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大人のADHDの症状

  • 作成:2022/08/04

ADHD(注意欠如・多動症)は、小児期からその特性が見られますが、症状や環境によっては見過ごされ、大人になってから診断されることもあります。「仕事や人間関係がうまくいかない」と悩んでいる人の中には、その原因がADHDだったということもあるかもしれません。ここでは、大人のADHDに多い特徴や症状を紹介します。

榊原 亙 監修
榊原産業医パートナーズ株式会社 精神科医・産業医・労働衛生コンサルタント
榊原 亙 先生

この記事の目安時間は6分です

大人のADHDの症状

大人のADHDの特徴

ADHDは発達障害に分類1)されており、「不注意」または「多動・衝動性」の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在していたことが診断の根拠になります。
しかし、年齢を重ねて症状が和らいだり、症状があっても問題に対して適切に対処することができるようになったりすることで、症状が継続していたとしても社会に”何とか適応”し、一見ADHDかどうか分からない場合があります。
ADHDの特性によって、職場で仕事がうまくいかず、人間関係も苦労することが続き、気持ちの落ち込みが激しくなったり強い不安に襲われたりして初めて病院に行き、精神的な症状の陰に隠れているADHDの特性に初めて気づく、ということもあります。
また、それまでは問題がなかったのに、仕事の内容が変わったり部下の管理をし始めたりして、症状が顕在化するケースもあります。女性の場合は、結婚や出産などでタスクが増えた時に症状が顕在化することも珍しくありません。

その他、不安障害(過剰な不安や心配を感じるなど)や気分障害(気持ちが高揚したり落ち込んだりするなど)などを伴う場合があり、いくつかの症状を同時に抱えうる点も、大人のADHD患者の特徴です。

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ADHDの症状

子どもでも大人でもADHDの診断基準となる症状は同じです。

【不注意】

■学業や仕事中に不注意な間違いが多い
細部を見過ごす/作業が不正確

大人のADHDの症状

■課題や遊びの活動中に、注意を持続することが難しい
講義や会話に集中できない。長時間の読書に集中できない

■直接話しかけた時に聞いていないように見えることが多い
何もなくても心がどこか他所にあるように見える。

大人のADHDの症状

■指示に従えず、学業や仕事の業務をやり遂げることが出来ない
課題を初めてもすぐに集中できなくなる。別のものに集中が脱線してしまう。

■課題や活動を順序立てることが難しいことが多い
一連の課題を遂行することが難しい。持ち物の整理や時間の管理が苦手。

大人のADHDの症状

■精神的努力の持続を要する課題を避けたり、いやいや行う
学業や宿題を避ける。長い文章を見直すことを嫌う。

大人のADHDの症状

■課題や活動に必要な物をなくすことが多い
学校教材や鉛筆をなくす。財布や鍵、携帯電話をなくす

大人のADHDの症状

■他の刺激によって気が散りやすい
無関係な考えによって気が散る

■日々の活動で忘れっぽい
用事をすることを忘れる。お金の支払いや会合の約束を忘れる。

大人のADHDの症状

【多動・衝動性】

■手足をそわそわ動かしたり、トントン叩いたり、いすの上でもじもじする

大人のADHDの症状

■席についていないといけない場(教室や作業場など)で席を離れる

大人のADHDの症状

■不適切な状況で走り回ったり高いところに登ったりする

大人のADHDの症状

■静かに遊んだり余暇活動を行うことができない

■じっとしていない、またはまるでエンジンで動かされているように行動する

大人のADHDの症状

■しゃべりすぎる

■質問が終わる前に出し抜いて答えてしまう

大人のADHDの症状

■順番を待つことが難しい

■他人を妨害して邪魔をする

大人のADHDの症状

診断には、不注意、多動・衝動性の9つの症状のうち、子どもの場合はそれぞれ6つ以上、17歳以上はそれぞれ5つ以上に該当することが条件とされています。

ADHDの人が得意なこと・職業

ADHDの特性をお持ちの方は、スケジュール管理や業務を順序立てて行う必要があるマネジメント業務、細かい段取りや精緻な作業が求められる事務作業は苦手かもしれません。一方で、行動力が必要になる営業職、ご自身の興味関心がある事柄に集中して成果が出せるような研究職やアーティストとして素晴らしい成果を挙げる例も多く見られます。

【参考文献】
1)発達障害者支援法
2)DSM-5
3)注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第4版 じほう

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