気付けなかった…次男が吃音(きつおん)で、クラスでからかわれていたなんて
- 作成:2023/03/30
こんにちは。外科医ちっちです。今回は吃音(きつおん)の話です。吃音の種類、庭でできること、相談先を紹介します。最初にお伝えしたい大切なことは、吃音は親の育て方やしつけの問題ではありません! 単なるしゃべり方のくせです。
この記事の目安時間は3分です
吃音パターンは3つ
小学生の次男さんちが夏休みに入る前、担任の先生との懇談でこう言われました。
「吃音について、おうちではどう思われていますか?」
そう尋ねられるまで、さんちが吃音であることに気づいていませんでした。
まず、吃音は3種類あります。
(1) 「お お お お おかあさん」
私は、このどもるタイプだけが吃音だと思っていました。
(2) 「お~かあさん」
1文字目を延ばして話し始めるタイプ
(3) 「・・・・・・おかあさん」
なかなか最初の言葉が出ないタイプ
さんちの場合は、どもりが3割。

ことばが出ない7割。


このあと、10数秒たって話が始まります。
手が空かない時はこの「空白の見つめあう時間」を過ごすことにイライラすることもあります。思わず「早くしゃべって」と言ってしまいそうなのをこらえます。
こんな風に、さんちの場合はどもることもありますが、始めの1文字目がなかなか出てこないことが多いです(同級生のからかいは、どもりをマネされることでした)。
私たちは、これを吃音だと思っていませんでした。
私自身も幼少期、他人と話せない「場面緘黙」(かんもく)はありましたが、同居家族とは問題なく話せました。なので、さんちの様子を見て「場面緘黙か? でも、家族相手にも言葉が出にくいな」と不思議に思っていました。
言葉の成長が遅いが故に、頭に浮かんだ文字を言葉にすることが難しいのだと思っていました。
もちろん、そういった背景もあると思います。
実は、さんちは言葉を話し始めるのが遅かったです。
2歳になっても年齢相応の数の単語が出ないので、聴覚に異常があるのかと思い、耳鼻科に行ったこともあります。


検査するまでもなく聞こえているし、「靴下」と言われて靴下を見たので、言われたことは分かっているようです。聴覚は問題ないでしょうとの診断でした。
2歳~3歳の頃は「おかあさん」「おっぱい」の2語くらいで、3歳直前になって「お茶 飲む」といった単語が急に増え、同時に2語文を話し始めました。
言葉を詰まらせることがあることに気付いてはいましたが、親側の呼びかけには適切に対応することがほとんどだったので、言葉の意味は分かっている印象でした。
なので、「まぁ、そのうちスムーズにしゃべるだろう」と気にせず過ごしていました。
でも、小学校入学後は、ひらがなの読み書きに苦戦していました。さらに、1年生の9月から不登校になったことによって、現在はますます言葉の発達がゆっくりになっています。
吃音の困りごと からかい
そんなのんきにしていた私たちに、担任の先生は言いました。
「実は、さんちくんのしゃべりかたをマネしてからかう子がいました。
それは、私が見つけた時にかなり怒りました。多分、その1回だけだと思います。
おうちでは何か言っていましたか」
からかわれていたなんて、初耳でした。
さんちに聞いても何も言いません。
言葉が出しにくい子どもが親にSOSを出すのは難しいのだ、親が積極的に確認し、気付きに行かなければならないのだと痛感しました。
のんきにしている場合ではありませんでした。
吃音の一番の困りごとは、からかわれることで気持ちが萎縮して、より一層言葉を発する一歩が出にくくなることです。
まとめ
吃音の種類、実際に困ったことを挙げてみました。次回は対処法、相談先について紹介します。
外科医師。妻(看護師はっは)と発達障害3児の育児中。記事中のイラストは、看護師はっはが担当。
・ブログ:「うちの凸凹―外科医の父と看護師の母と発達障害の3姉弟」
・ブログ:「発達障害の生活は試行錯誤で楽しくなる」
・note:https://note.com/titti2020/
・Twitter:@surgeontitti
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