膀胱炎の血尿等の症状 腰痛、発熱、陰部のかゆみは別の病気?

  • 作成:2015/12/22

膀胱炎は、男性と比較して尿道が短い女性がなりやすい病気です。膀胱だけでなく、陰部や腎臓にまで影響が広がる可能性があり、放置しておくと重症になる可能性があります。明らかな血尿のような膀胱炎で表れる症状を感じたら、一度医療機関を受診してみるのもよいでしょう。腰痛、発熱、陰部のかゆみの場合は、別の病気の可能性もあります。どのうような可能性があるのかを含めて、医師監修記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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膀胱炎最多症状は、痛みと頻尿

膀胱炎で最も多い症状が「排尿時の痛み」と「頻尿」ですが、異常に気づくきっかけになるのは「血尿」や「尿の白濁(はくだく)」です。また、膀胱が炎症を起こしてしまっているため、正常な働きができず頻繁にトイレに行きたくなったり、膀胱に尿が残ったまま出にくくなることがあり、排尿後も尿が残っている感じがする(残尿感)も症状の1つです。腰痛が起きることもありますが、

なお、膀胱炎の場合は発熱することはありません。膀胱からもっと上に感染が広がってしまい、腎臓まで炎症が及ぶと腎盂腎炎(後述)になり発熱します。腰痛は、腎盂腎炎の症状の1つでもありあます。

膀胱炎の血尿症状の特徴は?

血尿は必ずあるわけではありませんが、膀胱内の粘膜の炎症が広がって傷になると尿に血液がまじります。膀胱炎で血尿が出る理由は、膀胱の内部の粘膜は、とても柔らかく傷つきやすいため、細菌の繁殖により炎症を起こすと、膀胱の粘膜が赤くただれた状態になり出血することがあるからです。粘膜から出血すると血尿として目で確認できることもありますが、病院の検査で顕微鏡により確かめないと分からないくらいの血尿の時もあります。血尿は、比較的病気が進行した状態に起きますので、血尿が出るような場合には早めに病院に行くことをおすすめします。

病院では尿検査を実施し、細菌尿(細菌のまじった尿)や血尿を認めることによって診断します。

陰部のかゆみは別の病気の可能性も

膀胱炎と共に陰部がかゆくなることがありますが、偶然だとは言い切れません。膀胱炎が起きたということは、尿道の入り口付近に細菌が入り込む余地があったということです。つまり、陰部の周辺に細菌が発生していたということになり、陰部周辺で細菌が繁殖して炎症を起こす「外唇炎」や「クラミジア」を併発している可能性があります。「外唇炎」や「クラミジア」は、別の治療が必要になります。

また、膀胱炎の治療のために細菌を殺す抗生剤を飲んでいると、体内の常在菌の細菌バランスが崩れてしまい、「カンジタ」や「トリコモナス」のような陰部のかゆみを引き起こす別の細菌や寄生虫に感染しやすくなってしまいます。必ず起こるわけではありませんが、ガンジタなどは比較的多い症状ですので、早めに診察を受けてください。

他にもかゆみを伴う膣炎を引き起こす細菌は多いです。悪化しないようになるべく早めに医師に相談しましょう。

発熱や腰痛は腎盂腎炎の可能性

膀胱炎を放置していると恐ろしいのが「腎盂腎炎」です。腎盂腎炎と言うのは、膀胱に繋がる腎臓にまで細菌が達してしまって起こる病気です。膀胱は尿をためておくだけの器官なので、膀胱炎だけで深刻な事態になることはまれですが、腎臓となると話は別です。

腎臓は体の老廃物を除去し、血液を健康に保つ働きを持っています。ここが細菌に侵されて働きが阻害されると、より深刻な事態に陥りがちです。特に、全身の血液が腎臓を通ることもあり、細菌が血液に乗って全身に行き渡ると非常に危険です。

腎臓は体の腰付近に2カ所あるので、運動もしていないのに腰の奥が痛んだり、発熱があるという場合には注意が必要です。腎盂腎炎は抗生剤の投与で治る病気です。早めに医師の診断を受けて治療を始めれば2週間前後で完治します。なお腎盂腎炎については、『腎盂腎炎(腎盂炎)の原因、症状、治療など』で詳しく解説しています。



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