痛風の予防 コーヒーに効果?納豆やビール等の酒はダメ?

  • 作成:2016/01/25

激痛を伴う痛風を予防したいと考える人は少なくないでしょう。米国人男性を対象にした研究では、コーヒーの摂取量が多いほど、痛風になりにくいという結果が出ています。それでは、納豆やビール、それ以外のアルコールと痛風の関係はどうなっているのでしょうか。医師監修の記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

ビール持つ女性

納豆に含まれるプリン体は多くない

痛風と「プリン体」が関係していることは、皆さまもご存じかと思います。プリン体を多く含む食べ物として納豆が挙げられることがあります。確かに納豆100g当たりにはプリン体が113mg含まれており、肉類に比べると多いですが(牛肉・豚肉は100g当たり70mgから90mg程度)、一般に高プリン体食品と言われるものは100g当たり200mg以上の食品を指し、納豆はこれに該当しません。したがって、納豆1パック程度(約50g)の摂取でしたら、問題ないと言えます。また、どんな食品にもプリン体は含まれており、すべてを制限することは難しいのが現実です。

コーヒーには予防効果あり

コーヒーの摂取量に関しては、痛風の既往のない米国人男性45,869人を対象に12年間追跡調査した研究の文献があります。痛風の発症リスクをコーヒーの摂取量で比べてみると、コーヒーを飲まない群に比べて1杯未満の集団で0.97倍、1杯から3杯の集団で0.92倍、4杯から5杯の集団で0.60倍、6杯以上の集団で0.41倍という結果でした。この結果から、コーヒーをよく飲む人ほど痛風の発症リスクが低いと言えます。

お酒はビール以外も注意

ビールはプリン体が多く含まれている代表的な飲料であり、痛風の方でなくても知っている方が多いと思います。ビールの製造過程で使用される麦芽中の核酸と呼ばれる物質には、プリン体が豊富に含まれており、その量は他のアルコールに比べても多く、日本酒の4.5倍、ウイスキーの45倍と言われています。ちなみに、痛風のガイドラインでは、尿酸値に与える影響が少ないアルコール量の目安として、ウイスキーで60ml、ビールで500ml、日本酒で1合とされています。

確かにビールには特にプリン体が多く含まれ、その他の発泡酒などに含まれるプリン体は、ビールに比べると少ないのですが、アルコール全般に言える尿酸値を上げやすくする要素がいくつかあります。まず、アルコールに含まれるプリン体が尿酸に変換されるとともに、アルコールの代謝の過程で尿酸が酸性され、さらに排泄されにくくなるという作用があるからです。また、アルコールのおつまみになる食品にもプリン体が多く含まれている傾向があり、ビールに限らず、すべてのアルコール飲料で飲み過ぎには気を付けるべきでしょう。

以上、痛風と、納豆、コーヒー、ビールとの関係についてご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用されてください。

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