LEP(低用量ピル)の服用を検討している方へ―将来の妊娠や血栓症リスクについて知っておきたいこと

  • 作成:2026/11/04

「LEP(低用量ピル)の副作用や将来の妊娠への影響が気になって一歩踏み出せない」という方もいるのではないでしょうか。ここでは、副作用や将来の妊娠への影響、血栓症などのリスクに関して、ガイドラインに基づいた情報をお伝えします。

宋 美玄 監修
 
宋 美玄 先生

この記事の目安時間は6分です

ピルの服用と将来の妊娠について

日本産科婦人科学会・日本女性医学学会の「OC・LEPガイドライン」によると、LEP(低用量ピル)の長期服用による将来の妊娠可能性の低下はないとされています(※1)。

服用をやめれば排卵は回復します

LEP(低用量ピル)は、服用している期間のみ、一時的に排卵をお休みさせるお薬です。服用を中止すれば、通常は数ヶ月以内に自然な排卵と月経が回復するとされています(※1)。

LEP(低用量ピル)による血栓症リスク

LEP(低用量ピル)の重大な副作用として知られているのが「血栓症(血管の中で血が固まる病気)」です。

LEP(低用量ピル)を服用している方の血栓症発症リスクは、年間1万人あたり3〜9人と報告されています(※2)。これはピルを服用していない方(1万人あたり1〜5人)に比べるとわずかに高くなりますが、妊娠中(1万人あたり5〜20人)や産後12週以内(1万人あたり40〜65人)のリスクと比較すると、高い数値ではないと考えられています(※2)。

万が一、LEP(低用量ピル)を服用中に「ふくらはぎの痛み・むくみ」「急な激しい胸の痛み」「息切れ」などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

飲み始めの不調と、お薬の調整

服用開始から1〜3ヶ月程度は、体がホルモン変化に慣れるまでの期間として、軽い頭痛や吐き気、不正出血などが起こることがあります。これらは多くの場合、飲み続けるうちに自然と落ち着いていきますが、もし症状が辛い場合は無理に我慢する必要はありません。
現在のお薬には、配合されているホルモンの種類などによって様々なタイプがあります。軽い頭痛や吐き気、不正出血などが気になる場合は、医師にご相談ください。

まずは「ご相談だけ」でも構いません

産婦人科を受診したからといって、必ずその日からお薬を始めなければならないわけではありません。「自分の体質でもLEP(低用量ピル)を飲めるのか確認したい」「副作用やリスクについてもう少し詳しく質問したい」といったご相談だけでも可能です。まずは現在の症状やご不安を解消するために、気軽にお話しにいらしてください。

【注釈】
※1:出典:「OC・LEPガイドライン 2020年度版」(日本産科婦人科学会・日本女性医学学会 編)より、OC/LEPの使用が将来の妊孕性を低下させることはないとする見解に基づく。
※2:出典:「OC・LEPガイドライン 2020年度版」(日本産科婦人科学会・日本女性医学学会 編)より、静脈血栓塞栓症(VTE)の年間発症頻度データの比較に基づく。

1976年兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科卒業。2010年に発売した『女医が教える本当に気持ちいいセックス』がシリーズ累計70万部突破の大ヒット。2児の母として子育てと臨床産婦人科医を両立。メディア等への積極的露出で女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

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