がんのこと、仕事のこと、モヤモヤ気分のことをオンラインで分かち合う「みんなで話そう!テーマ別交流会」を開催~ClubCaNoW

  • 作成:2022/10/27

がん患者さんとご家族のための会員制コミュニティ「Club CaNoW」(https://clubcanow.com/)は、毎月、がん医療に関するオンラインイベントを開催しています。9月21日には「みんなで話そう!テーマ別交流会」が開催されました。がんになると病気のことだけでなく、生活や仕事、お金など、さまざまな悩みが発生します。そこで、①家族コミュニケーション ②患者会ってどんなとこ? ③患者生活お助けツール! ④治療しながら働く ⑤よろず相談、の5グループに分かれて、オンライン上でお喋りを楽しんでいただきました。この中から2つのグループの様子をお伝えします。

この記事の目安時間は3分です

がんのこと、仕事のこと、モヤモヤ気分のことをオンラインで分かち合う「みんなで話そう!テーマ別交流会」を開催~ClubCaNoW

働きたくても副作用でつらいことも

「治療しながら働く」がテーマのグループには、7名のClubCaNoW会員が参加。産業カウンセラー&キャリアコンサルタントで子宮頸がんサバイバーでもある廣田純子さんの進行で、セッションが始まりました。
最初の発言は、男性参加者のAさんから。Aさんは2つのがんを経験し、現在はパートタイムで働いています。しかし、合併症で突然仕事を休まざるを得ないことが多く、「今の職場では病気をオープンにしていないため、すごく心苦しい」と話してくださいました。

Aさんの発言をきっかけに、「職場で病気をオープンにするかどうか」が話題に。オープンにしている参加者が多く、「おかげで職場の理解を得られている」という前向きな意見があった一方で、「病状をオープンにしているが、周囲からは元気に見えるようで、そのギャップをつらく感じることがある」「周囲に、術後のつらさをなかなか理解してもらえない」「上司の対応に不満が募り、結局転職した」という意見も。

就職活動の段階で、がんのことを話すべき?

また、働く以前に就職活動の段階で、がんであることを話すべきかどうか悩んだ方もいらっしゃいます。派遣社員として働くことを選んだBさんは、「派遣会社のプロのアドバイスを受けながら就職活動ができたのでとても良かったと思う」と話してくださいました。

近年はがん患者さんが働くことに対する理解が深まっていますが、病気を抱えて働くのは不安なもの。主治医に仕事のことを相談した方からは、「仕事を辞める必要はないと励まされた」という声が聞かれました。しかし、「主治医は仕事のことにはあまり関心がないようなので、病気のことだけ話すようにしている」という参加者もいらっしゃいました。
参加者の皆さんのがん種やステージはさまざまですが、仕事を続けるうえで支障になる副作用のつらさや職場の理解不足など、互いに共感できることも多かったようです。

「モヤモヤ」をどう解決する?

「よろず相談」がテーマのグループには、5名のClubCaNoW会員が参加しました。進行役は、一般社団法人がんと働く応援団の共同代表理事で、卵巣がんサバイバーでもある吉田ゆりさんです。

開始まもなく話題に上がったのは、「モヤモヤの解消法」。参加者のCさん(男性)は3年前に肺腫瘍とリンパ節の腫れを指摘されて以来、経過観察中で、「いつも恐怖が影のように付きまとっている。定期検査の時期が近づくとモヤモヤする」と不安を打ち明けました。

ステージ4の大腸がんを治療中のDさんも、モヤモヤを抱えている一人です。「毎日、時間によって気分が落ちたり上がったり……。気分が落ちたときは仕事に集中するとか、自分の好きなことを諦めないようにしています」。Dさんは、モヤモヤと向き合う中で「時間が解決してくれるものと、解決できないものがあることが少しずつわかってきた」と言います。「がんになっても前向きで元気に見える人が多いけれど、ほかの方がモヤモヤやつらさをどう乗り越えているのかが気になって参加しました」。

同じ経験をした人の言葉が力になる

10年前に卵巣がんがステージ3Cで見つかったというEさんも「皆さんのモヤモヤは私も想像がつきます。再発の恐怖でモヤモヤしました」と共感を寄せました。さまざまな葛藤を経て、不安を上手に処理できるようになったそうです。
「モヤモヤしてもしなくても同じように時間は過ぎていきますよね。ならば考えずに過ごそうと思えるようになりました。がんのことは考えず主治医に任せて、やりたいことをできるだけやる。それまでの時間を楽しもうと切り替えたら、案外楽しくなりました」(Cさん)

吉田さんが「がんになったことで時間が有限だと気づき、生き方がシンプルになるというのはよく聞きます」と語りかけると、Eさんは「そうそう、イヤな人とつき合わない、いやなことは断る。どうしても行きたいところには行く」と笑顔で応じました。
モヤモヤに端を発したセッションは盛り上がり、「抗がん剤の治療中は気分の上下が激しい。お薬の副作用もあると思う」といった意見には、「そういう私が嫌い、ではなく、それは薬のせいだと思えばいい」というアドバイスも。また、「がんのことを検索しまくったらよけい不安になった。あまり気にしすぎるのもどうなのかと思った」という「がん患者あるある」に「そうそう」と応じたり、画面越しに大きく頷いたりする様子も見られました。

オンラインの良さを生かし、気軽に参加

このほか「家族コミュニケーション」「患者会ってどんなとこ?」「患者生活お助けツール!」がテーマのグループでも、始まってしばらくは参加者の皆さんの発言は少なめでしたが、少しずつ緊張がほぐれてきました。無理に発言しなければならない雰囲気はなく、聞き役に徹する方も。同じようにがんになった方の話を聞きたい、語り合いたいと思っていても、患者会などに足を運ぶのはハードルが高く、「オンラインだから気軽に参加できた」「自宅からだからリラックスできた」という感想も数多く寄せられました。

ClubCaNoWでは、今後も定期的に、治療生活を応援するための会員向けイベントを企画しています。また、専門家の先生をお呼びして、治療の助けになるような医療知識をどこよりもわかりやすくお届けする医療セミナーも開催予定です。

次回の医療セミナーは2022年10月28日(金)19:00~20:15を予定。
『教えて先生!治療に良い影響を与える痛みの伝え方とは?』と題し、治療を前向きに進めるための痛みの伝え方について、青森県立中央病院 副院長の的場元弘先生と一緒に考えます。

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