水虫の治療期間、自然治癒可能性 タイプ別に解説 「半年かかる」場合も?薬をもらう際の注意点も解説

  • 作成:2016/02/02

水虫は自然治癒しませんので、薬によって、菌を死滅させることが必要となります。治療期間は、タイプによって様々ですが、爪水虫、足の裏や手のひらの皮膚が厚くなるタイプの白癬(水虫)の治療には3カ月から半年はかかることを覚えておきましょう。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

水虫は自然治癒する?

自然治癒はしない

水虫は「白癬菌」というカビの一種が皮膚の角質部分で繁殖している状態です。白癬菌は自然に消えることはなく、また人の免疫(体に入った菌などを排除する体の働き)では治癒しません。白癬菌は抗真菌薬を用いて治療をしない限り、死滅しない、つまり自然治癒はしません。他人にうつすリスクもありますので、気づいたら、医療機関を受診しましょう。

タイプによっては2週間程度で改善

水虫の治療期間はどれくらいかかるのでしょうか。「小水疱型水虫(小さな水ぶくれができるタイプ)」と「趾間型水虫(足の指と指の間にできるタイプ)」は、通常、塗り薬で治ります。小水疱型や趾間型の場合、約2週間から1か月程度で症状の改善がみられます。

一見正常に見える患部の周囲の皮膚にも、水虫の原因となる「白癬菌」が存在していて、自然治癒はしないため、広く薬を塗ることが治療の秘訣となります。患部だけではなく、足の指そして足の裏全体に薬を塗ることが推奨されています。

また症状がなくなった時にすぐに治療をやめてしまうと、残った少量の白癬菌が再び増えて再発することが多いので、長めに薬を塗るのが良いでしょう。

爪水虫は治療に3カ月から半年

「爪水虫」と「角質増殖型水虫(足の裏や手のひらがカサカサになり、皮膚が厚くなるタイプ)」では、塗り薬だけでは薬の成分が内部まで浸透しないため菌を死滅させることが難しく、治療には飲み薬が必要なことが多いようです。爪水虫と角質増殖型水虫は合併していることが非常に多くなっています。

爪水虫では、原因となる「白癬菌(はくせんきん)」とが爪の中まで浸透しています。爪の上から薬を塗っただけでは薬の成分が中まで浸透しません。爪水虫の治療には、ごく軽度の症状を除き、ほとんどの場合、飲み薬が必要になります。飲み薬は、薬の成分が血流によって爪まで運ばれるため、爪の内部から白癬菌を死滅させることが可能です。

爪白癬の治療では「テルビナフィン」という薬を半年間にわたって、毎日継続して服用するか、「イトラコナゾール」という薬をを1週間内服して3週間休むという「パルス治療」と呼ばれる治療を3回連続して行います。

以前は、爪水虫は治りにくい病気だといわれていました。その背景には、様々な理由によって治療を中断した方、そして市販薬で治療を済ませていた方が圧倒的に多かったということがあります。現在は、皮膚科で処方される爪水虫に対応している飲み薬を医師の指示通り服用すれば、たとえ重度の爪水虫であっても、十分効果が期待できます。ある製薬会社によると、爪水虫の飲み薬を約3か月から半年間服用し続けた場合、約1年後には80%が完治すると報告しています。

治療を途中で治療をやめてしまうと、完治せずに再発してしまう場合が多くなりますので、継続して治療してください。爪水虫の飲み薬の副作用として、胃の不快感、下痢、吐き気、腹痛、薬疹があげられています。またまれに肝機能への影響や貧血症状が現れることもあります。このような副作用が懸念されることからも、爪水虫の内服治療では血液検査を受ける必要があることを覚えておきましょう。

なお、爪の病変が白癬菌ではなく、「カンジダ」という別のカビが原因である場合は、テルビナフィンは効果が弱いことがわかっていますので、通常はイトラコナゾールを選択します。

皮膚が厚くなるタイプ(角質増殖型水虫)の治療期間は約3カ月

皮膚が厚くなるタイプの角質増殖型水虫は痒(かゆ)みはほとんどありません。このため角質が厚くなっているだけであると思い込んでいる方も多いようです。無症状であっても菌を周囲の環境に拡散し、家族への感染源となりますから治療を受けましょう。

角質増殖型水虫の治療も病院からの処方による飲み薬が中心で、約1か月から2か月で症状が改善し、約3か月程度で完治します。なお、角質増殖型水虫は市販薬ではあまり効果がありません。

別の薬の使用、妊娠・授乳中の場合は医師へ報告を

飲み薬が処方される場合は、「薬物相互作用」に気をつける必要があります。「薬物相互作用」とは、一緒に飲むことで片方の薬の効き目が弱くなったり、逆に強まったりすることで、身体に悪い影響を与えることがあります。薬物相互作用を防ぐためには、市販薬も含めどのような種類でも飲み薬を飲んでいる方は必ず医師へ報告してください。

また、以前になにかしらの飲み薬でアレルギー反応を起こしている方、内臓や血液疾患を患っている方、妊娠および授乳中の方も、爪水虫の飲み薬を服用する前には医師へ報告してください。



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水虫の治療期間や自然治癒の可能性についてご紹介しました。もしかして水虫かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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