めまいと同時に吐き気、頭痛、鼻血など他の15症状!病気?要受診?鼻づまり、冷や汗、眠気、寒気、胃痛、腹痛も解説

  • 作成:2016/05/19

めまいは、めまい以外の体の症状とあわせて起こることは少なくありません。頭痛や吐き気だけでなく、動悸、冷や汗、寒気が同時に起きることがあります。それぞれ、どのような可能性があるのかを、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

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めまいと頭痛が一緒に起きたら、何がありえる?
頭痛とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
頭が重い感覚とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
眼振とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
耳鳴りとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
鼻づまりとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
鼻血とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
吐き気、嘔吐とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
肩こりとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
手足のしびれとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
胃痛や腹痛、下痢とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
動悸とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
冷や汗とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
寒気とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
寝がえりとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?
眠気とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

頭痛とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

頭痛とめまいが同時に起こることがあります。多くは片頭痛、風邪などの発熱、月経に関連する症状、肩こりや首の異常などによる症状の可能性が高く、すぐに検査や治療を受けないと心配というケースはほとんどありません。

ただ、これまでに経験したことがないほどの激しい頭痛がある場合や、身体の一部にしびれや麻痺がある場合、ろれつが回らない、普段通り立ち上がったり歩いたりできない、ものが2重に見えるなどの症状のうちどれか一つでも認める場合は脳卒中の可能性があります。すぐに脳神経外科を受診して診察を受けましょう。

頭が重い感覚とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

めまいが起こっているとき、同時に頭が重く感じることがあります。ストレスや風邪、肩こり、首の張りなどによるめまいの際に多く、頭痛を伴うこともあります。大抵は心配のない場合が多いですが、ぼーっとして普段と反応が違ったり、言動がおかしい場合などはごく小さな脳梗塞がみつかるケースもあります。

高齢者などでめまいと同時に頭が重い感じが続く場合や、ぼーっとして反応が鈍い、言動がおかしいなどと感じる場合は念のため脳神経外科を受診して相談すると良いでしょう。

眼振とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

「眼振(がんしん)」とは、自分の意思とは関係なく眼球が動く現象のことで、眼球が痙攣(けいれん)したように動いたり、揺れたりする現象が観察されます。眼振が出ているとき、眼球が自分の意思に関係なく、急速に動いているため、本人にとっては景色がぐらぐらと揺れたり、回転しているように見えることになります。

眼振にもいくつかの種類があり、眼振の動き方や方向によって身体のどの部分に異常があるかを推定できるため、めまいの原因をつきとめる検査として眼振の検査は非常に重要です。

眼振がみられ、緊急の対応が必要な病気としては小脳・脳幹部の出血および梗塞、薬物中毒、脳炎などの感染症、代謝の異常などが考えられます。また、耳の病気では突発性難聴、メニエール病などで眼振がみられる場合があります。

耳鼻科の外来では専門の機械を使って眼振があるかどうかをまず検査し、眼振がみられる場合にはその他の身体の症状も合わせて総合的に判断し診断、治療を進めて行きます。

耳鳴りとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

めまいと耳鳴りが同時に認められる場合があります。めまいには様々な原因が考えられますが、めまいと一緒に耳鳴りがみられる場合は耳の病気が原因と考えられます。

めまい、耳鳴りがみられる病気としては突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍などが代表的です。耳が原因でおこるめまいの病気では耳鳴りのほか、耳が聞こえにくくなったり、音が響いて聞こえる、耳が詰まった感じがするなどの症状がみられるケースもよくあります。 聴力が低下している場合、軽いものは自分で気が付きにくいこともあります。聴力の低下を放置すると薬で治療しても治らなくなってしまう可能性があるため、めまいと一緒に耳の聞こえに何らかの異常を感じた場合、なるべく早く耳鼻科を受診し検査を受けたほうが安全と言えます。

鼻づまりとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

鼻づまりと同時にめまいがみられる病気としてはアレルギー性鼻炎や花粉症、蓄膿(慢性副鼻腔炎:まんせいふくびくうえん)などがあります。これらは全て鼻の粘膜が炎症を起こす病気で、鼻づまりのほか頭が重い感じ、肩こり、頭痛、めまいなどを伴う場合があります。 この場合のめまいはフワフワ、クラクラする感じのめまいが起こり、鼻の症状がある間はずっと続くことが特徴的です。

鼻血とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

鼻血とめまいには直接の関係はありませんが、鼻血とめまいが一緒にみられる病気はいくつかあります。代表的なものとしては高血圧、自律神経失調症、アレルギー性鼻炎、熱中症などです。高血圧では、血圧の上昇により血管に圧がかかることで鼻血がみられることがあります。鼻の粘膜の血管は細く、構造的ちょっとした事で傷がつきやすいため、高血圧で鼻血が出ることがあるのです。また高血圧ではめまいが生じることもあるため、場合によっては鼻血とめまいが同時に起こります。

