狭心症の治療薬 ニトログリセリン、アスピリン、Ca拮抗薬などの効果と注意点を解説

  • 作成:2016/02/15

狭心症に使う薬は多様で、高血圧に処方される薬や、よく知られた「アスピリン」を用いることがあります。ニトログリセリンは、血管を拡張する効果があり、発作が起きた際にスプレーしたり、舌で急速に溶かして用います。それぞれ特徴がありますので、正しい知識をえて使うようにしましょう。

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狭心症の2種類の薬

狭心症の薬には大きく「血管拡張薬」と「β(ベータ)遮断薬」と呼ばれるものがあります。

血管拡張薬には、冠動脈(心臓をとりまき、酸素を供給する動脈)の血管を広げて、血液の流れをよくする作用と、全身の血管を広げて心臓の負担を減らす作用があります。

β遮断薬は「交感神経」と呼ばれる神経の興奮を抑えることで、血圧を下げたり脈拍数を減らすことで、心臓への負担を減らす作用があります。

ニトログリセリンは血管を広げる 注意点は?

狭心症の発作時によく使われる薬として有名なのが「ニトログリセリン」です。ニトログリセリンの主成分である一酸化窒素(NO)は、血管の「平滑筋」と呼ばれる筋肉に働いて、血管を広げる作用があり、血管拡張薬の一種に分類されます。

ニトログリセリンには舌下錠(舌の下に置いて急速に溶かして吸収させるタイプ)やスプレータイプのものが処方されています。狭心症による胸の痛みが出た際、錠剤を舌の下に含ませたり、スプレーすることで口の粘膜から薬剤が吸収されて、血管が拡張することで痛みが和らぎます。

注意点としてニトログリセリンは飲み込んでしまっては効果がないということです。また、基本的にニトログリセリンは1度使用しても効果がない場合、5分おきにもう一度使用します。それでも効果が得られない場合や普段と比べて痛みが強い場合には、狭心症から、心筋梗塞に発展している可能性もありますので、すぐに医療機関に相談する必要があります。

なお、ニトログリセリンには発作を予防するために飲む薬や、皮膚に貼るパッチタイプの薬剤もあります。

高血圧で使う薬にも効果あり

もう1つ血管拡張の作用を示す薬が、「Ca(カルシウム)拮抗薬」です。Ca拮抗薬にはアムロジピン、ジルチアゼム、ニフェジピンなどがあり、血管の筋肉の収縮を抑制することで、血管を拡張させます。Ca拮抗薬は高血圧治療の際にもよく処方される薬です。

Ca拮抗薬は即効性ではありません。そのため、発作を予防するために使い、血管の痙攣によって生じる「冠攣縮性狭心症」と呼ばれるタイプの狭心症に特に有効とされています。

β遮断薬の効果と注意点

β遮断薬もCa拮抗薬と同様、発作予防に使用さます。具体的には、交感神経の作用を抑制することで血圧や脈拍数を下げて心臓への負担を減らしてくれます。β遮断薬の種類として「ビソプロロール」「カルベジロール」などと呼ばれる種類があります。ただし、冠動脈のけいれんを引き起こす可能性があるため、β遮断薬は「冠攣縮性狭心症」には基本的に使用できません。

アスピリンを使う場合とは?

心筋梗塞や狭心症の発作予防として「アスピリン」も使用されます。アスピリンは抗血小板薬と呼ばれる薬で、血液を固まりにくくすることで、血栓によって血管がつまることを予防します。

体内にステントを置いて血管を広げる処置をした後は、特に血栓ができやすい状態が続くため、長期にわたって飲み続ける必要があります。

注意点としては血液を固まりにくくするため出血が起きやすく、手術を受ける際に調節が必要になります。



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狭心症の薬による治療についてご紹介しました。もしかして狭心症かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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