てんかん発作の際の対処法 救急車を呼ぶ基準・タイミングは?

  • 作成:2016/08/05

てんかん発作は、いきなり倒れるなど大きなアクションがあるため、てんかん患者と知っていても、発作が起きてしまった時は、周りの人はあわてがちです。対処法と救急車を呼ぶべき基準を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は6分です

てんかん発作の時、救急車を呼ぶべき?

てんかんには、大きくわけて、原因で2種類、脳の異常の起きる部分で2種類に分けられ、それぞれの掛け合わせで、4種類にわかれます。記事を読むうえで、注意をお願いいたします。詳しくは、こちらで解説しています。

症候性全般てんかん→病気が原因で、異常の発生部位が脳全体のもの
症候性部分てんかん→病気が原因で、異常の発生部位が脳の一部のもの
特発性全般てんかん→原因が不明で、異常の発生部位が脳全体のもの
特発性部分てんかん→原因が不明で、異常の発生部位が脳の一部のもの

てんかん発作が起きた時の対処法

てんかん発作では、「目の前の人が突然倒れ、意識はなく、呼吸が止まり、顔が土気色になっていく」のですから、最初はとても慌ててしまうでしょう。しかし、落ち着いて行動すれば、多くの場合問題ありませんから、安心して対処して下さい。主な発作の対処法を下に示します。


「大発作(強直間代発作)」をみた場合;

あわてずに衣服をゆるめ、ゆったりと呼吸できるような状態をつくり、静かに危険でない場所に寝かせます。必要ならば下あごを軽く引き上げ、呼吸を楽にしてあげます。吐きそうな時には、顔は横向きにして、吐物を誤嚥(ごえん、食べ物が呼吸器に入ること)しないようにしておきます。舌をかまないようにと、口に詰め物を入れようとするのは、のどを刺激して吐くことを誘発してしまったり、時には窒息につながることもありますので、かえって危険な対応になってしまいます。発作の後は、静かに寝かせることが大切です。むやみに名前を呼んだり、声をかける必要はありません。けいれんが長時間にわたって止まらないときや、意識が戻らないうちに再びけいれんが起きる場合などは、すぐに治療を受けなければならないので、最寄りの医療機関に連れて行きましょう。できれば救急対応の病院が良いでしょう。


「一瞬のうちに転倒してしまうような発作」の場合;

一定の部位に繰り返しけがを負うような人では、受傷部位を念頭に対策しておきます。保護帽(ヘルメット)を作成したり、バレーボールなどのスポーツで使用する肘(ひじ)や膝(ひざ)のガードルの使用を考慮するのが良いでしょう。


「意識のくもりが長く続く」ような場合;

意識障害が数分以上続き、特に無目的な行動(自動症、無意識にさまざまな動作をすることなど)が見られる場合には、無理に行動を抑制する必要はありません。周囲にある危険な物をよけたり、危険な場所(火や水、高いところ、危険な機械のそばなど)からは遠ざかるように誘導してあげます。

てんかん発作で救急車を呼んでよい?呼ぶべきタイミングがある?

自分の目の前で、家族や友達が、ある日突然意識を失ったり、体の一部がピクピク動いたり、けいれん発作を起こしたとしたら、はじめての場合、ほとんどの方は発作を起こした人に、「声をかけ、抱きかかえ」、「誰か近くにいる人を呼び」、「携帯電話で救急車を呼んで」しまうのではないでしょうか。てんかんの発作が起きても、通常はすぐに病院に行く必要はありません。全身にけいれんが起きた場合でも、普通は1分から数分で発作はおさまり、その後10分から20分以内に意識が回復することが多いので、そのまま様子を見ていて構いません。すぐに救急車を呼ぶ必要はないことがほとんどです。

てんかん発作で、すぐに病院に行く必要がある場合、つまり救急車を呼ぶタイミングには、次のようなものがあります。

(1)けいれん発作が長引いたり(10分から15分以上)、1回の発作が終わった後、意識が戻らないうちに再びけいれんが起きる場合などです。けいれん発作だけでなく、けいれんを伴わない発作でも、長く続くか、何度も繰り返す(通常は30分以上)状態は、「てんかん発作の重積状態」といわれます。てんかん重積状態の死亡率は、以前に比べると低下しているとはいえ、6%から10%とする報告があり、迅速かつ適切な治療を必要とする救急患者さんと考えるべきでしょう。

(2)倒れる発作がある人は、保護帽などをかぶっていてもけがをすることがあります。特に発作による転倒により、「頭などを強く打った場合」などは、すぐに救急車を呼んで、救急病院を受診することが望まれます。


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てんかんのチェック項目についてご紹介しました。自身や近いが「てんかんかもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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