オンライン診療って?どんな時に使えばいいの?【オンライン診療についてのQ&A】

  • 作成:2022/12/17

利用したことのない人にとってはハードルが高く感じられるオンライン診療ですが、利用経験のある人からは「使ってみると、意外と簡単だった」「丁寧に診察してもらえた」「自宅で受診ができて、時短で便利」といったポジティブな声も多く聞こえてきています。 今回、アスクドクターズで実施したアンケート(約5,000名が回答)を踏まえ、オンライン診療に関するQ&Aを作成いたしました。興味はあるけど、まだ使ったことがない方の疑問・不安の解消につながりますと幸いです。

白月 遼 監修
患者目線のクリニック グループ代表 ・銀座新橋院院長
白月 遼 先生

この記事の目安時間は6分です

オンライン診療Q&A

Q&A一覧

Q1 オンライン診療の診察までの手順は?

一般的にオンライン診療の流れは下記の通りです。

オンライン診療Q&A

スマホ・PCがあれば、予約から薬の受け取りまで病院に行くことなく、スムーズに行えることが特徴です。

Q2 オンライン診療に必要な物は?

  • インターネット環境(インターネットにつながったスマホがあればOK)
  • ビデオ通話できるスマホ・タブレット・PCのいずれか
  • 保険証
  • 身分証明書(運転免許証、学生証など)
  • 支払いのためのクレジットカード
  • 必要に応じて)アプリ

等が必要になるケースが多いようです。

Q3 オンライン診療のメリットは?

実際にオンライン診療を利用した経験のある方からは、下記のような意見がよせられています

  • 移動の負担がない
  • ・悪天候や体調の悪いときに自宅で診てもらえるのはありがたい
    ・遠距離で通院できないときに便利
    ・定期的に同じ薬の処方を頂きたいだけの場合、移動の手間が省けて助かる
    ・出張先でも受診できる


  • 時間を節約できる
  • ・待ち時間、通院時間もなく精神的にも体力的にも助かった
    ・自宅で待ち時間なく受診できる
    ・待つとしても仕事や家事ができる


  • 感染症のリスクを減らせる
  • ・他者に感染症を広げたり、もらったりするリスクを減らせて安心
    ・コロナ感染のリスクなく受診出来たので助かった


  • 他の患者さんに気をつかわない
  • ・周りの患者さんに気を使わず、リラックスした普段の環境の中で受診できる
    ・医師と1対1のため、待っている患者さんに気を使ったり、話す内容を気にしたりしなくてよかった
    ・他人には話しづらい内容も人目や回りに聞かれたりせずに受診することができる

待ち時間が少なく効率的に受診できる、通院が難しいケースで便利に利用できる、人との接触を減らすことで感染症リスクを減らせる、個人通話だから先生とのコミュニケーションも取りやすいといった声がメリットとして上がっていました。

Q4 オンライン診療のデメリットは?

オンライン診療を利用した経験のある方にアスクドクターズでアンケートを行い、オンライン診療のデメリットについて調査しました。

  • 触診や聴診の対応はできない
  • 検査は受けられない
  • オンライン診療の利用料などが別途かかる場合がある

怪我や腫れなど患部をよく見る必要がある症状や、血液検査、レントゲン検査などの検査が必要な症状はオンライン診療には不向きといえそうです。
ただし、薬局等で販売されている診断用の新型コロナウイルスの抗原検査などを自身で検査をした場合に、その結果を用いて診療をすることもあるようです。
またオンライン診療のシステム利用料などが発生する場合について、交通費や通院時間の負担が減ることを考えると、トータルで見たときにあまり差がないと考える利用者の意見もありました。

Q5 オンライン診療でよく受診されている症状や疾患はある?

皆さんがオンライン受診している症状は、

【風邪の諸症状・コロナウイルス】
発熱、咳、のどの痛み、鼻水・鼻炎・副鼻腔炎
新型コロナウイルスや後遺症の相談

【皮膚の症状】
湿疹・皮膚の炎症・肌荒れ・アトピー

【女性特有の症状】
生理痛・PMS、更年期障害

【生活習慣病】
高脂血症、高血圧症、糖尿病、メタボリック症候群

【体の痛みやケガ】
足腰の痛み、ケガ・外傷の経過観察

【心の不調・精神機能の低下】
自律神経失調症、睡眠障害、認知症、パニック障害(向精神薬処方を除く)

【その他(自費)】
AGA・ピル・美容

など、多岐にわたります。特に、新型コロナウイルスに関する受診、夜間に症状が出た、急な体調不良、病院に行くまでもないが薬は欲しい、定期受診が必要で通院が面倒、体調に大きな変化がない経過観察、痛みやだるさで通院が難しいとき、待ち時間が長くなりがちな婦人科や精神科の受診などのケースで多く利用されていることがうかがえました。
一方で、向精神薬やハイリスクのお薬、麻薬などの処方はできないと考えたほうが良さそうです。

Q6 他の人はどんなきっかけでオンライン受診をしている?