自律神経失調症では血圧が急に上がったり下がったりを繰り返すことがあり、血圧の変化によって鼻の粘膜の血管に負担がかかり鼻血が出ることがあります。また自律神経失調症ではフラフラするようなめまい、頭痛、食欲不振、動悸、不眠、イライラなどの多様な症状がみられます。

アレルギー性鼻炎では鼻づまり、鼻汁のほか頭痛や頭がぼーっとする感じ、フワフワ、フラフラする感じのめまいがみられることがあります。また鼻炎のために鼻をかむ回数が多くなると鼻の粘膜に傷がつき、鼻血が出ることもよくあります。

熱中症では体温の上昇のために身体全体の血管が拡張します。鼻の血管も同時に拡張しますが、鼻の粘膜の血管は傷がつきやすいため、血管が破れて傷がついてしまい鼻血がみられることがあります。また熱中症では身体が脱水状態になったり、体温が異常に上昇するためめまい、頭痛、吐き気、嘔吐、けいれん、意識障害など、こちらも多様症状が起こる可能性があります。

吐き気、嘔吐とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

吐き気、嘔吐とめまいは強い関係があり、しばしば一緒に起こります。以下の2つのパターンがあります。

(1)めまいによって気分が悪くなり吐き気、嘔吐がみられる場合(めまいが原因) (2)嘔吐が強いためにめまいが誘発される場合(めまいが結果)

(1)の場合、めまいが強く景色がグルグル回ったり揺れて見えるために気分が悪くなり、吐き気や嘔吐は起こります。突発性難聴やメニエール病、外リンパ瘻(がいりんぱろう)、良性発作性頭位めまいなどの耳が原因で起こるめまいの病気でしばしば起こります。

(2)では嘔吐が続くと、身体が脱水状態になったり、胃液に含まれる「電解質(でんかいしつ)」と呼ばれる身体の中の微量のミネラルの成分を失ってしまうために身体の電解質のバランスが崩れてしまい、めまいの症状が起こります。

嘔吐が強いときのめまいはフラフラ、クラクラする感じのめまいやふーっと身体から力が抜けるような感じがすることが多いようです。強い嘔吐はノロウイルス感染症などの感染性胃腸炎や食中毒などでよくみられます。

肩こりとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

肩こりとめまいは強い関係があります。肩や首がこって筋肉が緊張していると、硬くなった筋肉が首の血管を圧迫するために脳に行く血の量が減ってしまったり、また首には全身を支配する「自律神経」という神経が通っていることから、自律神経のバランスが乱れることで、めまいが起こります。

血管の圧迫によるめまいは首をひねった時に多く、ふーっと気が遠くなる感じがしたり、目の前が真っ暗になることもあります。対して自律神経のバランスが乱れることによるめまいはフラフラ、クラクラする感じで、首の向きに関係なく長く続くことが特徴的です。また自律神経失調症ではめまいの他に頭痛、食欲不振、動悸、不眠、イライラ、鼻血などの多様な症状がみられます。

手足のしびれとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

突然の手足のしびれ、めまいがみられる場合は要注意です。めまいと一緒に手足のしびれが突然現れた場合は脳梗塞を起こしている可能性があるためです。脳梗塞では脳の血管が詰まったために脳の細胞の一部が死んでしまい、身体の運動や感覚に異常をきたすことがあり、めまいや手足のしびれの症状となって現れるのです。

突然のめまいとともに手足のしびれがみられた場合はその後症状が落ち着いたとしても必ず脳神経外科などを受診して検査や診察を受けましょう。

胃痛や腹痛、下痢とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

胃痛や腹痛、下痢の症状と一緒にめまいが起こることがあります。激しい胃痛や腹痛、下痢などの消化器の症状が起こると、消化器に存在する「迷走神経(めいそうしんけい)」という神経が刺激を受けます。迷走神経は「自律神経」と呼ばれる神経の一つであり、消化器のほか身体の様々な機能を調節する大切な役割を持っています。迷走神経は血圧とも関係があり、迷走神経が働くと血圧が低下します。

胃痛や腹痛、下痢などにより迷走神経が刺激されると血圧が急激に低下することがあり、結果としてめまいの症状が起こることがあるのです。この場合のめまいは、立ちくらみのようにクラクラしたり、目の前が真っ暗になって身体に力が入りにくくなることもあります。症状が強い場合はそのまま意識を失うケースもあり、とくに高齢者や高血圧を患っている患者さんに起こりやすい傾向があるため注意が必要です。

