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あなたの周りにこんな人いませんか?

  • 作成:2022/08/04

“仕事を頼んでもうまくいかない”、”会話をしても何か噛み合わない”、”いつも落ち着かずソワソワしている”、こんな方みなさんの周りにいらっしゃいませんか。その人たちは、仕事ができない人でも、人間関係を悪くしようとしている人でもなく、ADHDの特性を持っているだけなのかもしれません。事例を元に、ADHDの方の特性や、かかわり方のコツをご紹介します。

榊原 亙 監修
VISION PARTNER メンタルクリニック四谷 精神科医 / 産業医 / 労働衛生コンサルタント
榊原 亙 先生

この記事の目安時間は3分です

【症状事例1】

あなたの周りにこんな人いませんか?

自分の得意な仕事では期待以上の成果を出せる一方、それ以外の仕事ではケアレスミスが多い。整理整頓は苦手で、机の上には書類やメモがいつも散らかっている。仕事の優先順位を立てられずに締め切りをよく破る。

ADHDの特性の一つが「不注意」です。「不注意」には、”課題や活動を順序立てることが難しい”、”他の刺激によって気が散りやすい”などがあります。また、集中すると時間を忘れて取り組んでしまうために、予定通りにスケジュールをこなせず、「自分は仕事ができない」と思い込んでいるケースもあります。

【かかわるときのコツ】

● デスクを集中しやすい環境に整える
デスクの上にはパソコン、ペン立て、メモ帳など最低限必要なもののみを置き、作業に集中しやすい環境を整えるように手助けしてみましょう。付箋、消しゴム、クリップなど細々したものは、10㎝×10㎝程度の空き箱にまとめるだけでも整理がしやすくなります。また、机の横にパーテーションを設置すると、余計な刺激で気が散ることが少なくなります。短期的な作業では、集中しやすい空き部屋や広い作業スペースを使えるようにするのもよい方法です。

● 指示は細分化して、一つずつ順番に与える
「◯◯しておいて」とだけ指示を出して、期限の直前に「◯◯終わった?」と尋ねても、業務をこなせていないことがあります。細分化したタスクに一つずつ期限を設けて指示を与えた方が、期限内にタスクを完了しやすくなります。また、指示を与えるときには単に口頭で伝えるだけではなく、「◯◯の作成 締め切りは◯月◯日◯時」と簡単に付箋やメモに書いて渡すと、より効果的です。タスクを見える化することで、見るたびに思い出して確認できるようになります。

【症状事例2】

あなたの周りにこんな人いませんか?

仕事の質そのものには問題がなくても、言われたことや仕事における指示、打ち合わせの時間を忘れたり、必要な書類や大事な持ち物を忘れたりすることが頻繁にある。

ADHDの方の中には、耳で聞いた情報を覚えておくことに苦手意識のある人がいます。また日々の活動で忘れっぽいこともADHDの特性の一つです。

【かかわるときのコツ】

● 聞いたことを記録してもらう
聞いた内容を紙に書くのが効果的です。人が言うこと(音声情報)は目に見えず消えてしまいますが、文字として書き出した情報(視覚情報)は後から何度でも確認することができます。忘れずにメモをするように促したり、スマートフォンで写真を撮る/音声入力で記録を残すなどの方法を教えてあげたりするのも良いでしょう。急かさず、こうした記録の時間をきちんと設けることが大切です。

● 合言葉を貼っておく
忘れたら困る持ち物を確認できるよう、合言葉を作るのもおすすめです。例えば、「ケイサツ トカゲンチ(警察トカゲの家)」という合言葉で、「携帯、財布、時計、鍵、ハンカチ」を確認することができます。家を出る前に玄関でゆっくり唱えながら持ち物を確認する、習慣になるまで玄関のドアに合言葉のメモを貼っておく、といった方法を試してもらいましょう。

【症状事例3】

あなたの周りにこんな人いませんか?

自分の関心事や気になったことに時間を使いすぎて大事な仕事が終わらなかったり、タスクを先延ばしにして期限に間に合わなかったりする。

ADHDの方には、面倒なことや興味がないことは後回しにし、好きなことや興味があることには時間を忘れて取り組んでしまう(過集中してしまう)という特徴があります。

【かかわるときのコツ】

● タスクに向かうきっかけづくりを工夫する
ADHDの方は、自分にとって面倒なことに取り組み始めるのが苦手です。そのため、自分に合うタスクを始めるためのきっかけづくりを考えることが重要です。
ポイントは【具体的な行動を起こしてモチベーションを上げる】ことです。例えば、「とりあえず10分だけ取り組もう」とスマートフォンなどで10分後にアラームを設定して取り組んでもらいます。こうすることで、アラームが鳴る頃には「もう少し取り組んでから終わろう」と、気持ちを前向きに変化させることが可能です。お気に入りの飲み物を用意して「これを飲む間だけでも取り組もう」というのもよい方法といえるでしょう。
このように、ほんの少しでもタスクに取り組むことで「これを終わらせるには〇時間かかりそうだぞ」という見通しをもちやすくなります。ADHDの方には、締め切りのギリギリでタスクに取り組み始めて、「こんなに大変な仕事だったら、もう少し早く始めておけば良かった」と落ち込むタイプがいます。しかし、自分なりに見通しをつけることで「今やっておいた方がいいのかも」と自覚できると、期限内に取り組める可能性が高くなります。

● アラームを活用する
ADHDの方は、一度集中し始めると途中で止めることが苦手です。好きなことに過集中してスケジュール通りにこなせない場合は、スマートフォンなどのアラーム機能をこまめに設定して利用しましょう。まずは「〇時〇分まで取り組む」と決めたら、アラームをセットします。アラームが鳴るまで集中してタスクをこなし、アラームが鳴ったら次のタスクに取り掛かるようにします。
思っていたよりも時間がかかってしまった場合は、取り組んだ内容を振り返って「この部分はそこまでこだわる必要は無かったかも」と気づけるように、時間をかけるべきポイント、かけなくて良いポイントを具体的に助言してあげるとよいでしょう。

ADHDの特性について知ることで、その方とうまく付き合えるようになったり、その方の良い部分を引き出すことができるようになります。ご紹介した方法が、良い関係性を築くきっかけになればと思います。

精神科医からのメッセージ

ここまでの事例でみてきたように、 ADHDの症状や程度には個人差があります。このため、 ADHDの方と関わる際のポイントも、それに応じて変わってくると言えるでしょう。

上記の【かかわるときのコツ】では代表的なものを挙げていますが、接し方に唯一の正解があるわけではありません。大事なのは、自分が関わるADHDの方個人をよく理解することです。何が得意で、何が不得意なのか。特性は特性として受け入れつつ、その方の実力を発揮できるように環境を整えていく、具体的なアドバイスをするという形で、個人に合った支援をしていくことが望ましいでしょう。

とは言っても、本人自身の努力や周囲のサポートにも関わらず状況がうまく改善しなかったり、うつ症状などその他の精神症状を併発したりする場合もあります。そのような時には、医療機関や支援機関、産業保健スタッフなど、ぜひ状況に応じて各種専門家・専門機関へ頼っていただけたらと思います。

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