生理をもっと快適に。知ると得するフェムテック&フェムケア

  • 作成:2021/12/13

今年の新語・流行語大賞にノミネートされた「フェムテック」という言葉、みなさんご存知ですか?今回は、淀川キリスト教病院産婦人科医の柴田綾子先生が、フェムテックとフェムケアについて解説をしていきます。

柴田 綾子 監修
淀川キリスト教病院 産婦人科医長・産婦人科専門医
柴田 綾子 先生

この記事の目安時間は3分です

生理をもっと快適に。知ると得するフェムテック&フェムケア

「フェムテック&フェムケア」が流行っている

フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を合わせた造語で「女性の健康課題を解決するための新しい技術」を指します。
例えば、生理や症状を記録し予測するアプリ、遠隔診療によるピルの処方や妊婦健診、自宅でできる性感染症や女性ホルモンの検査キット、更年期障害や不妊治療の遠隔支援などです。さらに最近は、Feminine(女性)とCare(ケア)を合わせた「フェムケア」という造語も登場しました。こちらは主に女性の健康や身体のお手入れ・管理を支援する製品を指し、生理用のショーツ、ナプキン、月経カップなどがあります。

女性は死ぬまでに生理を400回以上経験する

昔に比べ、現代の女性が経験する生理の回数は増えています。初経(平均12歳)から閉経(平均50歳)までの間に経験する生理は400回以上(38年×12回=456回)。1回の生理が7日間前後続くと考えると、2800日(7.6年間)も生理と一緒に過ごす日があるということです。こう考えると生理痛や生理の症状や不快感を毎回我慢して過ごすことで、とても長い日数に悪影響が出てしまうことが分かります。生理の症状や不快感を改善するテクノロジーやサービスを使うことで、生活の質や仕事のパフォーマンスを大きく向上できる可能性を秘めているのです。

自分に合ったフェムテック&フェムケアを見つけよう

テクノロジーやサービスは「自分の希望や好み」に合ったものを選ぶの良いでしょう。ここでは最近のフェムテック&フェムケア分野で、どのような種類の商品やサービスがあり、どのように役に立つの か簡単に紹介していきます。ぜひ、いろいろ調べたり実際に使ってみたりして、自分のスタイルに合うものを探してみてください。

1 生理アプリ

生理日を入力することで、次回に生理が来る日を予測するだけでなく、妊娠しやすい日が分かります。生理前など体調の悪くなりそうな日に大きな予定を入れることを避けたり、ピルで生理予定日を移動したりするなどの調整ができます。パートナーと情報を共有して妊活できる機能や、排卵日をより正確に予測するために基礎体温の測定機器と連携できるものもあります。基礎体温の測定も、毎朝口の中に体温計を入れて測定するのではなく、腕時計型やパジャマや下着に装着するウェアラブル測定機が出てきました。米国では生理アプリを避妊法として使用することをアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)が認可していますが(1)、日本ではまだ承認されていません。

2 吸水ショーツ

生理の血を吸収する機能がついたショーツです。生理不順で、いつ生理がくるか予測が難しい時期(思春期や更年期)、不正出血が多い方、ナプキンでデリケートゾーンの肌が荒れやすい方には相性がいいかもしれません。ショーツは繰り返し洗って使えます。最近、日本でも色々な吸収ショーツが発売されていて、値段も安くなってきました。

3 月経カップ

腟の中にシリコンのカップを入れることで、生理の血を貯めておく方法です。シリコンカップは洗って繰り返し使うことができます。上手くカップを使うことができればナプキンが不要になり、大幅に費用や資源を節約することができます。月経カップを使うことで、生理中でも血を気にせずにお風呂や温泉に入ることができます。

4 ナプキン

従来のポリエステル製のナプキンに加えて、コットン製や布ナプキンなどが登場しています。生理の血やナプキンが肌に長時間接触していることで、肌が荒れやすくなることや、かゆみが出ることがあります。デリケートゾーンは、体の中でも繊細な部分だからこそ、より肌に優しい素材が求められてます。布ナプキンは、自分で手作りしたり、洗って繰り返し使ったりする方もいます。さらに、ナプキンに併用することで吸収力をUPできる使い捨てパッドや、お風呂上がりに生理の血で浴槽や床を汚さないような専用カバーなども発売されています。

これから出てくる? 開発中のテクノロジー

日本ではまだ発売されていませんが、世界中でいろいろなフェムテックやフェムケアが開発されています。腟の中のカップに溜まった血の量や色の分析や、基礎体温を測定できる月経カップ、生理用ナプキンについた血で子宮頸がんや性感染症を検査できるパット、お腹に電極を貼り付け、弱い電気刺激を与えることで生理の痛みを緩和する経皮的電気神経刺激(TENS: Transcutaneou Electrical Nerve Stimulation)キットなどがあります。
もしかしたら、皆さんが持っている生理を快適に過ごすアイデアも実用化・商品化される日がくるかもしれません。女性にとって、毎月やってくる生理が心身や生活に大きな影響を与えていきます。少しでも生理を快適に過ごすために、ぜひ一度フェムテック&フェムケアのテクノロジーやサービスを、試してみると良いでしょう。

参考資料
1.FDA allows marketing of first direct-to-consumer app for contraceptive use to prevent pregnancy
2.経済産業省, 女性活躍関連施策, 令和3年8月

2006年 名古屋大学情報文化学部を卒業し群馬大学医学部に編入
2011年 沖縄で初期研修を開始し、2013年より現職
世界遺産15カ国ほど旅行した経験から、母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。著書に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)、『産婦人科ポケットガイド』(金芳堂)、『女性診療エッセンス100』 (日本医事新報社)など。

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