うつ患者さんの治療体験談④
- 作成:2025/09/11
身体の不調から始まったDさんのうつ病体験談です。腰の痛みと痺れで歩けない状態が続く中、「おかしい」と感じて心療内科を受診。典型的な「身体症状からくるうつ病」と診断され、治療を始めました。ご自身の心や身体の変化に気づき、受診を迷っている方へ向けたメッセージも紹介します。
この記事の目安時間は6分です
受診までの経緯
私がうつ病を診断されたのは、7年前、45歳のときでした。
不調は、腰の痛みから始まりました。腰痛がどんどん悪化し、痛みと痺れが左足の裏まで広がっていき、やがてはほとんど歩けない状態になってしまいました。
病院に行きましたが、痛み止めも効かず、MRI検査をしても原因が分かりません。何件かの整形外科の先生からは「検査で異常はないのだから、そんなに痛いはずがない。わがままでは」といわれることさえありました。
しかし、痛みと痺れはがあったの事実で、歩けない状態が続いていました。
痛みをずっとがまんしていたある日、何の前触れもなく涙があふれ、止まらなくなりました。それからは、感情が動くことがなくなり、食欲もまったくなくなって、食べ物を口元に持っていっても口にいれる気がしませんでした。
これはおかしいと感じ、「うつ病かもしれない」と思った私は、すぐに心療内科を探しました。
受診後の治療経過
心療内科では、典型的な「身体症状からくるうつ病」と診断され、抗うつ剤を処方されました。
抗うつ剤は驚くほど効果があり、3週間ほどで食欲は元に戻りました。しかし、足腰の痛みと痺れは治らず歩けないままでした。
そのせいか、常にうっすらと悲しく、やる気が出ない、体がだるいといった状態でした。
そのため、別の種類の抗うつ剤に切り替えて治療を続けることになりました。
薬は状態に合わせて少しずつ減っていき、最初の3ヶ月は2週間に一度だった通院頻度も、月に一度になりました。
そして昨年、長年苦しんできた腰の病名がついに判明し、手術を受けることになりました。
リハビリが終わって歩けるようになるまでは、うつの治療は現状維持でいきましょう、と先生から説明を受けています。
受診を迷っている方にむけてのメッセージ
ご自身の心や体が「変だな?」と感じたら、すぐに受診することが大切だと思います。
抗うつ剤にはたくさんの種類があり、大量に薬を出すお医者さんはほとんどいないと聞きます。そして、早く治療を始めれば、それだけ早く効果も現れるそうです。
うつ病はこじらせるほど、さまざまな問題が大きくなってしまいます。
ぜひ、ご自身のために、早期の受診が結果的によい方向にいくと考えていただければと思います。
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