険も?男性の精子への影響とは?

  • 作成:2016/04/07

クラミジアは、男女ともに不妊の原因となりますし、治療を途中でやめると再発することがあります。不妊や再発を防止するためにどのようなことができるのかを含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤恒正 監修
落合病院 副院長
近藤恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

クラミジアと不妊の関係を知ろう

クラミジアで女性は不妊に 流産や早産のリスクも

クラミジアは、男女ともに不妊の原因となることがわかっています。女性の場合は、性交でクラミジアに感染すると、子宮頸部(子宮の入口付近)からクラミジアが侵入し、やがて子宮内部を通って卵管までいたると、卵管に炎症を起こしてはれたりつまってしまったりすることがあります。結果として、精子が卵管を通って受精することが難しくなるだけでなく、受精できたとしても受精卵が卵管を通れないために、子宮までたどりつけないことがあります。また、クラミジア感染によって、卵管や卵巣が他の臓器とくっつく癒着を起こすと、不妊の原因となることがあります。

クラミジアは、不妊の原因となるだけでなく、流産や早産の原因となることもわかっています。これは、クラミジアの感染によって「頸管炎」を起こし、子宮が過剰に収縮してしまうためと考えられています。

なぜクラミジアで男性も不妊に?

また、女性だけでなく、男性がクラミジアに感染したときも不妊の原因となることがあります。男性はクラミジアにかかると、尿道から精子の通る「精管」へと侵入し、やがて精巣の近くにある「精巣上体」という臓器が炎症を起こしてしまうことがあります。

男性の体内では、睾丸(こうがん)内の「精巣」という部分で、精子が作られ、精巣上体を通過して体外へ出ます。しかし、精巣上体という臓器が炎症を起こしてしまうと、精子の量が少なくなってしまったり、精子の働きが低下してしまったりすることがあり、不妊の原因になることがあるのです。また、炎症により精子の通路が閉塞してしまったりすることも、男性の不妊の原因となります。

クラミジアは再発する?

クラミジアの治療中に、自己判断で治療を中断してしまうと再発する可能性があります。特に、自覚症状がなくなったからといって、薬を飲むのをやめてしまうと再発することが珍しくありません。クラミジアの治療を始めると、原因となるクラミジアの増加が抑えられるため、次第に自覚症状が軽減されてきます。ただし、自覚症状がなくなっても体内には症状が現れない程度の量のクラミジアが潜んでいます。そのため、治療の途中で薬を中断すると、再びクラミジアが増えることで、症状が再発してしまうのです。ただし、医師の指示通りに決められた期間薬を服用し続ければ、再発することはほとんどありません。

また、クラミジアをはじめとする性感染症は、パートナーと性交によって感染してしまうことが多いため、一度完治しても再感染することが少なくありません。クラミジアに感染していることがわかったら、パートナーと一緒に治療し、治療後は検査を行いクラミジアに感染してないことを確認することが大切です。

クラジミアによる不妊や再発を防止するために

クラミジアは感染力が強いため、一度の性交でクラミジアに感染してしまうことが少なくありません。クラミジアによる不妊や再発を避けるには、男女ともクラミジアに感染しないことが最良の方法です。性交の際には、オーラルセックスのときも含め、毎回正しい方法で最初から最後まで可能な限りコンドームをつけ、不特定多数との性交を避けることが、クラミジアを含むすべての性感染症のリスクの低下につながります。不特定多数との性交は、クラミジアだけでなくすべての性感染症にかかるリスクが高くなることが明らかになっています。

ただし、クラミジアは初期の段階では男女ともに自覚症状が現れないことが多い病気です。また、クラミジアを発症した場合、自覚症状があっても軽いことが多いですが、わずかな体の変化を見逃さないように、気づいたら早めに医師に相談するようにしましょう。繰り返しますが、クラミジアは、パートナー間による感染が多いため、クラミジア感染がわかったら、患者本人だけでなくパートナーも同時に治療を行うことも大切です。

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クラミジアの不妊リスク、再発可能性、予防方法についてご紹介しました。クラミジアは予防することが可能な性感染症であり、感染したときは早期に治療を始めれば、不妊の原因となることはほとんどありません。しかし、クラミジアと不妊について不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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