「好きな人とのセックスなのに、気持ちよくない…」。女性が悩む「性的興奮の障害」の原因とは?

  • 作成:2021/11/13

心地よいセックスを妨げている「性機能障害」について、産婦人科医の宋美玄先生が解説します。連載第2回のテーマは「性的興奮の障害」。セックスをしたくてもムラムラしない、感じない、濡れない…パートナーに気を使って感じたふりをしている人も。心も体も気持ち良くなるにはどうすればいいのでしょうか。

宋 美玄 監修
 
宋 美玄 先生

この記事の目安時間は3分です

「好きな人とのセックスなのに、気持ちよくない…」。女性が悩む「性的興奮の障害」の原因とは?

性的刺激を受けてもムラムラしない、性器が濡れてこない

こんにちは、産婦人科医の宋美玄です。
セックスは本来、気持ちのいいもの。性的快感は「感じる」「濡れる」「イク」といったさまざまな言葉で表現されますが、セックスが始まってから終わるまで、女性の体はどんなふうに変化していくのでしょうか。

セックスの始まりは、キスや優しい愛撫といった性的な刺激で快感のスイッチが入るところから。だんだんと興奮が高まって、顔が紅潮したり発汗したり心拍数が増加したりするだけでなく、クリトリスや小陰唇、腟壁が膨らんで充血し、腟内に潤滑液がしみ出すなど性器周辺にも変化が現れます。いわゆる「濡れた状態」になって、挿入を受け入れる環境が整えられていくわけですね。

やがて興奮は一段と高まって、オルガズムへと突き進みます。オルガズムとは、「イク」などと表現される、快感が最高潮に達した状態のこと。オルガズムに達したあと、幸福感の中で興奮と快感は緩やかに引いていき、平時の状態に戻っていきます。

しかし、一連のセックスの過程においてまったく性的興奮が高まらず、性器の充血も起きない、濡れてこないという女性もいます。こうした状態を医学的に「性的興奮の障害」と呼んでいます

ホルモン分泌や、性器の形状が原因の場合も

性的興奮の障害には、さまざまな原因が考えられます。原因別に対策を見ていきましょう。

ホルモン不足

女性ホルモンのエストロゲンには性的な刺激に反応して腟の粘膜を厚くしたり膣の内部に潤滑液を分泌したりする働きがあり、セックスをスムーズに行うためのサポート役を果たしています。そのためエストロゲンが足りなくなると感じにくくなることがあります。

エストロゲンが不足してしまう最も大きな原因は、更年期障害の影響。しかし、若い世代でも極端なダイエットや疲れ、睡眠不足などで、一時的にエストロゲン不足になることがあるので注意が必要です。「以前は問題なかったのに、感じられなくなった」という場合は、婦人科で相談してみるといいでしょう(Vol.1参照)。

性器の形状

性感帯に不具合があって感じにくくなっているケースもあります。

例えば、「陰核包茎」。性感帯のひとつであるクリトリス(陰核)は、普段は包皮と呼ばれる皮膚に覆われていて、性的興奮を感じて膨張すると包皮がむけて露出しますが、陰核包茎の人はクリトリスが膨張しても包皮がむけず、愛撫を受けても刺激が伝わりにくいことがあります。包茎の女性版のような状態ですね。

陰核包茎でも少し強めに刺激するなど工夫すれば感じられるようになる可能性は十分あるので、パートナーに伝えましょう。それでも解消できない場合は、形成外科で手術をする方法もあります。

もともと性欲が薄い、ネガティブな思い込みで性欲がわかない

もともと性欲が強くない、セックスに関心がない

「恋愛・結婚とセックスはセット」「好きならセックスをしたくなるはず」と決めつけてしまいがちですが、もともとあまり性欲が強くなくて「パートナーのことは好き。でもセックスをしたいとは思わない」という女性もいます。
お互いにセックスをしなくてもいいなら問題はないのですが、自分はしたくはないのに、パートナーがセックスをしたがるから女性側が仕方なく応じている場合も。我慢をせずに、パートナーとしっかり話し合ってみることが大切です。

気持ちのいいポイントがわからない

「どんなことに性的興奮を感じるのか」「どの部位をどんな方法でどれくらいの強さで刺激すると気持ちいいのか」といった「快感が得られるポイント」は人によって違います。しかし女性は受け身になりがちで、こうしたポイントがわからないという人が意外に多いのです。
自分で快感ポイントを見つける手段としてお勧めしたいのが、マスターベーションをしてみること。快感は経験を重ねながら得ていく面もありますから、マスターベーションで自ら性経験を積んでいきましょう。

「セックスははしたないこと」という思い込みがある

日本人はあまり性的なことをオープンに語ろうとしません。とくに女性は、親の教育などを通して、性的なことに対して不潔でいやらしいとか、はしたないことといったネガティブな意識が脳に植えつけられていて、セックス中に脳が性的興奮を感じないようブレーキをかけていることがあります。

セックスは大切なコミュニケーションの一つであり、セックスで快感を得るのは素晴らしいこと。婦人科医やセックスセラピストのカウンセリングなどを通して、ネガティブな思い込みを取り除いていくことが大切です。

「どうやったら感じるか」を知り、パートナーに伝えて

セックスで感じられないことに悩んで相談に来る女性の話を聞いてみると、パートナーのテクニックに問題があるというケースもとても多いんですね。

前述したようにセックスは段階を踏んで徐々に興奮や快感を高めていくもの。ところが、男性の中には「女性は挿入してこそ満足する」「激しくしたほうが感じるはず」などと決めつけ、乱暴な触り方をしたり、前戯もそこそこに挿入したりしようとする人が珍しくありません。

性的刺激が適切な状態であれば快感を得られる可能性は十分にありますから、パートナーにどんなふうに刺激をすれば感じやすくて、どういうのはやめてほしいのか、思い切って話してみてください。

生まれつき性的快感がないという人はほとんどいません。「もっと感じたい」と思う気持ちがあるならまず、自分自身の体や性的な反応に関心を持つことが大事。「どうやったら感じるのか」、前向きに研究してみましょう。

取材・構成/熊谷わこ

1976年兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科卒業。2010年に発売した『女医が教える本当に気持ちいいセックス』がシリーズ累計70万部突破の大ヒット。2児の母として子育てと臨床産婦人科医を両立。メディア等への積極的露出で女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

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