「また今日もイケなかった」…セックスの「オルガズム障害」に悩む女性の割合と、その解決策は?

  • 作成:2021/12/04

心地よいセックスを妨げている「性機能障害」について、産婦人科医の宋美玄先生が解説します。連載第3回のテーマは「オルガズム障害」。オルガズムとは性的絶頂感のことで、「イク」などと表現されますが、「絶頂というほどの快感は経験したことがない」「そもそもオルガズムがどんな感じかわからない」という女性も。オルガズムを得るにはどうすればいいのでしょうか。

宋 美玄 監修
 
宋 美玄 先生

この記事の目安時間は3分です

「また今日もイケなかった」…セックスの「オルガズム障害」に悩む女性の割合と、その解決策は?

「なんとなく気持ちいいけど…」はオルガズムではない

こんにちは、産婦人科医の宋美玄です。
今回は、知人や友人には相談しづらい、オルガズムについてお話します。

まず、女性はどんなふうにオルガズムに行きつくことができるのか、説明しましょう。
セックスによるからだの反応は、キスや愛撫といった性的な刺激に興奮してクリトリスや小陰唇など性器周辺が充血する「興奮期」、さらに興奮状態が高まって膣壁から膣粘液が分泌され、ペニスを受け入れる準備が整う「高原期」を経て、オルガズムに至ります。つまりいきなりではなく、性的興奮がだんだん盛り上がっていって絶頂を迎えるということです。

オルガズムに達した時、男性は射精が起こりますが、女性はそのようなわかりやすい反応はありません。しかし、膣や子宮、肛門括約筋が約0.8秒に1回の感覚で収縮し、なんともいえない気持ちよさに包まれます。男性のオルガズムがペニスと睾丸だけに限られているのに対して、女性は性器周辺から全身へと快感が広がっていくのが特徴。皮膚が紅潮したり、全身がけいれんしたり、白目をむいたりする人もいます。
そこまでではなくても、オルガズムは女性自身がはっきり自覚できるような快感です。「なんとなく気持ちいいけど、これがオルガズム?」という程度であれば、それはオルガズムではありません。

膣への刺激でオルガズムを得る女性は少数派

オルガズムは性的興奮が高まったことで無意識に起こる反射です。そのため神経の病気などオルガズムを妨げる要因がない限り、誰でも経験できるはず。ところが、セックスでオルガズムを得られている女性は、半分にも満たないと言われています

その大きな理由は、十分な性的刺激が得られていないこと。どうすれば性的興奮のスイッチが入るのか、どのポイントをどう刺激すれば感じやすいのかは人によって違います。

たとえば、アダルト動画や漫画などでしばしば激しいピストン運動によって、女性がオルガズムに達する姿が描かれますが、現実とは異なる面も。オルガズムは必ずしも膣への刺激によって得られるものではありません。むしろ膣で感じるのは少数派で、約8割の女性はクリトリスでオルガズムを得るとされています「挿入よりもクリトリスを愛撫されるほうが気持ちいい」という女性もたくさんいます。
そんな女性がセックスで愛撫もそこそこに挿入されたところで、オルガズムを得られるわけがありません。

マスターベーションによる「練習」が効果的

それぞれ感じやすいポイントが違うのに、他人である男性が適当に触ったところでヒットする確率は極めて低いでしょう。オルガズムはセックスをすれば自然に得られるものではないのです。オルガズムを経験したことのある女性は、セックスではなくマスターベーションで学んだというケースが圧倒的に多いのではないでしょうか。

マスターベーションは、自分の気持ちのいいように触ることができるので、快感を得やすいもの。マスターベーションでオルガズムの経験を重ねて、「どこをどんなふうに刺激すればオルガズムに達しやすいのか」を学習することができるんですね。そのパターンを自分の体に覚えこませれば、セックスでもオルガズムを得やすくなります。日本の女性はマスターベーションに消極的ですが、オルガズムを得るための最適な練習法なので、ぜひ挑戦してみてください。

自分が感じやすい方法がわかったら、パートナーにリクエストするのもおすすめ。男性の中には「女性は激しい愛撫が好きに違いない」と思い込んでいる人もいますが、実は一定のリズムで淡々とソフトに刺激し続ける愛撫のほうが、女性は絶頂に達しやすくなると言われています。
リクエストをすることでこうした男性側の思い込みが解消され、「本当に気持ちのいいこと」をしてもらえるようになれば、性的興奮は高まり、オルガズムに達しやすくなるはずです。

本当にセックスにオルガズムは必須?

オルガズムはぜひ経験してほしいし、オルガズムを感じられればセックスの満足度は高いでしょう。しかし、セックス中に「なんでイケないのかな…」などと思うと、むしろ性的興奮が妨げられかねません。
信頼し、愛している人となら抱き合っているだけでも幸せな気持ちになれるもの。オルガズムに達しないことがあってもいい、と気楽に考えましょう。気負わず、セックスを楽しんでください。

取材・構成/熊谷わこ

1976年兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科卒業。2010年に発売した『女医が教える本当に気持ちいいセックス』がシリーズ累計70万部突破の大ヒット。2児の母として子育てと臨床産婦人科医を両立。メディア等への積極的露出で女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

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