また下痢が長期間続くと身体の水分が失われて脱水になったり、多量の便とともに「電解質(でんかいしつ:身体に含まれる微量のミネラルのこと)」が失われてバランスが崩れるためにふるえやめまいが出現することがあります。

動悸とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

動悸とめまいが同時にみられる病気はいくつかあります。最も注意が必要なものは不整脈などの心臓病ですが、多くは自律神経失調症やストレスなど比較的心配のない原因が多いと考えられます。

不整脈とは心臓の規則正しい運動に乱れが生じ、身体全体にうまく血液を送ることができなくなってしまう病気です。不整脈により心臓がうまく血液を送ることができなくなると、脳などの重要な臓器の血流も低下して様々な症状が起こりますが、このときにめまいもおこりやすいのです。不整脈によるめまいはふらつきや立ちくらみのように目の前が真っ暗になることが多く、重症の場合は意識を失うことも珍しくはありません。

ストレスや自律神経失調症によるめまいは、意識を失ったり目の前が真っ暗になることはなく、フラフラ、クラクラする感じのめまいが長く続く事が特徴です。また同時に頭痛、食欲不振、動悸、不眠、イライラ、鼻血などの症状もみられることが多いと考えられます。

冷や汗とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

冷や汗とめまいが同時にみられる場合、身体に病気がひそんでいる可能性があり注意が必要です。冷や汗は暑いときにかく通常の汗とは異なり、病気の症状やストレスなどの精神的要因でみられることが多いためです。

冷や汗は、血糖値の低下や心筋梗塞などの心臓病、自律神経失調症、熱中症、激しい腹痛や下痢、パニック障害やストレスなどの精神的要因の場合にみられることが、しばしばあります。これらの病気はどれもめまいを伴う可能性があり、血糖値の低下や心臓病、熱中症などは放置すると命に関わる可能性もある危険な病気です。

冷や汗とめまいが同時にみられ、安静にしても症状がおさまらない場合、すぐに病院を受診して診察や検査を受けた方が安全です。

寒気とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

寒気とめまいは直接の関係はありませんが、寒気とめまいが同時にみられる病気はいくつか存在します。寒気とめまいが同時に見られる場合、風邪などの感染症や肩こり、自律神経失調症、血糖値の低下、脱水症状などの可能性が考えられます。

寒気とめまいが同時にみられる場合、発熱など他の症状がないかをまず確認し、普段と異なる症状や体調不良があれば内科で検査や診察を受けた方が安全です。

寝がえりとめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

寝返りとめまいは関係がある場合があります。寝返りをうったときにめまいが起こりやすいケースとしては、(1)良性発作性頭位めまい症(2)首の筋肉の緊張や首の骨の異常 が考えられます。

(1)「良性発作性頭位めまい症」は耳の「内耳」という部分に砂粒のような石が入り込み、頭の動きに合わせて石が動くためにめまいが起こる病気です。寝返りをうったときに頭が動くとめまいが誘発される可能性があります。

(2)首の筋肉が張って硬くなっている場合や加齢などにより首の骨が変形している場合、首をひねることで、首の神経や血管が圧迫されてめまいを生じることがあります。この場合は首を強くひねった時にだけめまいが起こり、首を真っ直ぐに戻すとめまいがおさまることが特徴です。

眠気とめまいは関係がある? 可能性のある病気は?

眠気とめまいに直接の関係はありませんが、眠気とめまいが同時にみられるケースはいくつかあります。眠気とめまいが同時にみられる場合に最も多いのは寝不足ですが、その他自律神経失調症、貧血、「睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)」などの可能性があります。

自律神経失調症では眠気、フワフワ揺れるような感じのめまいのほか、頭痛、食欲不振、動悸、不眠、イライラ、鼻血など多様な症状がみられ長く続く事が特徴です。

貧血はどちらかというと女性に多く、重度になるとふらつき、フワフワ揺れるような感じのめまい、眠気、疲労感などが続くようになります。貧血の診断には血液検査が必要になります。月経量が多い女性や食生活のバランスが悪い方で、症状に心当たりのある方は貧血の検査をお勧めします。

「睡眠時無呼吸症候群」は何らかの原因により眠っている間に呼吸が弱くなったり、止まってしまう病気です。睡眠中の無呼吸は短い場合は一瞬ですが、長い場合は数十秒にも及ぶケースもあります。睡眠時無呼吸症候群があると、日中の強い眠気、めまい、疲労感などが続きます。眠っている間に呼吸が止まっていることに自分で気がつく方はほとんどおらず、大抵は家族から息が止まっていることを指摘されたり、病院の検査で初めて判明します。日中の強い眠気や疲労感、めまいが続くものの、特別な原因が思い当たらないような方は、一度病院を受診して睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることをお勧めします。


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めまいと体の他の症状の関係について、ご紹介しました。めまいを感じて、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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