夜中に赤ちゃんが目覚めても…夜泣きに効く『ねんトレ』のポイント

  • 作成:2022/02/12

こんにちは。赤ちゃんの睡眠トラブルについて情報発信やアドバイスなどを行う医師の森田麻里子です。この連載では、夜泣きや、なかなか寝てくれない、朝起きるのが早すぎる、といった悩みについて、解決のヒントをお伝えしています。 第1回から3回の連載では、赤ちゃんにぐっすり眠ってもらうための生活習慣や寝室環境の整え方についてを、第4回では、寝かしつけの習慣が原因となって夜泣きが起こるしくみについてを詳しくご説明しました。 今回は、そのしくみを踏まえて、どのようにすれば寝かしつけの習慣を変えることができるのか、具体的な方法についてお話していきたいと思います。

アスクドクターズ監修ライター アスクドクターズ監修ライター

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夜中に赤ちゃんが目覚めても…夜泣きに効く『ねんトレ』のポイント

夜泣き改善のための『ねんねトレーニング』とは

ネットや本にはたくさんの『ねんねトレーニング』法が溢れています。しかし多くの場合、生活習慣や寝室環境を整える部分と、寝かしつけ自体を実際に変えていく部分に分かれています。『ねんねトレーニング』は、その両方を指して言う場合もありますし、後者の寝かしつけ方法の変更のみを指す場合もあります。この連載の中では、寝かしつけ方法の変更について、『ねんねトレーニング』という言葉を使ってお話します。

生後6か月をすぎた健康な赤ちゃんで、生活習慣や寝室環境を整えても、夜中1、2時間ごとに起きてしまう。こういった場合、抱っこや授乳の寝かしつけが習慣になって、夜泣きが起こっている可能性が高いものです。つまり、夜中に何度か目を覚ますのは誰でもあることですが、そのたびに、いつもの抱っこや授乳の寝かしつけを要求して、泣いてしまっているということです。

これを根本解決するには、抱っこや授乳での寝かしつけをやめ、ママ・パパが何もしなくても赤ちゃんが寝つけるようになることが大切です。そうすることにより、夜中に赤ちゃんが半分目を覚ましても、ママ・パパを呼ばずにまた眠りに入ることができるようになるのです。

生後3、4か月くらいの赤ちゃんまでは、ママ・パパの介入が少ない寝かしつけ方法を少しずつ練習していくのがよいのですが、生後6か月くらいの月齢になると、習慣を変えるには一気に変える必要があります。

とはいえ、今までの抱っこや授乳での寝かしつけをいきなりやめると、当然なかなか寝つけず泣いてしまいます。そんな時、どのように対応したらよいかわからないと困ってしまいますよね。そこで、どのように対応したらよいかの「型」のようなものが、『ねんねトレーニング』法なのです。

3〜5日で効果が実感できる『ねんねトレーニング』のやり方は?

医学研究でもしっかりと効果が確かめられているのは、段階的消去法というものになります。

赤ちゃんをベッドやお布団におろしたら、ママ・パパはおやすみを言って、寝室を出ていきます。最初は泣いてしまいますから、少し時間が経っても泣きやまなかったら、部屋に入って「大丈夫だよ」、「ねんねだよ」などと簡単に声掛けし、すぐまた部屋を出ていきます。

これを、赤ちゃんが泣きやむまで続けます。

夜中に起きたときも同様に対応し、朝まで続けましょう。1日目は3分、5分、10分、10分…。2日目は5分、7分、12分、12分…。というように、少しずつ部屋に入るまでの時間を延ばしいくと、だんだんと泣きやんで寝つくまでの時間が短くなっていきます。

この方法であれば、通常、だいたい3〜5日で効果が実感できるようになり、2週間経つ頃にはだいぶ改善しているはずです。

そのほかにも、ママ・パパがそばで見守り、ときどき声かけやトントンをしながら寝かせるようにして、その後、声かけ・トントンもやめていく方法や、ママ・パパが最初はそばに座るけれど、3日ごとに座る場所を離していき、最終的にはそばにいなくても眠れるようにしていく方法などがあります。

やり方は少しずつ違いますが、いずれも、最終的にママ・パパが何もせず眠れるようにする、というところは同じです。ママ・パパがそばにいる時間が短い方法のほうが改善までの期間は早くなり、そばにいる時間が長い方法であれば改善までの期間はその分長くかかります。

気をつけたい夜間断乳。やめても夜泣き改善にはならない

ここでよくある誤解を解いておきたいと思います。夜間断乳すれば夜泣きが改善するとか、夜泣き改善のために夜間断乳が必要、と思っている方もいらっしゃるのですが、これはいずれも誤解です。

夜泣きがひどく夜間断乳にチャレンジする、というお話はよく聞くのですが、みごと成功して夜泣きが改善したという方と、頑張ったのに残念ながら改善しなかった、という方がいます。これは、授乳をやめた代わりに、どのような寝かしつけに変えたのかということが影響しているのです。

夜中に何度も起きるのを改善するためには、ママ・パパが何もしなくても眠れるようにするのが大切なポイントです。しかし夜間断乳しても、授乳の代わりに抱っこの寝かしつけが習慣になってしまうと、寝かしつけの習慣が授乳から抱っこに変わっただけで、夜中に泣いて起きるのが改善しないことがあります。夜間断乳が希望の場合、一時的に抱っこの寝かしつけに変えるのは構いませんが、そこから抱っこもやめていけるかが夜泣きを改善するカギです。

また、夜間断乳ができるかどうかは、その子の月齢や体質、日中どのくらいの栄養摂取ができているかによって違います。

一般に、生後9か月頃をすぎた健康な赤ちゃんであれば、夜間断乳が可能なことも多いのですが、それをすぎても1回程度の夜間授乳が必要な子もいます。また、夜間断乳をすると日中の母乳分泌も減ってしまうことがあるので、母乳育児を長く続けるという視点から考えると、夜中1回程度の授乳は残したほうがよいのです。

私としてはあまり無理な夜間断乳はおすすめしていません。月齢にもよるため、夜中、1〜2回の授乳を残しての『ねんねトレーニング』をおすすめることが多いのです。この場合、授乳するタイミングをあらかじめ決めておき、その時間に起きたら授乳して寝かせる、それ以外の時間に起きた時には『ねんねトレーニング』の対応で寝かしつける、という具合でやってみてください。

『ねんねトレーニング』というと、何となく怖いイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は医学研究でも効果が示されている方法です。全員がやる必要はありませんが、夜泣きで困っているご家庭であれば、ぜひチャレンジしてみていただきたいと思います。

森田 麻里子(もりた・まりこ)

医師・小児スリープコンサルタントChild Health Laboratory代表。1987年、東京都生まれ。2012年、東京大学医学部医学科卒業。亀田総合病院での初期研修を経て、2014年、仙台厚生病院麻酔科、2016年より南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。
2017年の第1子出産をきっかけに、2018年より現活動を開始。2019年昭和大学病院附属東病院睡眠医療センター非常勤勤務。乳幼児の睡眠問題についてのカウンセリングや、育児支援者・医療従事者向け講座などを行う。
著書:『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』ダイヤモンド社、『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』光文社新書、『子育てで眠れないあなたに』KADOKAWA

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