アンケートからわかるうつ病患者さんの実際
- 作成:2025/09/11
「うつ病かもしれない」と感じても、精神科はあまりなじみがない方も多いため、受診のハードルを感じ、躊躇する人もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、うつ病の方の実際をイメージしていただきやすくするために、アンケート調査を実施しました。うつ病かもしれないと思った方がどのようにして受診し、回復までにどのような道のりをたどったかや、治療にかかった費用などを、アンケート結果に基づいてご紹介します。
この記事の目安時間は6分です
【アンケート概要】
対象:Ask Doctors会員の44名
期間:2025/6/20~2025/6/23
Q1 うつ病かもしれないと思ってから病院を受診するまでの期間
「うつ病かもしれないと思ってから病院を受診するまでの期間」を伺ったところ、「1ヶ月以内」が約半数と、多くの方が早期に受診されていました。
「1ヶ月以内」と回答した方からは、次のようなコメントが寄せられています。
「仕事も注意散漫な状態でマイナスなことしか考えられない状態が続いていた時、仕事中に昼食をとった後、吐き戻してしまい、同僚から心配され心療内科受診を勧められた」(40代、男性)
「仕事にプレッシャーを感じ、会社に行くことが苦痛に感じた。また、好きで行っていたこともしなくなり、何事にも興味がわかなくなった。妻に相談し、知り合いの精神科を受診することにしました」(60代、男性)
「ある日いきなり涙が止まらなくなった。感情が動かず、まったく食欲がなくなり、口許に食べ物を持っていっても口に入れる気がしなくなり、自分で自分がおかしいと感じていた。うつ病の症状っぽいと自分で思ったので、心療内科を探した」(50代、女性)
自分自身で決意した方もいれば、周囲に促されて受診した方もいることがわかります。
一方で、うつ病を疑ってから3ヶ月以上たってから受診したという方も、約3割に上りました。中には、受診まで1年以上かかった方もいます。自覚症状があっても、長い間がまんしている方が決して少なくないことが伺えます。
また、受診するまで「1~2年」と回答した方(2人)はどちらも身体症状が強く現れており、耳鼻科や内科を受診していたものの異常が見つからず、医師から精神科を紹介されたというケースでした。「うつ病では身体的症状も生じる」ことを知っておくとの重要性がうかがえます。
Q2 受診してから症状が寛解するまでの期間
「受診してから症状が寛解するまでの期間」については、「6年以上」という回答が最多(36.6%)で、次いで「3~5年」(22%)が多い結果でした。回答者の約半数が、3年以上の長期にわたってうつ病の治療を受けています。
「3ヶ月以内」と短期で寛解した方も4人いましたが、そのうち3人がうつ病かもしれないと思ってから1ヶ月以内に受診していました。早期に受診することで、短期の回復につながる可能性があるのかもしれません。
Q3 通院頻度について
通院頻度は、「1ヶ月に一度」が約半数(48.8%)で最多で、次が「2週間に1回程度」(26.8%)です。
コメントからは、うつ病の回復状況に応じて通院頻度が変化していくことが伺えます。
「最初は2週間に一度の頻度で通院。薬の様子を見ながら、今は1ヶ月に一度で落ち着いています」(50歳、女性)
「通院から3年は週1回。その後月2回になったが、再度メンタル不調になってしまい、現在は週1の通院になっている」(50歳、男性)
Q4 うつ病の治療でかかった費用
「うつ病の治療でかかった費用(1ヶ月あたり)」は、「2,000円~5,000円未満」と回答した方が43.9%と最多でした。「1,000円~2,000円」(17.1%)、「1,000円未満」(7.3%)を合わせ、約7割(68.3%)の方が月5,000円未満の治療費となっているようです。
医療費が「10,000円以上」という回答は12.2%でした。
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