アスクドクターズで行ったアンケートでは、オンライン受診をしたきっかけとして下記のようなケースが上げられました。

  • 手持ちの薬が不足し、処方だけお願いしたかったから
  • 急な症状で、急いでいたから
  • 自分がコロナ濃厚接触者となり、通院できなかったから
  • 遠くて通院が難しかったから
  • 体調不良で動けなかったから
  • 時間や体力を節約するため

など、通院が難しくなったケースや効率的に病院を利用したいケースでよく利用されています。

Q7 自分が気になっている症状がオンライン診療で診察可能か、どう判断すればいい?

オンライン診療を行っている病院ではホームページに診察可能な診療科や症状について記載されている事がありますので、まずはそのような情報を確認してみましょう。 ホームページを確認してもよく分からない場合は、電話やメールで病院に問い合わせるのがおすすめです。

Q8 近くの病院じゃなくてもオンライン診療を受けられる?別の都道府県や遠方の病院のオンライン診療を受けることは可能?

基本的にはネットワーク環境さえあれば日本全国どこからでも、オンライン診療の利用は可能です。 ただし、医療機関から対面診療を行うよう指示があった場合には、通院の必要が出てくる場合もあります。
病院によっては保険診療に対応できる地域を制限していたり、薬の届けられる地域が限られているケースもありますので、利用前に受診するクリニックや薬局について調べて頂くのがおすすめです。

  • 通院中で他に主治医がいる場合は?

病状にもよりますが、まずは主治医にオンライン診療について相談することをお勧めします。 必要に応じてオンライン診療を行う医師に情報の伝達を行うことがありますし(診療情報の提供といいます)、情報の連携により普段はオンライン診療、検査などで対面診療が必要な場合は近隣の医療機関を受診するということも可能です。

Q9 お金は実際の受診とどう変わるの?

保険診療では、対面診療と大きな差はなく同水準の診察料であることが多いです。別途オンライン診療のシステム利用料などが発生する場合がありますが、一方で交通費や通院時間の負担がなくなります。

Q10 どうやって診察するの?

スマートフォンやPC等のビデオ通話機能を使って、診察を行います。場合によっては、患部をビデオに映して医師に診てもらいます。

Q11 オンライン診療で診察できない症状・疾患はあるの?

下記のような場合については、オンライン診療ではなく外来診療をお願いされる場合があります。

  • 触診や聴診が必要な場合
  • 血液検査やレントゲン検査など、検査が必要な場合
  • 早期の判断や処置が 必要な場合
  • 医師が対面診療が必要と判断した場合
  • オンライン診療では薬の処方が難しい場合

※処方が難しい薬として向精神薬などハイリスク医薬品が挙げられます。

Q12 薬はどう受け取るの?処方箋はどうなるの?

利用する病院により異なりますが、多くの場合、薬や処方箋を自宅に配送してもらうか、近くの薬局で受け取ることができます。

自宅に処方箋が届いた場合は、調剤薬局に処方箋を提示して、服薬指導を受けることで薬を受け取ることができます。

調剤薬局にクリニックからFAX等で処方箋を送る事が可能な場合、 直接調剤薬局に行くことで薬を受け取れます。

また、オンラインで服薬指導を行っている薬局もあり、その場合、自宅やオフィスで服薬指導をうけて、自宅への薬の配送を希望することもできます。

処方箋は、通常、処方日を含めて4日以内が有効期限のため、期限に気をつけて受け取るようにしましょう。(オンライン診療では有効期限を延ばす対応をしているケースもあるようです)



日本ではオンライン診療に対応している医療機関がまだ少なく、これから普及が見込まれる診療の形といえます。ご自身の治療や処方が安全に継続できる環境を選ぶようにしましょう。

◆ オンライン診療を受けてみたい方へ

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総合病院 5年、大学病院 5年勤務、途中基礎研究などにも取り組む。 途中基礎研究や研究成果の社会実装、先進医療、センター立ち上げ、新規技術の導入や技術指導にも取り組む。 事業会社2社を経験後に2022年に開業。 非常勤でも5年以上に渡って訪問診療や救急医療にも関わり、患者さまと医療スタッフ双方から高評価をいただく。 また首都圏や東海地方の複数クリニックや病院の立ち上げや体制強化・改善・成長に関与している。 大学客員研究員や手術の技術指導、企業の支援も継続している。
所有資格:外科・小児外科専門医、がん治療認定医、日医認定産業医、緩和ケア研修会修了、医療情報技師、バイオインフォマティクス認定技術者、WoCoVA-Certified PICC Trainer

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