わきがの症状のにおい、チェック、疑問 自覚できる?においの特徴は?強弱がある?年齢とともに悪化する?

  • 作成:2016/09/05

わきがの症状であるにおいは、「鉛筆」「玉ねぎ」などと表現されることが多いようです。年齢とともに悪化する可能性や自覚可能性などを含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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わきがの症状であるにおいが起きるメカニズム 汗自体はにおわない?菌が関係?どんな菌?

アポクリン腺から出てくる汗自体には悪臭はなく、その中に含まれる「脂肪酸」が「コリネバクテリウム属」というの皮膚の常在菌により分解されて、強い臭いを持つ揮発性の物質に変化することがわきがの原因となります。

わきがのにおいの特徴とは?鉛筆?玉ねぎ?すっぱい?

暑い環境にいた時に出た汗の臭いは「汗臭い」と表現されますが、わきがの臭いはこれとは少し違う臭いで、「玉ねぎの臭い」、「鉛筆の臭い」などと表現されています。個人の受け取り方と表現方法の問題になるので、断定するのは難しいですが、わきがのにおいについて「酸っぱい」と表現する人は、多くはないようです。

わきがのにおいはフェロモンの一種?

日本では脇の臭いの強い人が少数派であるため、日本社会では脇の臭いの強い人は好まれていません。しかし、元来、脇の臭いは一種のフェロモンであり、異性を惹きつけるためや、自己の縄張りを明らかにするためのものであったと考えられています。現在でも、世界的に見るとわきの臭いの強い形質を持つ人種が多数派です。

わきがのにおいは自覚できる?

わきがのにおいに重度、軽度と表現されるように強弱があるのはなぜ?

わきがの診断においては、「周囲の人が不快に感じるかどうか」という主観的なものが基準となっています。臭いをもたらす物質の量を測定して診断するというものではありません。

主観的なものではありますが、1mから2m程度離れていても特有の臭いを感じるものを「重症」、その人の脇に近寄って初めて特有の臭いを感じるものを「軽症」とするのが一般的です。それ以上に細かく分類することもありますが、結果が診断する個人によってばらつくことが多いようです。

わきがのにおいは年齢とともに悪化する?年をとると消える?

わきがの発症に関与しているアポクリン腺の活性は思春期になると高まって、老化により低下してきます。小児ではまだアポクリン腺が活動していないため、老人ではアポクリン腺の活性が衰えていますから、わきがはまれといえます。

わきがのにおいが片方からしかしないことがある?

わきがの原因となるアポクリン腺は左右のわきに同じように存在しており、汗のかき方にも通常は左右差はありませんから、わきがには通常左右差はありません。とはいえ、「効き腕のほうが、アポクリン腺が発達する」という指摘もあり、左右差を感じる方もいるようです。

わきがのにおいは自覚できる?できない?なぜ?

わきの臭いには個人差があり、民族によっても異なります。日本人では臭いの少ない人が多数派ですが、世界的に見るとわきの臭いの強い形質の方が多数派です。したがって人類全体をみると、多くの人は自分の脇の臭いを困ったものとして自覚せず、それを普通のことと考えています。

また、臭いは思春期になってくると徐々に出てくるので、嗅覚はそれに慣れてきて自覚しにくいのが普通です。

わきがのチェック項目 耳垢でわかる?服の黄ばみ?腋毛に特徴?

わきがの体質であるかどうかは、アポクリン腺が思春期になって活動し始めると、症状としてはっきりとしてきます。思春期以前には、わきがの症状はありませんが、わきがの体質を持つ人は、小児期から耳垢が湿って柔らかいタイプであることが多いようです。というのは、ヒトの耳道部にも、アポクリン腺は存在しており、外耳道のアポクリン腺は、例外的に小児期にも活性があります。アポクリン腺の活性の高い素因のある人は、耳垢が湿って柔らかくなるからです。

わきがの人では、脇に汗が多く、衣服が脇の部分で黄ばんでくることが多いのですが、これはアポクリン腺から出る汗に含まれている「リポフスチン」という成分によるとされています。なおリポフスチンと臭いとの関連性は不明とされています。

腋毛に黄褐色のベタベタした物質がからんで、毛が黄色くふやけたように見える病気があり、「黄菌毛症」と呼ばれています。黄菌毛症は、多汗の人に多く、主に「コリネバクテリウム属」に分類される細菌の感染症で、わきが臭いをさらに強くすることもあります。石鹸で良く洗って清潔にして抗生物質の外用剤を塗ったり、毛を剃ると治ります。



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わきがの症状やにおいの疑問などについてご紹介しました。もしかしてわきがかもしれないと不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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